Artwork design: Pyjama Media
梅田芸術劇場と英国 チャリングクロス劇場が共同で演劇作品を上演する日英プロジェクトが再び始動!
世界的な演劇の拠点である英国ウエストエンドの中心部に位置するチャリングクロス劇場は150年以上の由緒ある歴史を持ち、オフウエストエンドの中で今最も注目を浴びている劇場の一つ。この度、若手脚本・演出家として活躍が目覚ましい加藤拓也氏のオリジナル作品を英国で開発し、このチャリングクロス劇場で上演する事が決定した。
作品は、近未来のとある夫婦の物語。二人は大手ゼネコンで人類の月への移住計画という大プロジェクトで働いている。月に生まれる新しい街で理想の人類の暮らしが始まる。スタッフとして、また、先駆者として月へ移住する準備を始めている二人だが、ある問題が発覚する。それぞれの立場で悩みを抱える夫婦は、徐々に互いの不平不満が募り・・・。
観客を月と地球の異空間に誘いながら、生命の誕生という人智を超えた領域に直面した時浮き彫りになる男女のテーマや人類が向かうその先を切り口に、鋭い台詞劇が描かれる。
才能溢れる若手クリエイター加藤拓也が、斬新かつ果敢に挑む、英国デビュー作に乞うご期待。
加藤拓也 コメント
この秋に新作をチャリングクロス劇場で上演できることをとても楽しみにしています。これから地球から月へと住む場所が移り変わっても、人間は進化していないかもしれません。また平等からエクイティへと意識が移り変わっても、まだ現実には解決しそうにないことが沢山あります。これは少し未来の話に見えるかもしれませんが、確実にそこまで来ている未来の、そして日本で働くカップルが持つプライベートな今の問題であり、それは人類が抱えている問題だとも言える、社会に流れ続ける母親神話に対する疑問を投げかけていく物語です。私たちの文化とまた違う文化との隙間から、新しい作品を産み出せるとワクワクしています。
プロフィール
脚本家・演出家・監督。劇団た組主宰、わをん企画代表。17歳でラジオ・テレビの構成作家を始める。18歳でイタリアへ渡り、映像演出と演劇について学び、帰国後、劇団た組を設立する。近年の舞台作品には、「MISHIMA2020」の「『真夏の死』(『summer remind』)」(作・演出)、『友達』(演出)、『博士が愛した数式』(演出)、漫画『惡の華』の舞台化、『ザ・ウェルキン』(演出)、『ドードーが落下する』『綿子はもつれる』(作・演出)など様々な作品を手掛けている。
第10回市川森一脚本賞、第30回読売演劇大賞優秀演出家賞、第67回岸田國士戯曲賞等、数々の賞を受賞。映画では、 2023年に日仏合作映画「ほつれる」が第45回ナント三大陸映画祭でDISTRIBUTION SUPPORT AWARDを受賞。同年、Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023を受賞した。