ミュージカル『薄桜鬼 真改』藤堂平助 篇│樋口裕太&輝馬 インタビュー

写真左から)輝馬、樋口裕太

「薄ミュ」は歌と本気の殺陣が同時に求められる稀有な作品!

シリーズ10周年を超え愛され続ける「薄ミュ」最新作、ミュージカル『薄桜鬼 真改』藤堂平助 篇が6月に上演。藤堂平助を演じるのは、同役を演じて8年目となる樋口裕太。山南敬助役は、樋口と10年の付き合いとなる輝馬が演じる。念願の「真改 藤堂篇」を控え、樋口は「準備はできている」と気合いを覗かせる。

樋口 『藤堂篇』をやりたい気持ちはずっとありましたが、『絶対やってやる』という決意に変わったのは、実は『山南篇』(2023年)がきっかけです。

輝馬 へぇ、そうなんだ(ニヤリ)。

樋口 『山南篇』の平助は作中で重要なポジションを担う。その責任を負う瞬間を経験したことが大きなきっかけでした。山南さんの立場も、本作と『山南篇』では真逆になるので、そういう意味でも、僕の中では輝馬くんでなければ『藤堂篇』をやる意味がないという思いがあって。だからカムバックしてくれたことは、心の安心材料ですね。

輝馬は2年前の『山南篇』で主演を務めているが、「今僕から裕太に伝えたいことはないかな。言葉にせずとも、自然に感じ取ってくれていたと思う」と当時を振り返る。

樋口 輝馬くん含め、いろんな座長を7年間見てきて、しんどいことも知っている。あとは自分がやる意味というのを考えて臨みたいと思います。でも、考えちゃうとダメなタイプなんですよね。周りも『どうした樋口!?』ってなっちゃうと思うので(笑)、稽古場ではいつも通りでいたいと思っています。

輝馬 そういえばこの前、毛利さん(脚本・演出の毛利亘宏)と釣りに行ってたよね?突然、毛利さんとの釣りの写真が送られてきて(笑)。

樋口 そうそう。毛利さんとはプライベートでもよくお会いするので、作品について話すこともあって。僕がこれまでどう平助を作ってきたかという話をしたら、毛利さんが『僕の思っている通りだから、そのまま作っていくね』と。お互いのイメージが合致したので、これから作品を作っていくのが楽しみで仕方ないです。

この座組で長く過ごしてきた2人は、お互いの魅力も作品の魅力も知り尽くしている。

輝馬 やっぱり裕太だから、なんですよね。仮に他のどんなすごい役者さんが藤堂平助を演じても、今以上に気持ちよくお芝居ができるとは思えない。スキルがあるのはもちろん、プラスして人間的な部分が大きい。樋口裕太がいてこその、今の山南と藤堂なんだろうなと感じています。

樋口 今の言葉、濃く太く書いておいてください(笑)。僕にとっても彼は唯一無二です。『山南篇』で2人で本気で斬り合ったんですが、山南さんはその時々の気持ちで殺陣のタイミングが変わるんです。あのとき確かに僕たちは舞台上でちゃんと殺し合いをしていた。それができるのは、相手が輝馬くんだからなんです。

輝馬 『薄ミュ』って、歌と殺陣とが同時進行でこなせることを求められる稀有な作品なんです。音に合わせた“振付としての殺陣”じゃないので。だから、さっき裕太が言っていた殺陣は、この作品じゃなきゃできないし、僕たちにしかできないことだと思います。

「千鶴という守りたい人がいる、そんなこれまでとは違う平助の生きる意味を感じながら演じたい」と語る、樋口の8年目の藤堂に期待は高まるばかり。

樋口 これまでたくさんのキャストを見送ってきた僕がやる意味を大切に、絆や繋がりを感じられる作品にしたいです。お客様にはぜひ『山南篇』を観てから『藤堂篇』を観てもらって、表と裏な部分を照らし合わせて楽しんでもらえたらと思います。

インタビュー・文/双海しお
Photo/中田智章
ヘアメイク/松野亜莉沙

【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:
樋口 ミスドは持っていくとみんなが『お~ミスドじゃん』となってくれるし、種類も多いし冷蔵庫に入れなくてもいいし。何より僕が嬉しい(笑)。

輝馬 美味しかったお店をマップに全部登録しているので、劇場や稽古場に1番近い店や、乗り換えのルート上で買っていくようにしています。

※構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布

【プロフィール】

樋口裕太
■ヒグチ ユウタ
数多くの2.5次元作品に出演。主な出演作はミュージカル『薄桜鬼』シリーズ、『東京カラーソニック!!』the Stageシリーズなど。

輝馬
■テルマ
舞台、ミュージカルを中心に活躍。主な出演作はミュージカル『テニスの王子様』シリーズ、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズなど。