あにてれ×=LOVEステージプロジェクト『ガールフレンド(仮)』稽古場レポート

現役アイドル・指原莉乃(HKT48)が、代々木アニメーション学院とタッグを組んでプロデュースするアイドルグループ、=LOVE。昨年9月にメジャーデビューを果たし、活躍の幅を広げている彼女らが、7月に舞台『ガールフレンド(仮)』を上演する。その通し稽古が行われると聞き、都内某所の稽古場に駆け付けた。

 

本作は、あにてれ×=LOVEステージプロジェクトと銘打ったステージプロジェクトで、今年2月には第1弾として『けものフレンズ』を上演。第2弾となる今回は、スマートフォン向けのゲームアプリで、漫画化やアニメ化などさまざまなメディアミックスが展開されている『ガールフレンド(仮)』の世界を、イコラブ12人のフルメンバーで舞台上に創り上げる。


稽古場に到着した際は、場面稽古が行われていた。セリフのニュアンスや小物の扱い、移動のタイミングなどを細かくチェックし、通し稽古に備える。通し稽古の前にスタッフは一旦休憩に入ったが、メンバーは劇中曲の振り付け確認に余念がない。リーダーの山本杏奈がカウントを取りながら振り確認をし、声をかけあいながら互いの場位置や移動ルートをチェックしていく。しっかり振りを覚えている山本に「杏奈先生!」と教えてもらうメンバーもおり、メンバー同士で協力しながら舞台を作り上げていることがうかがえる。ギリギリまで振り確認は行われ、わずかな休憩を取った後、通し稽古に入った。

 

オープニングからキャストが勢ぞろいして、華やかな歌声を響かせる。一ノ瀬友恵(佐々木舞香)は舞台のオリジナルキャラクターだが、それ以外の人物にもそれぞれに見せ場があり、各々の個性を冒頭から印象付ける。この時点でも十分、それぞれの役のキャラクターを感じさせてくれるが、衣装を身につければ、もっと個性を感じられるだろう。


物語のはじまりは、夏休み明け。聖櫻学園の2年B組に転校生の一ノ瀬友恵がやってくるところからスタートする。家庭の事情で2カ月だけという短い期間ながら、友恵のクラスメートになった椎名心実(高松瞳)は、伏し目がちな友恵の表情が気になっていた。


そんな中、まもなく行われる学園祭の“櫻花祭”に向け、生徒会長の天都かなた(音嶋莉沙)は、副会長の篠宮りさ(山本杏奈)、書記の鴫野睦(瀧脇笙古)とともにある発表をおこなった。それは「櫻花祭のオープニングで生徒会による歌と踊りのパフォーマンスを行う」というもので、くじ引きで生徒から6人のメンバーを選抜された。


選ばれたのは、心実と、フランスからの留学生 クロエ・ルメール(齊藤なぎさ)、引っ込み思案な図書委員・村上文緒(大谷映美里)、カメラ好きのセクシー系・望月エレナ(大場花菜)、軽音楽部のボーカル担当・風町陽歌(野口衣織)、同じく軽音楽部のキーボード担当・朝比奈桃子(齋藤樹愛羅)。彼女たちが本番を迎えるまでの様子は、放送委員会のアナウンサー志望・櫻井明音(諸橋沙夏)とビデオカメラ担当・押井知(佐竹のん乃)が全校生徒に放送していく。

 


心実は、学園での楽しい思い出を作ってほしいからと友恵をオープニングパフォーマンスの追加メンバーに誘う。しかし、学園祭が終わればまた転校してしまう友恵の心は頑なで、なかなか頷いてくれない。それでも6人は説得を続け、やっと友恵も含め7人でパフォーマンスに参加することを約束した。練習を重ねていく中で、少しずつ友恵の表情が明るくなっていくが…。




これだけの登場人物が一気に登場しても、それぞれのキャラクター性がしっかりと確立されていて、すんなりと関係性が入ってくるのはさすが。声優として学んできた経歴のある彼女らだからこそ、役をきっちりと捉えられているような印象を受けた。

 

だが、舞台は声だけでなく体すべてで表現していくもの。そこも、返事をためらう刹那にスカートをぎゅっと握るしぐさ、思い切って声をかける前のためらいなど、女優として身体表現を稽古の中でしっかりと獲得していることがうかがえる。そして、直前に演出家に指摘された変更点なども、通しの中でしっかり対応できており、適応力の高さも感じられた。振り付けも今後まだ変更の余地があるそうなので、どこまでアップデートされるのか本番を期待したい。


また、オープニングパフォーマンスのメンバー以外も、各所でしっかりと歌い踊るシーンが用意されている。推しメンの見どころシーンもぜひ期待しておいてほしい。また、劇中には櫻井&押井の放送委員会コンビが客席にマイクを向けることも。もし運よく質問されたときは、ぜひ学園メンバーの一員になってノリノリで回答してほしい。


学園祭の準備に奔走したり、ダンスの練習に励んだりする姿は、まさに青春の1ページ。一方で、努力を積み重ねていく姿は、彼女らの等身大にも見える。9月でメジャーデビュー1年、今まさに努力し続けている彼女らだからこそ、キラキラとした青春の輝きをみずみずしく、そして眩しく表現できる。稽古場でこれだけのパワーを感じさせてもらえるのだから、本番の舞台でどれほどの輝きを放つのだろうか。大いに期待したいところだ。


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©あにてれ×=LOVE「ガールフレンド(仮)」製作委員会