白井晃が演出を手がけるブレヒト作品『セツアンの善人』が、明日10月16日(水)に東京・世田谷パブリックシアターで開幕する。
開幕に先駆けてプレスコールと初日前会見が行われ、演出家の白井晃、出演の葵わかな・木村達成が登壇した。
本作はドイツの劇作家ベルトルト・ブレストの大傑作。神様が地上に降りてきて善人を探すという物語は、今も多くの人々に愛され、世界各地で上演を重ねている。
世田谷パブリックシアターの芸術監督であり、これまで数々のブレヒト作品を手掛けてきた白井晃が満を持して演出を務める。
葵は貧民窟に暮らす心優しき娼婦のシェン・テと彼女が作り出した冷酷にビジネスに徹する架空の従兄シュイ・タの2役を演じ、木村はシェン・テが恋に落ちる失職中のパイロット、ヤン・スンに扮する。
今回1人2役を演じる葵は、演じ分けるうえで大変なことを聞かれると、
「全部大変です。男性役を演じることが初めてで、女性と男性で体の作りも違うので、歩き方1つ、姿勢1つとっても、それを自分の身長と体格でどうやって表すか、すごく難しいです。声色とか、見るからにわかる、男性らしさを表現するっていうのはやっぱりすごく難しいなと思います。
そこに加えて、シェン・テとシュイ・タのキャラクターの違いが出ることが、よりこの作品を面白くすると思うので、そのキャラクターの差や個性は、今後もずっと考えていきたいなと思っています。」と話した。
作品について葵は「すごく挑戦的なものが詰まった作品になっているので、お客様からどんなリアクションが返ってくるのか、どんな感想を抱いていただけるのかがすごく楽しみです。稽古場の段階から、きっとお客さんが入って完成する作品になるんじゃないかなと考えていたので、 明日は一生懸命頑張りたいなと思います。」と意気込んだ。
木村は「明日、初日を迎えられること、本当に嬉しく思ってます。この「セツアンの善人」が持つ独特な感さみたいなのを伝えていけたらなと思ってます。」と意気込み「すごく和気あいあいとした稽古の中で生まれるコミュニケーションが舞台上にも反映されてると思う」と話した。
さらに演出家の白井は「この世田谷パブリックシアターでブレヒト作品。 この作品は今に通じるいい作品だと思ってますので、力を込めて皆さんに送りたい。」と話し、「物価の高騰に伴い、演劇の料金もどんどん上がる中、若い観客の皆さんが料金が高騰することによってなかなか演劇に接する機会が少なくなっているのは非常に悲しい。 公共劇場として若い方にもたくさん来ていただきたい、将来演劇に興味を持っていただく方がたくさん生まれていきたいという願いから、年齢や席によって、いろんなお安い席もご用意してですね、たくさんの若い方々に見てもらえるようにしたいと、切に願っております。」と伝えた。
『セツアンの善人』は10月16日(水)から11月4日(月)まで世田谷パブリックシアターで上演される。
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