『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -中王区 the LIVE-開幕!初日公演レポート、舞台写真が到着!

©『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage(通称ヒプステ)の最新ライブ公演『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -中王区 the LIVE-が、2026年5月8日(金)に神奈川・KT Zepp Yokohamaにて開幕した。

オール女性キャストによる中王区公演は2024年にスタート。原作となる音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』に登場する中王区キャラクターに加え、舞台オリジナルキャラクターが多数登場し、「ヒプステ」オリジナルの物語をこれまで展開してきた。このライブ公演には、過去上演作品に登場したキャラクター8名と作品に欠かせないCHU-OH DANCE BATTLE“C.D.B”の面々が集結。信念を胸に言葉の拳を振るう女性たちの強さと美しさが会場を熱狂に巻き込んだ、初日公演の模様をレポートする。

中王区のイメージカラー・ショッキングピンクの照明に包まれ、ステージ上に8人のシルエットが浮かび上がると会場は歓声に包まれた。一瞬の静寂の後、本ライブのテーマ曲である新曲「中王遊戯」のイントロが響くと同時に、言の葉党・党首の東方天 乙統女(菜々香)が「国民の皆さま」と第一声を発する。

「今日は思う存分楽しみなさい」演説を思わせる彼女の言葉で、会場の空気はまたたく間に横浜から中王区へ。圧巻の統率力を数秒で見せつけた彼女のラップから、次々とソロパートを繋いでいく。その度に客席から大きな歓声があがり、観客もまた中王区のパフォーマンスを存分に味わえるこの瞬間を心待ちにしていたことが伝わってきた。

テーマ曲の興奮醒めやらぬなか、前半戦では1作目の「-Renegades of Female-」の楽曲が続く。中央に立つだけで場を支配する乙統女、ドスを効かせた低音ボイスがさらに進化を遂げている勘解由小路 無花果(白峰ゆり)、かわいらしい見た目とは裏腹にクールなラップを披露する碧棺 合歓(高橋桃子)による、強き意志を灯した「言の葉の元に」に会場のボルテージはさらに上昇。

続く「私のお気に入り」では、邪答院 仄仄(太田夢莉)の冷ややかな目力と妖しさが会場の空気を一変させた。人の大切なものを壊したがる彼女の危うさが、相変わらず背筋を凍らせる。かと思えば、次のナンバー「My name is」では、元気いっぱいな天都己 一愛(涼邑 芹)の「合歓パイセ~ン!」という陽気な声とツンデレな合歓の姿に、思わず口元が緩む。

舞台オリジナル要素としてキーパーソンとなるのは、ツクヨミこと天都己 一香(田野優花)。彼女が満を持して登場すると、ひときわ大きな歓声が上がり、乙統女とはまた違う、田野が生み出す一香のカリスマ性を感じずにはいられなかった。

ライブ公演ではあるが、乙統女の手放した絆への思い、無花果の失った愛する者への無念、合歓の兄への消化できぬ感情などが楽曲を通して繊細に伝わってくる。「ヒプステ」らしい見事なリリックと、2作品を完走したキャスト陣の進化した表現力。その両輪が、キャラクターの内面を繊細に伝えていた。

2度の芝居パートを挟みながら、中王区公演2作目「-Ideal and Reality-」の楽曲を中心に構成された後半パートへ。同作から登場した東雲 朧(鈴木南那佳)は、アクロバティックな動きとともに力強いラップを披露。「Yes sir」では、身体能力の高さと歌唱力の両立に会場がおおいに沸いた。対照的に、「ごきげんよう」と優雅な立ち居振る舞いでガラリと空気を変えたのは三条院 蒼乃風(鈴木友梨耶)。「Craving Love」では、ご令嬢らしい気品と内に秘めた情熱のギャップで観客を魅了した。朧が一香と、蒼乃風が乙統女と披露したデュエットナンバーも本編のストーリーを思い出させ、胸に迫るものがあった。

ライブならではのお楽しみは、本編ではなかなか観られないやりとりを楽しめる芝居パートだ。前半の芝居パートでは党歌を作るべく奮闘する乙統女たち3人と、それを面白おかしく引っ掻き回す仄仄を中心としたやりとりがコミカルに描かれた。後半の芝居パートは刑務所を舞台に、天然な蒼乃風のもと、ツクヨミへの愛をテーマとしたドタバタコメディが繰り広げられ、月の音メンバーの意外な一面を楽しめる時間となった。カッコいいライブパートとのギャップが、キャラクターたちの多面的な魅力を浮き彫りにする。観れば観るほど、中王区に魅了されていくことだろう。

アンコール4曲を含め全25曲。中王区の女性たちが狂い咲くように放つ言葉の拳が、会場を制圧するあっという間の約90分だった。会場を埋め尽くしたリングライトの灯りは終盤までハイテンションで揺れ続け、観客もまた言葉の拳で応戦するように声援を送り続けた。この熱狂は、今後、名古屋、福岡へと巡っていく。各地でどんな「饗宴」が繰り広げられるのか。期待は高まるばかりだ。

取材・文/双海しお