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『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Our First Fight-が、1月16日(金)に東京・品川プリンスホテル ステラボールにて開幕した。2016年に始動した『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』(以下、「あんステ」)シリーズ。「-Our First Fight-」では、原作のスマートフォン向けゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!』で実施されたイベントストーリー「決別!思い出と喧嘩祭」を軸とした物語が描かれる。
今作から新たに出演するのは、蓮巳敬人役の梶田拓希と姫宮桃李役の戸塚世那。さらに、富園力也、安井一真、飯山裕太、武子直輝、神永圭佑といったキャストが名を連ねる。
幼馴染の“初めての喧嘩”を描く本作のゲネプロ公演及び初日前会見の様子をレポートする。
幼馴染との“初めての喧嘩”の行方は? ゲネプロレポート
男性アイドルの卵が集う私立夢ノ咲学院アイドル科において、不動のNo.1ユニットとして君臨するfine。fineを率いる“皇帝”天祥院英智(演:富園力也)はある日、No.2の実力派ユニット紅月に突然の解散命令を突きつける。彼らがユニットを継続するには、ドリフェス「喧嘩祭」でfineと対決し勝利しなければならない。英智の幼馴染であり、学園でも副会長として彼を支え続けてきた蓮巳敬人(演:梶田拓希)は、唐突な果たし状に気絶するほどのショックを受けながらも、fineとの、そして幼馴染・英智との“初めての喧嘩”に挑む覚悟を決める――。
「決別!思い出と喧嘩祭」はファン投票で各ユニットのおすすめエピソードを決める企画にて、紅月部門で1位、fine部門でも3位にランクインした人気エピソード。メインとして描かれるのは、幼馴染である蓮巳と英智の関係性。それを主軸としながら、紅月メンバー3人の同志としての固い絆や、英智にとってかけがえのないfineという居場所の温もりが、「あんステ」らしいきらめきと共に積み上げられていく。
幼い頃からの仲であり、お互いのことを熟知しきっている蓮巳と英智。“喧嘩”をふっかけた側の英智は、蓮巳を唯一無二の親友だと思っているからこそ、彼の気遣いをすべて取っ払って、ありのままの蓮巳とぶつかり合いたいと願ったのだろう。富園の演じる英智はただならぬ気品とカリスマ性を感じさせながらも、一瞬の表情の陰りに親友への無言の“願い”を感じさせる。
対する蓮巳は、喧嘩の裏に潜む英智の思いを、最高のパフォーマンスで真っ向から受け止めるという選択をする。蓮巳を演じる新キャストの梶田は、冷静であろうとしながらも、内に滲む熱量や世話焼きな一面が自然と立ち上がる人物像を好演。リーダーとして舞台上に立つ背中は頼もしく、紅月を率いる存在としての説得力も十分だ。
初日前会見では、鬼龍紅郎役の武子直輝、神崎颯馬役の神永圭佑から、梶田のリーダーぶりを称える言葉が相次いだ。武子は「助言を真摯に受け止めてくれるから、支えたいと思う」と語り、神永も「稽古から引っ張ってくれて尊敬している」と力を込める。思わず「泣きそう……」と目を潤ませる梶田の姿に、座組の中で自然と愛され、支えられている様子が垣間見えた。梶田の持つ人懐っこさと誠実さは、周囲が思わず手を差し伸べたくなる蓮巳の在り方とも重なって見えた。
新キャストの戸塚が加わり、4人がfineとして揃うのも本作の見どころ。戸塚が演じる姫宮桃李の、毒リンゴのようなトゲを含んだ愛らしさ。その姿を宝物のように見守る伏見弓弦(演:飯山裕太)。そして、圧倒的な安定感と鬼才ぶりを全身で表現する日々樹 渉(演:安井一真)。騒がしくも温かな彼らの関係性が序盤から垣間見えることで、英智にとってfineが“帰る場所”であることも自然と伝わってくる。幼馴染と真正面から向き合おうとした英智の選択は、この居場所の存在があってこそ生まれたものだったのかもしれない。 物語の熱量をそのまま引き継ぐように、後半のライブパートでは新曲2曲を含む計9曲が披露される。互いの思いをぶつけ合い、確かめ合った先に立つ彼らの姿は、物語を知った上で“浴びる”からこそ胸に迫る。“初めての喧嘩”が導いた結末を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
初日前会見レポート
ゲネプロの前に実施された会見には、紅月、fineキャストの計7名が登壇。
稽古や役作りについて聞かれると、富園は「fineが揃うからこそ、パフォーマンスを一番大事にした」と語り、体の使い方やダンスの見せ方を4人で細かくすり合わせてきたという。安井も「fineとして立つときの日々樹 渉を思い出しながら、原作や過去作を改めて見返した」と振り返った。
「振付は力也、歌は一真くん、コミュニケーションは世那」と飯山が語るように、fineはそれぞれの得意を持ち寄りながら稽古を進めてきたという。日々の居残り練習で、チームワークもばっちりなようだ。戸塚は「稽古場では気づくとケータリングの周りに集まって、お菓子を食べていて。そこがfineの居場所みたいになっていました」と頬をゆるめ、騒がしくも温かな4人の空気感を伝えた。
一方、紅月はfineとは対照的なスタイルだったそう。「個人練習が得意な3人で、それぞれ仕上げて持ってくる」(梶田)という形が、結果的に高い完成度につながっていたという。
武子は演出家・後藤健流との信頼関係にも触れ、「別作品で一緒に戦ってきた仲間が、今は演出として作品を導いてくれている。その時間がとても濃かった」と語った。
神永は新たなリーダー・梶田への感謝の言葉を述べる。「僕や直くんが稽古場に残れない日は、拓希が残ってスタッフさんのお手伝いをしたり、練習用の動画を撮って共有してくれたり。本当にリーダーが空気を作ってくれて、蓮巳敬人あっての紅月だし、梶田拓希あっての紅月でもある」この熱いメッセージを受け取り、梶田がうやうやしく「お世話になっております」と頭を下げて笑いが起こる場面もあった。
最後に、富園は「ぶつかることで生まれる魅力が溢れている」と語り、fineと紅月の両方を好きになってもらえると手応えをにじませた。梶田もまた、敬人と英智の関係性に触れながら「この作品が皆さんの大切な一本になれるように」と思いを込め、最後まで熱量高く意気込んだ。
終始、真面目な話と笑いが自然に行き交った囲み取材。7人それぞれが役と作品に向き合いながらも、肩肘張らずに言葉を交わす様子からは、座組の空気の良さがそのまま伝わってくる時間となった。
初日前会見・舞台写真



















取材・文・撮影/双海しお
