TBS開局70周年記念 舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣- Supported by くら寿司 本田礼生 インタビュー

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「刀ステ」がIHIステージアラウンド東京に初出陣!

大人気の舞台『刀剣乱舞』(略称「刀ステ」)が、IHIステージアラウンド東京での公演をおこなう。慶長年間に江戸幕府と豊臣家の間で争われた大坂の陣を題材に製作される最新作にて、一期一振役を務める本田礼生に意気込みを聞いた。

 

刀剣男士たちが、ついにIHIステージアラウンド東京に“出陣”!
名だたる刀剣が戦士の姿となった刀剣男士たちが歴史を守るために戦う、刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」(DMM GAMES/Nitroplus)を原案に、末満健一が脚本・演出を手掛ける舞台『刀剣乱舞』シリーズ、通称「刀ステ」。最新作は「大坂冬の陣」と「大坂夏の陣」の二部作として構成、迫力の360度シアターにて上演する。
一月に開幕した舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-への意気込みを語るのは、一期一振役の本田礼生だ。昨年末、稽古中のタイミングで話を聞いた。

本田「やるしかない、という言葉がカンパニー全員の合言葉のようになっています。未知な部分も多々ありますが、それに戸惑わないように出来る限りの備えをして臨みたい」


本田は数々の2.5次元ミュージカルでメインキャラクターを演じるとともに、エンタテインメント・ショウ「THECONVOY SHOW」の公演に出演するなど多方面で活躍を見せる実力派。それでも2016年の初演から数えてシリーズ十作目となる人気作に初参戦することには、相応の覚悟が必要だった模様。

本田「この業界にいて聞かないことはないほどのタイトル。長く続くシリーズは、その作品を応援している方々と一緒に作り上げられてきているものだと思っています。その出来上がっているところに途中から参戦すること、座長という立ち位置を務めることに対して、やはりプレッシャーは感じていました。だからこそ今までの自分が持っているスキルやテクニックではなくて、初心で臨もうという気持ちで入りました」


一貫した世界観の中で語られる部分はあるが、必ず上演作ごとに見応えと感動があることも「刀ステ」の魅力のひとつ。本田も稽古場では気負うことなく芝居を磨いてきた。

本田「軸にあるストーリーはずっと続いていますが、今作には今作の“ものがたり”がある。全員が“新しいものを作ろう”という気持ちでいてくださったので、とてもありがたかったです。それに、いざ稽古が始まったらやることは同じ。この作品をどうやって成立させていくのか、全員で最後までもがいて、やりきることが大事なのだと思いました」


刀剣の一期一振は、鎌倉時代中期の刀工・粟田口吉光の手による唯一の太刀。豊臣秀吉の愛刀とされる。今作に登場する刀剣男士も、豊臣家にゆかりのあるものが多い。だが「大坂の陣」は秀吉亡き後に起こった戦。天下を預かった武将たちが歴史を動かす。

本田「豊臣秀頼役の小松準弥くんがとても刺さるお芝居をしてくれるので、幕が開いてからもどこまで一緒に上がっていけるか、楽しみにしています。秀吉は天下人ですが、秀頼は“その息子”と言われることにコンプレックスを抱えている人物。今作では、秀頼の想いと一期一振の想いが渦巻いていきます」


役作りは
「情報を出来る限り集め、把握してから稽古に入る」スタイルだと明かした本田だが、稽古に入ってからは調べてきたことをあまり見返さないようにしているそう。

本田「芝居の相手と対峙した時にどうなるか、ということを大切にしたいんです。今、あらためてお芝居って楽しいな、と感じています!」


稽古場では演出の末満が
「イケるな、これは」と呟いた瞬間があったと言い、「自信になりました」と顔を綻ばせた。『刀剣乱舞』の一期一振は、吉光が手掛けた短刀から顕現した刀剣男士たちに“いち兄”として慕われている一面もある。

本田「一期一振にとっての“兄”というものに、ひとつの答えが出る物語なのではないかとも思います。僕の印象ですが、一期一振は分かりやすい性格の持ち主ではないと思っていて。苦しい時に泣き叫んだり、笑いたい時に大笑いすることがない。そんな一期一振の葛藤や決意を、明確ではない表現で伝えられたら」


本作は三月まで上演。約三ヶ月間戦い、「大坂夏の陣」へとつなぐ。

本田「ステージアラウンドで繰り広げられる刀ステの世界観。舞台装置の迫力も、音楽も照明も殺陣もすごいです。劇場に足を運ぶことが難しい状況下ではありますが、この作品が成功することが、演劇界・エンタメ界の大きな光になるのではないかと思っています。これからも皆さんと一緒に演劇を盛り上げていけたらと思います。ご観劇、お待ちしています」

 

インタビュー・文/片桐ユウ

 

※構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載

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【プロフィール】
本田礼生
■ホンダ レオ ’92年、愛媛県出身。ミュージカルや舞台を中心にテレビ、ラジオなどでも活躍。特技はブレイクダンス、アクロバット。