舞台「パタリロ!」~霧のロンドンエアポート~ 加藤 諒 インタビュー

シーズン2でも異色な2.5次元感は健在!?

 

加藤「初演以降、いろいろなドラマや映画にも出演させていただいていますけど、かなりの頻度で『パタリロが〇〇してる!』って言われるんですよ」


まさに加藤 諒の当たり役といえるパタリロが3年ぶりに帰ってくる。魔夜峰央のマンガを原作にした舞台「パタリロ!」が、この度新キャストを迎え“シーズン2”としてリニューアル。

加藤「演出の小林顕作さん、脚本の池田テツヒロさんなど作品の主軸となる方々はこれまでと一緒。シリーズとしてちゃんと芯が通っているので、安心して向き合えるなと思っています」


幼くして架空の島国・マリネラ王国の国王に即位したパタリロは超人的に頭の回転が速く、そのズル賢さは天下一品。そのキャラクターを“憑依”させるのは
「大変でした」と前2作を振り返る。

加藤「僕は人見知りなこともあって、1作目の稽古の頃はすごくいい子に振舞っていました。そしたら顕作さんに『パタリロって腹黒いし、やっていることはかなりあくどい。そういう黒い部分って、実は諒くんにもあるんじゃない?』と言われて。自分が見せないようにしていた部分を見破られたような感覚でしたね。それからは、この作品の中では言いたいことを言って腹黒い部分も出していいんだと理解したというか…ある意味、腹を括りました(笑)」


本作では、2.5次元ミュージカルなどで活躍中の面々が中心となるのもポイント。

加藤「MI6の凄腕エージェント・バンコランを演じる宇野結也くんとはたまたま番組で一緒にお仕事をする機会があって、頼もしい役者さんだなと感じました。パタリロとバンコラン、後藤 大くん演じるマライヒ(バンコランの恋人)は3人で動くことが多いので、一緒にお芝居できるのが楽しみです」


本作『霧のロンドンエアポート』には、バンコランの養成所時代の親友であるデミアン・ナイト(川上将大)が登場し、登場人物たちが大いに翻弄されることに。そこに歌手としても活躍する中村 中が演じる謎の“歌姫”も加わって…?

加藤「人気キャラのデミアンはもちろんですけど、原作には出てこないキャラクターの歌姫が、どうこの世界観に絡んでくるのかが気になりますよね。中村さんがコントにも近い『パタリロ!』に加わることで、どんな化学反応が起きるのか?」


原作での奇想天外なギャグや耽美な描写を、どう舞台ならではの表現にしていくのかも興味深い。

加藤「舞台『パタリロ!』ではリアルなキスシーンも大事な要素の一つ。でもこのご時世ではキスシーンは難しいじゃないですか? そこをどう表現するのかも、たぶん顕作さんがいろいろ考えてくれていると思います。今回はバンコランとデミアン、マライヒとデミアンの絡みもあったりするので」


前2作では観客の顔ぶれの幅広さを含めて新鮮に感じることも多かったという。

加藤「2.5次元ミュージカルの中でも異質なコンテンツだと思います。イケメンがたくさん出てくるのにカッコつけるほどダサく見えて、それが面白かったりしますしね。みんな恥ずかしさは捨てて全力で演じていて、それがこの作品の楽しいところかなと」


SNSでのエゴサーチを欠かさないと公言している加藤。本作についても様々な呟きを逐一チェックしているのだとか。

加藤「これからの僕たちの励みにもなるので、たくさん舞台『パタリロ!』について呟いてほしいです。全部、見てますから!」

 

インタビュー・文/古知屋ジュン
Photo/岡田晃奈

ヘアメイク/伊熊美砂
スタイリスト/東正晃

 

※構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
加藤 諒
■カトウ リョウ ’90年、静岡県出身。NHK大河ドラマ『真田丸』、映画『翔んで埼玉』、舞台『人間風車』など、数多くの話題作に出演。