
写真左から)三浦宏規、渡邉蒼
初演から10年、『デスノート』が
新キャストで上演
渡邉 事務所の先輩方が多く立ってきた作品。10周年を彩る一員として全力を投じます。
三浦 初演を観た当時は、難しいこと抜きに『かっこいいな』と、ただただ好きでした。作品の持つ深い意味が理解できるようになってきた今、Lをやらせてもらえることに大きな意味があると感じています。
人気漫画を原作とする『デスノート THE MUSICAL』は初演から今年で10年。日本を飛び出し世界を沸かせた作品が、新キャストを迎えて再び上演される。渡邉蒼はWキャストの加藤清史郎とともに夜神月(ライト)役を、三浦宏規はL(エル)役を演じる。
三浦 フィクションとリアルのバランスが絶妙で、どこか恐ろしい作品だなと。デスノートを使って犯罪者を粛清していくキラに、次第に信者が生まれていく。あり得ないとは分かっているけれど、リアルにデスノートがあったら、世界はそう動く気がしてしまうんだよね。
渡邉 本当にそうですよね。Lと月の対決も2人だけの話ではなく、世間を巻き込んでいく。そういう意味では、濱田めぐみさん、浦井健治さんだけでなく、出演経験のあるアンサンブルの方がいらっしゃるのも心強いです。
三浦 頼れる先輩方ばかり。僕ら若い衆は、臆することなく飛び込んでいきたいです。
月は死神が落としたデスノートを手に、“新世界の神”として犯罪者のいない世界を目指す。一方のLは、世間を騒がせるキラの事件を、世界一の名探偵として捜査していく。
渡邉 作中に登場する『悪いのは人を殺せる能力』という言葉を踏まえると、これって特別な人の話ではなくて普通の人の話だなと。だから、自分を起点に想像しながらアプローチしていくのがいいのかなと思っています。月は印象的な表情やセリフが多いので、本質的に彼を理解していなくても、それっぽく演じられてしまう。でも、心から彼に寄り添わないと、作品の持つ大きな問いの部分に持っていけないと思うんです。自分が心から美しいと感じる世界へと突き進んだ月の軌跡にしっかり踏み込んで、複雑に演じていきたいです。
三浦 Lって何を考えているんでしょうね(笑)。天才の思考回路というのは難解だとは思うのですが、感情の起伏が少ない役だからこそ、本当の彼は何を思っているのか。そこをしっかり咀嚼して取り入れていくという作業は、丁寧にやらないといけないなと思っています。
2人は本作が初共演。渡邉にとって三浦はその背中を追いかけている人だそう。
渡邉 三浦さんが今の僕と同じくらいの年齢でミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役を演じられていて。お会いする前から目標としていた方なんです。実際に三浦さんとお話してみて、『これが三浦さんのパワーなのか!』と。想像した通りにかっこいい方で、すごく嬉しいです!
三浦 その思いを裏切らないよう頑張ります(笑)。僕としては、すごく優しそうでピュアな雰囲気を持つ彼の表情が、どう変わるのか。Lとして対峙するのが非常に楽しみです。
稽古はこれから。三浦は「観劇後に客席で放心してしまうほどのエネルギーを放つあの作品が、稽古場でどう創り上げられるのか興味が尽きない」と初演を振り返りながら語った。
渡邉 稽古で生まれるであろう、役者同士が目を合わせた瞬間の『これか!』という感覚が今から楽しみです。今の世にこの作品が生み落とされる意味をカンパニー全体で考えながら、全力で立ち向かっていきたいです!
インタビュー&文/双海しお
Photo/中田智章
スタイリスト/小林聡一郎
ヘアメイク/佐藤友勝
【衣装】
三浦:ジャケット¥121,000、シャツ¥81,400、パンツ¥79,200
すべてKANEMASA PHIL. (KANEMASA PHIL. 03-5784-1602)
※靴はスタイリスト私物
渡邉:ジャケット¥52,800、シャツ¥33,000、パンツ¥39,600
すべてANEI / STUDIO FABWORK(STUDIO FABWORK 03-6438-9575)
スニーカー¥16,500
ASICS / アシックスジャパン カスタマーサポート部
(アシックスジャパン カスタマーサポート部 https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/support)
【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:
渡邉 肉体疲労がたまる作品ではアミノ酸ドリンクや栄養ドリンク。頭脳疲労がたまる作品では甘いものと、皆さんが快適に過ごせるものを選んでいます。
三浦 たくさんの人に渡せるように、個数が多くて確実に喜んでもらえるものを探す能力が年々上がっています。
※構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
渡邉蒼
■ワタナベ アオ
小学生時代から子役として活躍。近作は舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』など。
三浦宏規
■ミウラ ヒロキ
『レ・ミゼラブル』をはじめ多くの作品に出演。近作はミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート!