サイキック青春グラフティのコメディ舞台第2弾!
超能力者ではあるが、ごく平凡に生きようとする影山茂夫=通称“モブ”を主人公に、その周囲で巻き起こる様々なトラブルや人々の成長を描いた、ONEによる人気漫画「モブサイコ100」。コミックスの累計発行部数は120万部を突破しており、アニメ第2期の制作決定も発表された話題作だ。
初舞台化は今年1月。好評を受けて、早くも9月にシリーズ第2弾が上演される。アニメに引き続いて舞台版でも影山茂夫を演じた伊藤節生は、初演を「超能力を使う時にかざした手がブルブル震えているんです。自分でも分かるくらい緊張していました」と振り返る。2017年の第11回声優アワードで新人男優賞を受賞した伊藤だが、舞台は本作が初出演にして初主演だった。
伊藤「声の収録と違って、リテイクということはあり得ないのが演劇。最初の頃は自分のミスが誰かに影響してしまわないか不安でしたし、劇場の広さにも戸惑いました。でもお客様がとてもあたたかくて、笑い声に勇気づけられました。徐々に舞台を楽しむ気持ちも生まれましたね。日替わり要素のあるシーンでは“今日はどんなことが起こるのだろう?”とワクワクしました」
カンパニーは注目の若手俳優をはじめ、悪霊・エクボ役に、なだぎ武がキャスティングされるなど、にぎやかな顔ぶれだった。
伊藤「本当に皆さんお優しくて、どこかキャラクターと似た部分を感じました。ギャグシーンでは共演者の方に“せっちゃん(伊藤)をいかに笑わせようか考えているから!”と宣言されて、笑いを堪えるのが大変だった日も(笑)」
主人公だが“モブ”と呼ばれるほど素朴に生きてきた影山茂夫は、周囲が羨む最高レベルの超能力を持ちながらも、決して自身を特別視することがない。その温度差がシュールな笑いと、時に切なさを生み出す。
伊藤「濃いキャラクターたちの中にあっても、ブレることなくマイペースを保っていられるのがモブくん。初舞台に力んで空回りせずにいられたのも、モブくんの持つマイペースな佇まいがひとつの安定剤になっていたからだと思います」
第1弾の舞台は、超能力の演出方法も話題となった。落としそうになったタコ焼きを空中に浮かせる日常的なものから、悪霊退治、超能力者同士の対決……。様々なシチュエーションで飛び出す超能力を、脚本・演出の川尻恵太は、糸や音を使うアナログな方法と大掛かりな映像を使い分けて、バラエティ豊かに表現。
伊藤「川尻さんの演出は見ている人を飽きさせない。そのシーンごとの面白さが必ずあるので、第2弾からご覧になるお客様にもきっと楽しんでいただけると思います!」
最新作は登場するキャラクターも増え、見どころも増す予感だ。
伊藤「前作では超能力を表現するために、いかに動かないでいるかが課題だったんですけど(笑)、次は体を使った場面も増えそうです。アニメで演じた時に“これがモブくんなんだ”と思えたシーンもあるので、舞台上で演じられることが楽しみ。舞台で見たいシーンはまだまだたくさんあるので、第2弾、第3弾と舞台シリーズが続くことを願っています」
インタビュー・文/片桐ユウ
※構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
伊藤節生
■イトウ セツオ ’91年生まれ。第11回声優アワードで新人男優賞を受賞し、実写映画や舞台にも活躍の場を広げている。