ミュージカル『刀剣乱舞』 ~真剣乱舞祭2022~ 北園 涼 インタビュー

ミュージカル『刀剣乱舞』五周年記念 壽 乱舞音曲祭より ©ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

歴史が詰まった大型公演で「すべての方に熱気を届ける」

 

名だたる刀剣が戦士の姿となった“刀剣男士”が歴史を守るために戦う「刀剣乱舞-ONLINE-」(DMM GAMES/Nitroplus)を原案として、2015年から始まったミュージカル『刀剣乱舞』=“刀ミュ”。絶大な人気を誇るこのシリーズには、本公演の他に全国のホールやアリーナを巡る大型公演がある。小狐丸役・北園涼が、5月から始まる『真剣乱舞祭2022』への意気込みを語った。

北園「公演の規模感で、世の中の変化をダイレクトに感じる部分があります。去年1月におこなわれた『壽 乱舞音曲祭』は、恒例のツアーではなく東京のみの開催でした。それが今回は8都市を巡るスケジュールに。去年来られなかった方も、ご自宅から近い場所ならば少しは安心して足を運んでいただけるかな、と思ったりしています。大千秋楽を迎えるまで気は抜けませんが、みんなで無事にお客様の笑顔を見られるように臨んでいきたいです」


大型公演ではシリーズに登場した刀剣男士が多数出陣。大規模会場ならではのセットに特殊効果、掲げられるテーマに沿ったストーリー仕立ての構成や、趣向を凝らした衣裳も見どころだ。北園は「毎回、誰が出るのか僕自身も楽しみにしているんです」と語る。

北園「今回は岩融役・佐伯大地くんが会場替わり出演者として参加すると知って嬉しかったです! 共にシリーズ初演からのメンバーですが、共演するのは本当に久しぶり。ビジュアル撮影の時にちょうど会えたので、もう泣きながら喜びましたね(笑)。初演もそうですし、大型公演も最初は大変でした。未だに当時のメンバーとその頃の話で盛り上がります。全員が悩みに悩んで挑戦した公演でしたが、その時の苦労や経験があったから今があるのかなと思います」


北園にとって特に忘れられない公演がある。急病で『阿津賀志山異聞2018 巴里』のパリ公演に声のみでの出演となり、涙を呑んだ後の復帰作『真剣乱舞祭2018』だ。

北園「共演者の方々が声を掛けてくれて、裏では泣いてくださった方も。帰って来られて良かったなとしみじみ思いました。運動に制限のある僕の事情を、演出として組み入れてくださった茅野イサムさんや振付の本山新之助さん、それを受け入れてくださったお客様にすごく感謝しています」


積み重ねられた歴史とファンの応援がシリーズの人気を支えてきた。そんな“刀ミュ”に憧れと緊張を持って参加する若手俳優も多いが、『真剣乱舞祭2016』から全ての大型公演に出演してきた北園は「僕らは一緒」と呼びかける。

北園「イチ出演者同士ですから。一緒にものを作る上ではディスカッションも大事になってくるので、シリーズの出演回数や年齢などに遠慮することなく来てほしいです。ピュアな気持ちや一生懸命さなど、こちらが見習わなければいけない部分もたくさんある。お会いしたことのないキャストの方々とご一緒できることを僕は楽しみにしています。“刀ミュ”にはポテンシャルの高い人たちがたくさん集まっているので、少しでも何かを得られたら」


鹿児島出身の北園。「地元の家族、祖父母にも身近なところで活躍を見てほしい」と映像作品への意欲も見せつつ、「おばあちゃんが暮らす地方は2局くらいしかチャンネルがないので、相当限られるんですけど(笑)」とはにかんだ。

北園「こういった状況下になって、劇場に足を運べない方にも作品を届けたいという気持ちが強くなりました。ステージに立つ人間としては生の空気感を共有できることを願っていますが、いろいろな選択肢があると思いますので、僕たちはすべての方に熱気を届けられるように一生懸命やっていきます。ぜひ楽しみにしていてください」

 

インタビュー・文/片桐ユウ

 

※構成/月刊ローチケ編集部 3月15日号より転載

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【プロフィール】
北園 涼
■キタゾノ リョウ ’92年生まれ。鹿児島県出身。2.5次元を中心に、数多くの舞台・映像作品に出演。’19年にはCDデビューも果たした