舞台『刀剣乱舞』ジョ伝 三つら星刀語り 荒牧慶彦 & 和田雅成 インタビュー

本丸ができたころから始まる物語

名だたる刀剣が戦士の姿となり活躍する『刀剣乱舞-ONLINE-』を原作としたストレートプレイ版の待望の新作が、この12月に上演される。舞台『刀剣乱舞』ジョ伝 三つら星刀語り のタイトルで、今回のストーリーは三日月宗近(前回公演まで鈴木拡樹が演じていた)が顕現する前、本丸ができたころから始まる物語……である。

舞台『刀剣乱舞』(=刀ステ)の全作に出演している山姥切国広役・荒牧慶彦は言う。

荒牧「刀ステはもともとストーリーがすごくしっかりしていて、伏線がいろんなところに散りばめられているので、これまでの全作品を観ているお客さんは『あ、この場面はもしかしてあのとき言ってたことなのかな?』とか、何かつながりが見つけられるかもしれません。そういった意味でもこの『~ジョ伝 三つら星刀語り』がまた面白いんじゃないかなと思います」

 

今回、山姥切国広とともに中心となるへし切長谷部役・和田雅成は、シリーズ第一作「~虚伝 燃ゆる本能寺」以来の出演。

和田「出ていなかった前回公演(『~義伝 暁の独眼竜』)は客席で観ました。『この本丸に自分もいたんだ』っていう、ちょっと不思議な気分だったんですけど、前回までの座長だった鈴木拡樹くんからも『帰ってくる場所を作っておくから』と言っていただいていたので、『でもこの本丸には自分の居場所がある』という感覚もありました。そして実際、まっきー(荒牧)とか(納谷)健とか全作品に出ている信頼できる人たちが、しっかりとこのシリーズを作り上げてくれているので安心です」

荒牧「おかえり(笑)。キャストたちはみんな仲がいいし、こうして帰ってきてくれるのはすごくうれしい。今後は、ほかの刀剣男士が帰ってくる可能性もあるということだよね。みんなが帰ってきてもスッと受け入れられるような本丸にしていきたい」

和田「僕こそ、『ここに戻ってこさせてくれてありがとう』って言いたい!バトンをつなぐというか、拡樹くんが言ってくれたことを今度は自分たちで次につなげていかないとね」

荒牧「拡樹くんも常々言っていた『戦い続ける座組み』というテーマを僕も引き継いで、『~ジョ伝 三つら星刀語り』も戦って戦って戦い続けたい。背中を見ながら学んだものを存分に生かしつつ、僕たちでしかできない座組を作っていきたいと思っています。僕らなりの本丸のあり方を貫いていくだけ!」

 

その刀剣たちが持つ物語が、それぞれ刀剣男士となっている。例えば山姥切国広は、霊剣“山姥切”を模して作られたとされる。山姥切国広にとって、オリジナルでないことがコンプレックスなのだ。

荒牧「そうなんですよ。実際に僕、足利市立美術館で展示されていた山姥切国広を見たことがあるんです。美術館の方のはからいで数分2人っきりにしていただき(笑)じっくり向き合えたんですが、とにかくきれいでした。“顔”と呼ぶ刀の先っぽが長いそうで、かつ他の刀より太さもあって。本当に素晴らしい刀で、『やっぱり山姥切国広はすごいな!』って(笑)。こんな傑作であるのにオリジナルではなく写しだということで抱えている内面の葛藤、そして成長をしっかり表現していきたいですね」

和田「僕も『~虚伝』の福岡公演のときに、展示されているへし切長谷部を見に行きました。ただただ見て圧倒されたという感じ(笑)。へし切長谷部というキャラクターについては、“大人であろうとする者”という印象を抱いています。ちょっと背伸びというか、優等生であろうとするみたいな。自分自身とも通ずるものがあって。そういうリアルな人間くさい部分が、僕はすごく好きです」

 

『~ジョ伝 三つら星刀語り』では、新たな刀剣男士も多数登場する。

和田「へし切長谷部と共に“日本号”も飾られていて、いつか一緒にできたらいいなと思っていたら、『~ジョ伝 三つら星刀語り』に初登場すると聞いて。すごく楽しみです!」

 

これら新たな刀剣を体現するキャストは誰か。また、その刀剣男士たちにどんな展開が待ち受けるのか。サプライズ続きの続報を心待ちにしていただきたい。

 

インタビュー・文/武田吏都

 

※構成/月刊ローチケHMV編集部 10月15日号より転載

掲載誌面:月刊ローチケHMVは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布

 

【プロフィール】
荒牧慶彦
■アラマキ ヨシヒコ ’90年、東京都出身。舞台を中心に活躍。主な作品に『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』最新作(朔間凛月役)など

和田雅成
■ワダ マサナリ ’91年、大阪府出身。舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇~ヒートアップ(今泉俊輔役)が今月19日に開幕