© NITRO PLUS・EXNOA LLC/ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
47都道府県を回る旅がついに完結!
2021年春からスタートしたミュージカル『刀剣乱舞』 にっかり青江 単騎出陣は、2021年秋、2022年春と公演を重ね、いよいよラストの2022年秋公演を迎える。全国行脚の最終公演を前に、にっかり青江を演じる荒木宏文は公演スタッフへの感謝を口にした。
荒木「コロナ禍で2021年春は福井公演が中止、大阪公演は無観客で配信のみに。2022年春の宮城公演は地震の影響で中止を選択せざるを得なかったのですが、その3府県も今回の秋公演に組み込むことができました。調整してくださったスタッフの皆様はすごく大変だったと思いますが、47都道府県すべての土地に住まれている方に観てもらえるのは本当に嬉しいです」
今までの公演で特に印象深い公演は?と尋ねると「全部が特別だった」と答えた。
荒木「3回に分けて回ったすべての公演で、終演後にスタンディングオベーションが起きたんです。自然と立って拍手してくださっているのを全会場で感じて、それはすごく貴重なことですし、胸が熱くなりました」
さらに「これはネタバレに近いかもしれないですけど」と前置きした上で言葉を続ける。
荒木「カーテンコールでも役が抜け切っているわけではないので、拍手を聞いているときは、にっかり青江として感じているところもあるんです。主に受け入れられたという感覚で喜んでいるにっかり青江としての自分と、僕個人の想いと。それぞれの感じていることが入り混じっている瞬間です」
改めて今作の魅力と見どころを教えてもらった。
「にっかり青江というキャラクターの性格上、ひとり芝居だからこそ話せることが多いと思うんです。ミュージカル本公演では見せることがないにっかり青江の姿で構築されているので、見どころは、『ほかに誰もいないから見せられる顔がいっぱい詰まっているところ』だと思います。あとは、“極の姿”になるところかな(笑)」
公演中、早い段階から観客のすすり泣く声が聞こえてくることも明かしてくれた。
「ひとり自問自答するにっかり青江の姿に感情移入されているのだと思います。これまでの公演を観たことがある方もない方も、みなさんが知らない初めて見る側面からの発見があって、涙を流してくださっているのかもしれません」
ひとり芝居を経験して「お客さんの空気をすごく感じた」と言う。
荒木「掛け合う相手がいないから、化学反応が起きるとしたら客席の反応からなんです。拍手のタイミングや強さ、すすり泣く声や足を組み替えたとか…、そういったお客さんの反応とセッションしている感じです。あとは、土地の空気であったり気温であったり、そういうものに合わせて変化していくので、それはひとり芝居だからこそ、より濃く感じることができたのかなと思います」
荒木宏文が演じるにっかり青江の旅を最後まで見届けたい。
荒木「全国行脚を謳って2年かけてやってきたこの公演も今回でラストになります。今まで以上にもう次はないというプレッシャーをしっかり持った上で、残り12都市を回りきって全47都道府県での公演を完結させたいと思います」
インタビュー・文/井ノ口裕子
【プロフィール】
アラキ ヒロフミ
■’83年生まれ。兵庫県出身。ミュージカル『刀剣乱舞』をはじめ、数多くの舞台、ミュージカルに出演している。
※構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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