舞台『のうぜい合戦』|小出恵介 インタビュー

小出恵介となるせゆうせいが
20年ぶりのタッグ
社会問題をブラックに笑い飛ばす!

人気漫画・アニメの舞台化から【社会問題×エンタメ】をテーマにした社会派まで、幅広い作品を手掛けるマルチプロデューサー・なるせゆうせいによる完全オリジナル新作舞台『のうぜい合戦』。主演は映像、舞台と数々の作品で活躍中の小出恵介が務める。実は小出が大学1年生の頃に初めて立った舞台が、なるせの作品だった。

「まだ事務所に所属する前。ちょうど演技に興味を持ち始めた頃に、なるせさんと出会いました。なるせさんが早稲田大学の学生会館で上演するオリジナル作品に参加したのが、僕にとって人生初の舞台出演でした。破天荒な内容で破天荒な役だったことを覚えています。十代のエネルギーとテンションのみでやり切った感じですね(笑)。その舞台がきっかけで、演劇作品をもっと観るようになりましたし、僕にとって、演劇の世界に入る大きなきっかけとなった作品だったと思います。その後、何度かお話をいただいていたものの、なかなかタイミングが合わず実現には至りませんでしたが、今回再びお話をいただき、かねてからのご縁もあり、ぜひ出演したいと思いました」

今作はワンシチュエーション

「ふるさと納税」を扱うドタバタブラックコメディだ。小出が演じる猪狩智也は「地域おこし」を担当する役場の人間。かつて他の市を蘇らせた“ふるさと復興請負人”として期待を背負っているが……。「ほぼ出ずっぱりで、テンションの高い会話を繰り広げていく。まさになるせさんらしい作品です。相手の芝居を受けて捌いて、受けて捌いての連続なので、そこも楽しみながらテンションを上げていければと思います。初共演となる方ばかりですけど、みんなで同じ方向に向かって、和気あいあいと作り上げていきたいですね」

今まで挑戦していなかったジャンルや規模を含めて、「とにかくやってみる、やっていく」心持ちだと明かした小出

「なるせさんらしい社会的テーマを盛り込みつつも、でも重すぎず、楽しめる作品になっていると思います。ふるさと納税については、今回の作品を通じて、改めて制度の仕組みを学ぶ、良い機会になりました。社会的なテーマを据えつつも、鋭く切り裂いていくというよりは、ブラックに笑い飛ばす“味わい”を感じていただけると思います。風刺とコメディ、ふたつの軸をお楽しみいただけるはずです」

昨年、なるせが小出の出演舞台を観に来たという。久々の対面となった、なるせからの言葉は「変わってないね」

「僕としてはいろいろな部分で変わったつもりだったのですが(笑)。18歳の頃と今の自分が、根っこの部分でつながっていると感じていただけたのかな。深いお言葉をいただいたと思っています。なるせさんは演劇や映像の分野でずっと第一線でご活躍されていて、約20年ぶりにまたご一緒できることが、非常に楽しみです」

インタビュー&文/片桐ユウ

※構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載

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【プロフィール】

小出恵介
■コイデ ケイスケ
数多くの映像作品、舞台に出演。近作は舞台『ある風景』、映画『愛のぬくもり』など。