©NITRO PLUS・EXNOA LLC/ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
“江”だからできる戦い方をお見せしたい!
2015年から続く大人気作品、ミュージカル『刀剣乱舞』(以下、刀ミュ)の最新作が12月より上演される。タイトルはミュージカル『刀剣乱舞』 江 おんすていじ ~新編 里見八犬伝~。越中国の刀工・郷義弘の作刀である“江”の刀剣男士を中心とした新しい形の“すていじ”だ。
意気込みを語るのは、「葵咲本紀」(2019)で最初に刀ミュへ登場した“江”の刀剣男士・篭手切江を演じる田村升吾。「夢がいざ現実になると、こんなに焦るものなのかと思いました(笑)」と、公演が決まった時の気持ちを振り返る。
「刀ミュのチームが僕らに与えてくださった夢と試練だと思っています。もちろん喜びはありますが“刀ミュの一作品を担うのだ”という責任感も大きい。台本や楽曲が届くたびにプレッシャーが増しています」
審神者なる者の力によって名だたる刀剣が戦士の姿となった“刀剣男士”、その姿や性格は様々だ。篭手切江は歴史を守る任務の傍ら“すていじ”を夢見て“れっすん”を重ねている。
「最初は“すていじ”に立つことは篭手切江一振りで抱いていた夢でしたが、新作が上演されるたびに“江”の刀剣男士が増えていって。今では豊前江、桑名江、松井江、五月雨江、村雲江が仲間に加わりました。今作では大典太光世、水心子正秀も登場しますし、この八振りで作品に挑めるのはとても心強いです。大変な戦いになることは覚悟していますが、お互いに助け合っていけたら。仲間と一緒ならどんなことも乗り越えられると思っています!」
刀ミュは長く続くシリーズだが、常に新しい取り組み方で観客を驚かせてきた。
「今作はどんな“すていじ”になるのだろうといろいろ想像していたのですが……届いた台本を読んだ時は“新しい!”と衝撃を受けました。演出の茅野イサムさんも“今までの刀ミュを一新する作品になる”と仰っていましたね。刀剣男士の在り方や、刀ミュシリーズ自体の根幹を改めて考えるキッカケにもなるのではないかと思います。今までに築き上げていたものと違うスタイルで戦うことには勇気が要りますが、みんなで信じて戦っていこうと思います。刀剣男士という、物が人の身を得た存在だからこそ感じる部分などを丁寧に描いていければ。“江”は個性の強い刀剣男士が集まっていると思うので、“江”だからこそできる戦い方をお見せしたいです」
田村は十代の頃から2.5次元ミュージカルを中心に活躍。デビューからの変化を尋ねると「感情が豊かになりました」と打ち明けた。
「芝居を始めたばかりの頃よりずっと、心が動くようになっている気がします。涙もろくなったし、笑い上戸になりました(笑)。それでお芝居が分かるようになったという訳ではないのですが、特にこの数年間で感じられることが増えた。今作でもいろいろな人と心を通わせることを楽しみにしています」
成長した自身と大きな覚悟を持って、挑戦的な作品に臨む。
「篭手切江としても田村升吾としても夢が叶う公演。人が夢を叶える瞬間って奇跡みたいな時間だと思うので、その貴重な一瞬を掴んだ篭手切江を自分が演じられることがものすごく嬉しいです! 皆様にも“江”の刀剣男士が“すていじ”を作っていく、刀ミュが新たな物語を紡いでいく奇跡の瞬間をぜひ劇場でご覧いただければと思います。頑張ります!」
インタビュー・文/片桐ユウ
※構成/月刊ローチケ編集部 11月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
田村升吾
■タムラ ショウゴ
’98年生まれ。ミュージカル『刀剣乱舞』、舞台『魔法使いの約束』など2.5次元舞台を中心に活躍。