©『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会
音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』を原作とした「ヒプステ」シリーズの最新作『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Fling Posse & 麻天狼 feat. ⻤⽡ボンバーズ & D4》が、2026年3月27日(金)に東京・THEATER MILANO-Zaにて開幕。
ライブ公演《Division Jam Tour》vol.1、《Division Jam Tour》vol.2を経て、さらに磨きがかかったシブヤ・ディビジョン“Fling Posse”とシンジュク・ディビジョン“麻天狼”のパフォーマンスとチームワーク。そして本編への出演は久々となる舞台オリジナルディビジョン&キャラクター、アサクサ・ディビジョン“鬼瓦ボンバーズ”と脱獄犯によるチーム“D4”の信念と因縁とが絡み合う新たなストーリーが描かれた。本番さながらの盛り上がりを見せたゲネプロの模様をレポートする。
中王区でのクーデター後、新たなD.R.Bに向かう物語を描く本作。各チームの絆の綻びと再生の物語を、「ヒプステ」らしいハイクオリティな楽曲とパフォーマンス、映像演出とともに描ききった。
原作で描かれた人間関係に加え、さらに舞台オリジナルディビジョン&キャラクターの登場で、より複雑な相関図となっている「ヒプステ」の人間模様。過去に因縁があり、未だ向き合うことができていない“Fling Posse”の飴村 乱数(三井淳平)と“麻天狼”の神宮寺 寂雷(小波津亜廉)を筆頭に、“麻天狼”と深い縁がある“鬼瓦ボンバーズ”、山田 一郎や寂雷、乱数に執着するメンバーを抱える“D4”と、本作でも人間模様が随所に散りばめられている。とくにオリジナルディビジョン&キャラクター関連のリリックやセリフは、考察のし甲斐があり、物語をより深く楽しむ鍵となるだろう。
そうしたチーム間の複雑な関係性の中で本作の軸となっているのは、“Fling Posse”と“麻天狼”、それぞれが仲間と正面から向き合い、ぶつかりあい、より深い絆を結び直した点だろう。
誰にも言えずにいた過去や秘密を打ち明ければ、それでハッピーエンドとはいかない。自己の開示によって一歩相手に踏み込むからこそ、これまで互いに見せなかった本音や後悔、懺悔、苦悩までもが赤裸々となってしまう。中王区の人間とのつながりが影を落とす“Fling Posse”と、自己犠牲的なやり方で周りに手を差し伸べようとする“麻天狼”は、それぞれどんな選択と決意をしたのか。改めて、彼らの根本にある強い気持ちと、それを表現する言葉の力を目撃することになる。
さらに、-track.2-で描かれた物語で「真正ヒプノシスマイク」により記憶を消された“鬼瓦ボンバーズ”は、ついに“麻天狼”と再会を果たす。再び登場した犯罪者集団“D4”も暗躍し、“Fling Posse”と“麻天狼”をかき乱す。
全身を揺さぶる重低音とともに始まったライブパートでは、ディビジョン・ダンス・バトル“D.D.B”(RYO、SHINSUKE、KENTA、GeN、YASU、kaito、SOUTA、HIROMA)の圧巻のパフォーマンスや、“Fling Posse”のニコイチならぬ“サンコイチ”な一体感に思わず笑顔になってしまう。三井は重力を感じさせない軽やかさで乱数のポップさを表現。今井俊斗演じる夢野 幻太郎は流れるような美しい所作が目を引き、木津谷泰勇演じる有栖川 帝統は強い覚悟を瞳に宿し、本編でも存在感を見せた。
新宿の地に降り立った“麻天狼”も負けていない。小波津演じる神宮寺 寂雷は、大人の余裕と安心感でチームを包み込む。安藤夢叶演じる伊弉冉 一二三は、パフォーマンスではきらめきを放ちながら、過去のトラウマに向き合う姿で心の強さを見せた。中染雄貴演じる観音坂 独歩は、一二三を想う幼馴染としての誠実な芝居が、観る者の胸を打つ。彼ら3人が織りなす大人なムードに、さらに深みが増したように感じられた。
本作は「Mode A」と「Mode B」に公演が分かれており、オープニング演出とライブパートの一部の内容が異なる。ダークで危険な香り漂うA公演と、陽気な祭り囃子のなかにメンバーの悲痛な叫びが響くB公演と、どちらもまるでカラーが違う。ぜひ両方のModeを劇場で体験してほしい。
次なるD.R.Bに向けて、チームとしてひとつ大きな階段を登った“Fling Posse”と“麻天狼”。公演を重ねる度に進化する「ヒプステ」シリーズが、また新たな高みへと到達したことを感じられる約2時間。ぜひ劇場で目撃してほしい。













取材・文/双海しお
