舞台『賭ケグルイ』|蟹沢萌子&村山結香 インタビュー

アニメ化、実写化などメディアミックスでも話題となった漫画「賭ケグルイ」が、2025年9月に舞台化。ギャンブルがすべてを支配する私立百花王学園で繰り広げられる、美しく狂気的な学園ギャンブルストーリーが、数多くの2.5次元作品を手掛けてきた西田大輔(脚本・演出)×和田俊輔(音楽)のタッグで上演される。

主人公・蛇喰夢子役を蟹沢萌子(≠ME)が演じるほか、永田聖一朗、小泉萌香、音くり寿、河内美里、朝倉ふゆな、村山結香(≒JOY)、佐竹桃華、笹森裕貴、梅田彩佳といった豪華キャスト陣が揃う。

今回は姉妹グループで活動中の蟹沢萌子&村山結香にインタビュー。外部公演初出演となる2人に、作品や役への思いを聞いた。2人の仲良しトークをぜひ楽しんでもらいたい。

――まず、出演が決まった際の率直なお気持ちを教えてください。

村山:前回、舞台に出演した時から期間は空いているんですが、その間もずっと演技のお仕事に挑戦してみたいと思っていたので、今回お話をいただいて素直に嬉しかったです。「賭ケグルイ」というたくさんの方に愛されている作品の舞台化ということで、「どんな作品になるのかな?」、「自分も知らない自分に会えるんじゃないかな」と、すごくワクワクした気持ちでいっぱいでした。

蟹沢:これだけ多くの方に愛されている作品で蛇喰夢子を演じさせていただくということで、身が引き締まる思いでした。本当に大好きな作品なので、やっぱり嬉しかったですね。私もすごく久しぶりに舞台に出演させていただきます。この期間に、それこそ結香ちゃんが出ていた舞台≒JOY☆FAIRY LIVE STAGE「ミルモでポン!」も観させてもらいましたし、メンバーが舞台に立っている姿も観てきました。改めて舞台の素晴らしさを感じていたので、こうして自分が出演できるということに、私もワクワクしています。

――どの登場人物も個性豊かで魅力的な作品です。その中で、お二人はご自身が演じる役についてどう捉えていますか? 好きな部分や、共感できるところを教えてください。

村山:ユメミは裏表がはっきりしているというのが最初の印象でした。そのなかでも、夢に向かって熱い思いを持っているところは、私としてもすごく共感できた部分です。アイドルとしてファンの方と接するという経験は、私もアイドル活動の中で実際にやってきた部分なので、そういった共通点からユメミをより深く知って、演じていきたいなと思っています。

蟹沢:私は夢子の目がすごく好きなんです。シーンやセリフによって、本当に目の色が全然違うんですよね。言葉は柔らかくても瞳はその奥を見抜いて核心をついていたり、それこそギャンブルを前にしたときに目に力が宿っていたり。夢子のギャンブル中のあの目に見つめられたら、思わず後ずさりしてしまうような“圧”があるというか。穏やかなときのキラキラとした可愛らしい一面とのギャップもすごく魅力だと思いますし、そこは演じるうえでも意識できたらいいなと思っているポイントです。

――夢子のような“圧”が出る瞬間というのは、蟹沢さんにもありますか?

蟹沢:普段はあまりないんですが、あるとしたら、≠MEのステージでは、自然と出ているかもしれません。楽曲の中には、狂気的な愛を描いた曲や、自分を強く主張するような曲があります。そういう時、私は「強くするぞ」と意気込むわけではなくて、曲の流れに身を任せているんですが、後から映像で観ると、「私こんな目をして歌っていたんだ!?」って自分でもびっくりすることがあるんですよね。そういうときの内側から湧き上がってくる感覚は、もしかしたら夢子とも重なる部分なのかなと思います。

――この取材後、夢子vsユメミのシーンの初稽古があるとお聞きしました。このシーンを楽しみにしている方も多いと思うのですが、稽古を前にしてどんな心境でしょうか。

村山:芝居稽古は緊張するんですが、萌子さんとのシーンは台本を読んだ時からとっても楽しみでした! 普段グループとしてご一緒する機会はありますが、こうして個人でご一緒させていただけることが本当に嬉しいんです。 夢子とユメミが対峙するシーンでは、お互いに普段見せたことのない表情を見せることになると思うので、「どうなっちゃうんだろう」と。(はにかみながら)ドキドキしています。

蟹沢:可愛い~! もう本当に可愛くて仕方ないんです。ビジュアル撮影時も、実は結香ちゃんと撮影順が前後だったので、撮影している姿を見学しながら、ずっと「可愛い」って言い続けていたくらいです(笑)。でも、ギャンブルをするからには、お互い攻め込む部分があるわけじゃないですか。稽古はこれからなので今はまだ想像がついていないんですが、今回をきっかけに新しい関係を築けるんじゃないかなと思うと嬉しいです。

――お二人ともグループでの舞台作品を経験されています。そこで得た経験から、今作に活かしたいと思っていることはありますか。

村山:喉を大事にしながらも、声をしっかりキャラクターのイメージに近づけていけたらなと思っています。前回演じたキャラクターは可愛らしい声の役で、そこに声を寄せようと頑張っていたら、稽古期間中に声が枯れてしまうこともありました。今回は喉のケアをしっかり頑張りながらも、ユメミのアイドルらしい可愛い声と、ドスの利いた声の両方を出せるように、所作も含めて役に近づくことを意識していけたらなと思っています。

蟹沢:以前、舞台に立たせていただいたことで、舞台って毎日その場所で作品の世界を生きていくものなんだなと感じることができました。前回は、自分の身体がその空間に馴染むまで少し時間がかかってしまったので、今回は、作品の世界で生きる感覚というのを、初日からしっかり感じて、舞台上に生まれる私立百花王学園に早く馴染めるようにしたいなと思っています。

――今回の出演に際し、グループメンバーからはどんな言葉をもらいましたか?

村山:メンバーが「結香すごいね、おめでとう!」と声をかけてくれて、すごく励みになりました。みんなが応援してくれるからこそ、この作品がグループを知っていただく機会にもなると思うので、グループを代表して頑張っていきたいなという思いが強いです。ファンの皆さんも出演をすごく喜んでくださっているのを感じて、セリフを覚えるときも、メンバーの声や作品を楽しみにしているファンの皆さんの言葉を思い出して、毎日頑張れています。

蟹沢:メンバーも一緒になって喜んでくれました。もともと「賭ケグルイ」が好きなメンバーもいて、「絶対観たい!」って言ってくれたり、個人で舞台の仕事を経験しているメンバーがアドバイスをくれたりしました。優しさと温かさをすごく感じていますし、そういう居場所があるっていいなと、改めて感じています。あとは、もともと「賭ケグルイ」が大好きだったという声も、たくさんのファンの方から届いています。皆さんが公演を楽しみに待っていてくださるのが伝わってくるので、それを励みに毎日稽古を頑張っています。

――姉妹グループでの共演が叶ったということで、お互いにエールを送るとすると?

村山:はい(挙手)! 萌子さんは自然と目を追ってしまう存在で、ステージに立っていらっしゃる萌子さんが本当に大好きなんです。萌子さんの表現力は観ている人の心の核に刺さるな、とライブを観てすごく感じているので、夢子としてステージに立ったときも、多くの方に届くんじゃないかなと思っています。大好きな萌子さんが演じる夢子を、一観客としてすごく楽しみにしています!

蟹沢:ありがとう。すごく照れますね(照)。私もグループのライブを観させてもらうことや、合同コンサートでは袖からパフォーマンスを観させてもらうことも多いのですが、結香ちゃんはスパンコールみたいなんですよね。周りがキラキラ光っていて素敵だなと思っています。

村山:(小声で)嬉しい~。

蟹沢:ユメミって目の中に星が描かれているじゃないですか。そういうきらめきの部分で、結香ちゃんと親和性があるなと思っているので、アイドルのユメミの説得力が増すんじゃないかなって、私もすごく楽しみにしています。あと、もともと仲良しではあるんですが、この期間でもっと仲良くなりたいです! おいしいケーキのバイキングに行こうね。

村山:そう言ってもらえて嬉しいです! ぜひケーキ食べに行きましょうね!

――では最後に、公演を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。

村山:長く愛され続けている「賭ケグルイ」の緊迫感や迫力のある世界観を、舞台だからこその表現で、生で楽しんでいただける作品だと思います。私も皆さんに楽しんでいただけるよう最大限頑張るので、ぜひ足を運んでいただけると嬉しいです。

蟹沢:私自身、挑戦の日々で、まだまだここから初日までの間も、初日を迎えてからも、蛇喰夢子という人間と「賭ケグルイ」という作品を突き詰めて向き合っていきたいです。稽古が進む中で、私自身も「そういう見せ方があるんだ」と感動することが多くて、それを早く皆さんに観ていただきたいなと思っています。この素敵な世界の中で、蛇喰夢子として生きられるよう、自分の全てを賭けて頑張りますので、皆さんと劇場でお会いできることを楽しみにしています。

インタビュー・文/双海しお