舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語|七海ひろきインタビュー

©NITRO PLUS・EXNOA LLC/舞台『刀剣乱舞』製作委員会

私にとって、俳優人生をかけて挑戦する公演です

元宝塚歌劇団の男役スターで、現在は俳優、声優、アーティストとして活躍する七海ひろきが、舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語に座長として出演する。2022年春の「綺伝 いくさ世の徒花」に続く『刀ステ』出演が決まったときの心境を、「本当ですか?」と、とても驚いたと明かす。

「綺伝公演で刀剣男士の皆さんを見ていたからこそ、大きなプレッシャーを感じました。正直、今も“大丈夫だろうか?”と不安に思うときもあります。しかし、こんな素晴らしい機会をいただけることは、人生で何度もあることではないと思い、挑戦させていただくことになりました。やらせていただくからには、俳優として全身全霊で臨もうと思っています」

本作は、新たな『刀ステ』として注目を集めている。

「これまでの『刀ステ』キャストの皆さんが、“戦い続ける座組”と言っていたのを聞いて、とてもカッコいいなと思いました。そんな皆さんに少しでも近づけるように、私も今回、物語の中で、全力で戦って、素敵な舞台にしたいなと強く思っています。楽しみなことは殺陣です。大変だと思うんですが、みんなと一緒にどこまでやれるのか挑戦したいです」

今回、七海が演じるのは刀剣男士・歌仙兼定。キャラクターの印象について、そして意気込みをこう語る。

「始まりの5振りのうちのひと振りで、風流を愛する文系名刀。ゲームを始めたとき、まさに雅な印象を持ちました。でも戦いになると、文系とはかけ離れたかなり武闘派な一面があり、そのギャップもとても魅力的だなと思って
います。歌仙兼定にまつわるエピソードなどをより深く調べて臨みたいです。そして、ゲームの動きや話し方を研究して、自分の中に落とし込んでいきたい。
前回は、歴史上人物の細川ガラシャとして出演させていただき、女性初の出演ということで、今までに感じたことがないくらいの大きなプレッシャーを感じていました。そして、今回は刀剣男士の歌仙兼定ということで、あのとき感じたプレッシャーとは別次元の気持ちがあります。ですので、お稽古から本番まで全てがチャレンジだと思っています。そんな中で、微力ではありますが、『刀ステ』経験者として、少しでも初心者となるキャストのみんなの力になれるように努めたいです」

改めて、七海ひろきが思う舞台『刀剣乱舞』の魅力とは――。

「たくさんあって語りきれませんが、原案のゲームから抜け出してきたかのようなビジュアル、ドラマチックなストーリー展開。その中で、刀剣男士が懸命に戦う姿が素敵であること。個人的には、本丸での日常を感じられるほの
ぼのとしたシーンがあると、さらに嬉しくなります。料理したり洗濯したり、今回の禺伝公演でも、そういう場面があったらいいなと思っています」

最後に公演を楽しみにしている方への熱いメッセージをもらった。

「私にとって、俳優人生をかけて挑戦する公演です。本番ではプレッシャーを力に変えて挑めるように、しっかり取り組んでいきたいと思っています。そして皆様に楽しんでいただけるよう、精一杯頑張りますので、どうぞ温かく見守っていただけたら嬉しいです」


インタビュー・文/井ノ口裕子

※構成/月刊ローチケ編集部 11月15日号より転載

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【プロフィール】
七海ひろき
■ナナミ ヒロキ
’03年に宝塚歌劇団に入団。宙組配属後星組に組替え、男役スターとして活躍。’19年に退団し、現在は俳優、声優、アーティストとして多方面で活躍中。