『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Buster Bros!!! & Bad Ass Temple feat. 糸の会 & WESTEND-MAFIA》|イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!” 石川凌雅・松岡拳紀介・高野渉聖 インタビュー

写真左から)松岡拳紀介、石川凌雅、高野渉聖

人の精神に干渉する特殊なマイクで、言葉で戦う世界を舞台にラップバトルを展開する大人気の舞台、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage(通称ヒプステ)。その新作公演『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Buster bros!!! & Bad Ass Temple feat. 糸の会 & WESTEND-MAFIA》が10月17日より上演される。今作では、イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”とナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”の新たなD.R.Bに向けたストーリーが描かれる。“Buster Bros!!!”の山田三兄弟が、1年ぶりにヒプステの舞台に登場するのも楽しみだ。山田 一郎 役の石川凌雅さん、山田 二郎 役の松岡拳紀介さん、山田 三郎 役の高野渉聖さん。兄弟のように仲のいい3人が、ヒプステの魅力や役作りなどについて語ってくれた。

――久しぶりのヒプステの稽古場の雰囲気はいかがですか?

石川 ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”、ハチオウジ・ディビジョン“WESTEND-MAFIA”と、2024年10月に上演された-Grateful Cypher-でも一緒だったキャストが多いので、非常に和気あいあいとしています。舞台オリジナルディビジョンの関係性だったり、それぞれのキャラクターが抱えている想いみたいなものは、みんなで話し合いながら脚本に向き合っているので、楽しくもありつつ、すごく密な関係を築けているいい現場だなと肌で感じています。

松岡 キャストの皆さん、特にディビジョン・ダンス・バトル“D.D.B”の皆さんに久しぶりに会って、ヒプステならではの空気感を感じられて嬉しかったです。稽古場では久しぶりのヒプステを浴びている日々ですね。

高野 楽しいですよね。みんな笑顔だし、キラキラしているし。今回はキャストの人数が-New Encounter-や-Grateful Cypher-より少ないこともあって、キャストの皆さん一人ひとりのカッコよさを改めて知ることができました。あとヒプステは、植木 豪さんの演出のもと、稽古の進むテンポがすごく早いです。

石川 豪さんの頭の中で、骨組みがガンって作られていて、稽古場での僕らのやるべきことや積み上げて行くべきものが、すごくわかりやすいので、みんなで話し合う時間の猶予が増える。非常に助かっています。

――1年ぶりということで、稽古に入る前からワクワク感はありましたか?

石川 そうですね。ワクワクはありましたけど、ドキドキも。ワクワクドキドキ(笑)。

松岡 僕らが出演していないヒプステの公演を客席から観ていて、「俺も早くやりたい!」と思っていたので、稽古前から気合が入りました。

高野 めちゃくちゃ楽しみでした。2人にも会いたかったので、稽古場で久しぶりに会えたときは嬉しかったです。

石川 拳紀介と渉聖は、稽古場でキュウリばっかり食べているんですよ。

松岡 塩漬けしてあるキュウリを必ずコンビニで買って、稽古場に持っていくんですけど、それを渉聖が羨ましがって、同じものを食べるようになりました。

――石川さんは食べないんですか?

石川 僕は、稽古場では食べませんが、同じものを買って、家で食べました(笑)。

松岡・高野 ハハハハハ!

――今作の脚本を読まれて、感じたことをお聞かせいただけますか?

石川 今作のタイトルは《Buster Bros!!! & Bad Ass Temple feat. 糸の会 & WESTEND-MAFIA》で、「VS」ではなく「&」であることの意味って何だろうなというところから考え始めました。登場人物それぞれが何を思って、マイクでどう伝えるか、それぞれの正義が交錯していく、わかりやすい中にも深みのある物語だと思いました。

松岡  “Buster Bros!!!”、“Bad Ass Temple”と、舞台オリジナルキャラクターである“糸の会”、舞台オリジナルディビジョンである“WESTEND-MAFIA”の関係性をはじめ、舞台オリジナルのストーリーでありつつも、原作の雰囲気も楽しんでもらえるんじゃないかなと思いました。とにかく話が面白いです。

高野 脚本を初めて読んだときとても感動して、こんな素晴らしい物語を自分が演じられことがとても嬉しいと思いました。登場人物一人ひとりにスポットライトが当たるので、みんなでちゃんと話し合って作り上げていきたいです。

――みなさんは、2024年3月(東京)~4月(大阪)で上演された『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -New Encounter-から、イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”の山田三兄弟としてご出演されています。みなさんが思うヒプステの魅力とは?

石川 挙げればきりがないですが、ひとつはやはり音楽です。初めて観る方にとっても、ヒプステの音楽やラップはすごくインパクトがあると思います。

松岡 ラップに、芝居に、ダンスに、ライブパートもあって、盛りだくさんな舞台なので、観劇後の満足度が高いと思います。いろいろな要素がギュッと詰まっていて、ストレス発散にもなるんじゃないかな。

高野 植木 豪さんはじめスタッフさんもキャストさんも、ひとりひとりのヒプステに懸ける思いがすごく強いところです。皆さん本当にヒプステが大好きだし、作品に敬意をもってやっているなと感じます。

――役作りなど、演じる上で大切にしていることを教えてください。

石川 僕は一人っ子で兄弟がいないので、一郎を演じることが決まって以来、まわりにいる友達がもしも兄弟だったらどうかなと考えて接するようにしています。また、一郎の役作りに関しては、自分の気持ちの持ちようがすごく大事だなと思っていて。逆境でも踏ん張ろうっていう一郎の強さや明るさは、自分の普段の行動から意識して見習うようにしています。一郎のどんなときも前を向いていいて、正義感が強いところを本当にヒーローみたいに感じているので。

松岡 僕は弟がいて2人兄弟なので、山田三兄弟を見て自分の家族はこんな感じだったな、など思い出しつつ、二郎を演じるうえで自分の経験を活かせたらいいなというのはずっと考えてやっています。二郎のキャラクターで意識しているのは、高校生ならではのピュアさや、まっすぐな故の周りへの反抗心を表現すること。今作では、二郎の性格がはっきり出しやすいかなと思うので、意識して演じるようにしています。

高野 僕は実際に男三兄弟の末っ子で。二郎と三郎のように、次男とは毎日のように喧嘩していました(笑)。山田三兄弟とけっこうリンクしているなと感じます。長男のことをずっと尊敬しているので、一兄のことを尊敬していて認められたいと思う三郎の気持ちにも共感します。だから、三郎を演じることが決まったときはすごく嬉しかったです。役作りとしては、三郎は天才肌なので、舞台上でも常に頭を回転させて視野を広くいられるように意識しています。

――兄弟役を演じている3人の実際の関係性はどのような感じなのですか?

石川 拳紀介と渉聖の2人は、本当の兄弟のようにじゃれ合う感じ。役者として話し合ったりするときは、お互いにリスペクトを持って話すことができていると感じます。そういう距離感だったり、お互いを称え合えるところは、山田三兄弟と似ているところがあるのかなと思います。

――お互いのことをどう思っていますか?

石川 2人とも本当にユーモアにあふれていて、年齢が離れている僕からするとフレッシュさをすごく感じます。拳紀介は、キャパシティが広くて、懐が深い人だなと思う瞬間が多いです。どういう状況でも受け止めて面白く返せるし、臨機応変に対応できるのですごいなと思う。渉聖は、自分が得意なところともっと挑戦していきたいところを自分でもすごくわかっているからこそ、どんどん挑戦していきたいんだなというスタンスが、最近すごく見えてきて。そこが人としてもすごくリスペクトできるポイントです。自分の若さに甘んじていないのをすごく感じますね。そして度胸がある。舞台上でもすごく堂々としているんですよ。

松岡 凌雅くんは、お芝居の部分で、率先して引っ張って行ってくれる、しっかり者です。それだけじゃなくて、3人でワイワイするときも、率先して一番ノリノリではしゃいでくれます。ちゃんとしているときと、ワイワイしているときのふり幅がすごい!

石川 ハハハハハ。

松岡 渉聖は、色々なものを純粋に吸収していっていて、上から目線みたいになっちゃいますけど、1年ぶりの共演で、とても成長しているなと感じました。

高野 ありがとうございます(笑)。2人とも素敵な先輩で、お兄ちゃんのような存在でもあって、大好きです。凌雅くんは、正義感が強くて、まっすぐで、凌雅くんの言葉はすごく胸にしみ込んできます。些細なことでも心配してくれて、とても優しいです。それで、ふざけるときもそこまでやるかってくらい全力で来てくれるので、そのギャップもすごくいいなって思います。拳紀介くんは、友達のように接してくれる、安心できる存在です。

――最後に、公演を楽しみにされている方へ、意気込み&メッセージをお願いします。

高野 今回の作品でさらにヒプステのボルテージを上げていきたいと思うので、自分ができることは絶対に後悔しないように全部やりきります。観て良かったと思って帰っていただけるように頑張るので、ぜひ楽しみにしていてください!

松岡 僕たち3人が“Buster Bros!!!”を演じるのも3回目を迎えます。稽古を重ねてもっともっと、この3人ならではの色を出せたらなと思います。

石川 今作は、“Buster Bros!!!”がさらに濃くて深い絆を築いていく姿が描かれるので、ヒプステの醍醐味である、熱い思いを乗せて伝えるラップに注目してください。後半のライブパートも、たくさん声を出して楽しんでいただきたいです!

取材・文/井ノ口裕子
写真/篠塚ようこ
ヘアメイク/新田彩加 村田樹 北崎実莉
スタイリング/MASAYA(PLY)