「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」(ヒプマイ)の舞台化作品として人気の“ヒプステ”こと『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage。8月9日(水)より舞台オリジナルディビジョン&キャラクターによる単独ライブ《Rep LIVE side Rule the Stage Original》がいよいよ開幕!
アサクサ・ディビジョン“鬼瓦ボンバーズ”を構成する鬼灯 甚八役の加藤良輔、駒形 正宗役の和田泰右、影向 道四郎役の結城伽寿也にインタビューを敢行!浅草の街を巡りながら撮影を行ない、8月に開催される《Rep LIVE side Rule the Stage Original》、そして「-Battle of Pride 2023-」に向けた意気込み、メンバーへの思いや忘れられないエピソードについて熱く語ってくれた。
――浅草ロケおつかれさまでした!浅草寺の周辺をぐるりと歩いて回っていただきましたが、いかがでしたか?
和田 暑かったぁ!
加藤 暑かったね。
結城 まだ朝の10時台なのに…。
和田 でもよかったね、初めてみんなで来られて。
――普段、プライベートで浅草に来ることはあるんですか?
結城 年始におみくじを引くために来ますね。
和田 凶が多いことで有名なやつね?
結城 「大吉を出してやる!」って毎年、来るけど、凶しか出ない(苦笑)。
和田 僕は年末のカウントダウンに浅草寺まで来たことはありますね。
加藤 僕は家族と来ることはありますね。今年のゴールデンウィークも来ました。メチャクチャ人が多くて大変でしたけど……誰にも気づかれなかったなぁ(苦笑)。
和田 甚八なのに(笑)?
結城 変装がうまいんじゃないですか?
加藤 うーん、わりと顔全開だったんだけどなぁ(笑)。
――まずは8月に行われる《Rep LIVE side Rule the Stage Original》への思いから伺いたいと思います
和田 楽しみでしょうがない。熱い夏になりそうですね。またできるという喜びが大きいです。
加藤 他のオリジナルディビジョンやキャラクターとやれるというのが嬉しいですね。アカバネとは1回、一緒にやってるんですけど、今回で言うと“D4”は初めて絡むし、“糸の会”、“道頓堀ダイバーズ”といったオリジナルキャラクターが揃ったらどうなるのか?僕らにとっても未知な世界であり融合が楽しみですね。
結城 新曲も数曲あって、メチャクチャカッコいいので、それをお披露目できるのが嬉しいですね。
――やはり他のチーム、特にオリジナルのディビジョンやキャラクターとの競演というのは特別な思いがあるものなんでしょうか?
結城 バチバチですね(笑)。
加藤 オリジナルのチームだからこそ、原作にない魅力、チームの色の濃さというのがすごく強いので…ちょっと“D4”とか怖いなってビビってます(笑)。
結城 それアカバネの時も同じこと言ってたし(笑)。
加藤 そうね、アカバネの時もそう言いつつ、実際に一緒にやったらメチャクチャ仲良くなったんですけど。でも、パッと見で「どこのチームと友達になりたいですか?」って聞かれたら、“D4”は選ばないでしょ(笑)?
和田 ナイフ持ってるからね(笑)。
加藤 何されるかわかんないから(笑)!
結城 全く同じこと言ってるなぁ…。
加藤 そうなんだよね(笑)。アカバネの時も「友達にはなれない」って言ってたんだけど、メチャクチャ仲良くなって、すごく良いヤツらでね。
和田 まあアサクサは「家族になれる」というのがチームのコンセプトとしてあるからね。
加藤 そうそう、「みんな家族」というのがあるからね。今回もそうなるといいけど…。
和田 アカバネのみんなとは池袋で僕らだけのライブをやらせてもらって、そこで関係性を築けているので、表現できる幅も広がりそうで楽しみですね。
――「-Battle of Pride 2023-」をもってキャスト陣が卒業することが発表されました。約3年にわたって携わってきたヒプステは、みなさんにとってどういう存在でしょうか?
加藤 以前、泰右とも話したことがあるんですけど、舞台でこういうストリート系のダンスを見せたりする作品はほとんどないし、「Beat Buddy Boi」だったり、自分が好きで見ていたダンスチームが出ていて、演出も(植木)豪さんという世界で戦ってきた人で、そういう自分にとって大好きな要素が詰まった作品なんですよね。
そこにオリジナルの役で入らせてもらえるというのは、もちろん他の作品と比べるわけではないんですけど、ちょっと“別枠”というか、いろんな枠組みを飛び越えたような特別な思いはありますね。これまで憧れて、「やってみたい」と思っていた夢がひとつ叶った作品ですね。僕にとってはすごく大きな財産です。
和田 りょうちんと全く同じ思いです。自分がこの世界に入るきっかけがヒップホップだったので、ダンス、ラップ、ファッションを含め、それを舞台上で表現できるって、こんなに幸せなことはないですね。
ひとりひとりのキャラクターをオリジナルで生み出してくださったというのも、舞台人として人生の中でも一番幸せなことだったなと思います。本当に「続けてきてよかった」と思えた瞬間でしたね。
結城 僕もヒプステがあって、お2人と出会えて、いまではすごく仲良くなれたので、本当に感謝してます。僕、ヒプステに出会っていなかったら、役者一本でやっていくのをやめていたかもしれないと思っているんですよ。
和田 そうなんだ?
結城 役者一本でやっていくかどうしようか、という状況のときに出演が決まって、始まってみたら本当に楽しかったんですよね。ワクワク感が他の作品とは違うというか…「よし、やってやるぜ」「かましてやる!」という情熱を全部ぶつけられるのがヒプステで、というのもやっぱり、オリジナルキャラクターとして、自分の良さを出しながら役を作っていけたことが大きかったんだろうなと思います。自分にとっては“プレゼント”のような役でしたし、携われたことに感謝してます。
――アサクサ・ディビジョンの魅力や“アサクサらしさ”はどこにあると思いますか?
和田 通常の2.5次元の舞台だと、やはり原作があるので、お客さんは忠実に再現したものを見たいという気持ちが強いんですよね。そこで俳優の個性や素の自分に近い要素をどれくらい入れるのか?というのは難しい瞬間もあるんですよね。
アサクサ・ディビジョンはオリジナルというところで、ゼロから作っていく難しさももちろんありましたけど、「伽寿也のこういう部分」とか「りょうちんのこういうテイスト」みたいな部分をうまくミックスして作ってこられたし、それがアサクサの魅力になっているのかなと思いますね。
加藤 強みはもう間違いなくチームワークの良さ!だと俺は思ってるんだけど……。
和田 なんでそこ弱気なの(笑)?
結城 僕らもそう思ってます!
加藤 この3人じゃなかったらアサクサは成り立ってなかったなと思います。さっき泰右も言った通り、初期段階は何もないところから作らないといけなかったのでマジで大変でしたけどね。
僕は泰右とは面識あったけど伽寿也とは初めてで、年齢的にも僕が最年長で伽寿也が一番若いという自分たちの関係性と役の設定をうまく合わせながら築いていけたのかなと思いますね。
伽寿也は年下だけど、僕と泰右で話し合って「こういうことやろうと思うんだけどどうかな?」と言ったら「いやいや、お前が決めろよ」みたいに言ってきたり(笑)。本当に僕らの関係性が役にも反映されているし、この3人じゃなかったら、いまのアサクサの感じは出せてなかったなと思いますね。
他の作品でチームを組むこともあるんだけど、そういう時に改めて「アサクサのメンバーって本当にすごいな」って思うんですよね。別にそのメンバーが悪いわけではなくて、それぞれ良さがあるんですけど…(笑)。
和田 わかる。どうしてもアサクサを思い出しちゃうよね。
加藤 この3人のチーム感が自分の中でベースみたいなものになってて、ヒプステ以降、チームで何かやるときにいつも「アサクサみたいなチームにするにはどうしたらいいのかな?」と考えちゃいますね。そこまで思えるってなかなかないことだと思うし、それはアサクサの強さだなと……僕は思ってるんですけどね(笑)?
和田 散々語っておいて、なんで弱気なんだよ(笑)。
――結城さんは初対面の先輩2人といきなりチームを組むことになって、いかがでしたか?
結城 もちろん最初は緊張しましたね。「はじめまして」が銭湯でのビジュアル撮影だったんですけど…。
加藤 あの時はまだギクシャクしてたよね(笑)。
和田 どうしよう?ってね(笑)。
結城 良輔くんとは10コくらい離れてて、どうやって接するのが正解かもわからなかったし、泰右くんは当時もいまもすごく優しいけど、最初はそれもわからなくて…(笑)。
加藤 (和田を指して)このポジションがね、本当に大事なんですよ。泰右がかましてくれることで、僕らがほぐれるというのは何度もありました。
結城 劇中も含めてね。僕は劇中で本当の泰右くんを知ったなと思います。
加藤 本番で開けたことのない引き出しを開けてきて、僕らは翻弄されるんですよ…(苦笑)。
結城 「もう二度と共演したくない!」って思うくらいね(苦笑)。
和田 まだあるよ?引き出し(笑)。
結城 自信満々に間違った引き出しを開けてくるんですよ、しかも本番で(笑)。
和田 「こんなんあるけど、どう?」って(笑)。
結城 ドヤ顔で開けてくるんでね(笑)。それがクセになっちゃうんですよ。
加藤 あとでスタッフさんたちから怒られたこともありました(笑)。
――最も思い出に残っているのはどんなことですか?
加藤 本番中で、僕がシンジュクの(神宮寺)寂雷先生と2人で立っているシーンがあったんですけど…。
和田 あぁ、それね(笑)?
加藤 静かなすごく良い歌で、泰右と伽寿也が僕の前でエアーで(言葉を発さず)お芝居をして、シンジュクのメンバーも寂雷先生の前でエアーでお芝居するというシーンなんですけど。「エアーで」とキチンと言われてるのに、なぜか2人のお芝居がすごくうるさいんですね(笑)。
和田 オンでやっちゃったんですね(笑)。
加藤 「こいつら、マジか!」と思ったんですけど、2人はきちんと打ち合わせをした上でそれをやってるんですよ。「エアーで」と言われてるのに!泰右は、そういうことよくあるんですけどね(苦笑)。
和田 オンにしがちだよね(笑)。直後に豪さんに「違うよー。そういうことじゃないよ」って言われて、「どうするのが正解ですか?」って聞いたら「すぐ右を見てごらん?シンジュクが正解だよ」って(笑)。そういうことか!と。
結城 そのあと、2人で本番の動画を見直しましたね(笑)。
加藤 俺も初めて注意したからね。終わってすぐ「はい集合!ちょっとうるさいかな」って。俺が注意したのはそれくらいじゃない?
和田 僕が思い出深いのは、あるシーンで、僕と伽寿也が「親方!」って甚ちゃんのところに行くんだけど、僕のその日の引き出しプランは、野球バットのグリップを巻きながら行くというのだったんですけど、それに甚八がツボッてしまって、袖にはけたタイミングで「あそこでグリップ巻くなよ!グリップ巻かなくていいんだよ!」って(笑)。
加藤 そこでグリップ巻く動作って要らなくない?細かすぎて伝わらないでしょ(笑)!
和田 「そうか、グリップは違うんだ」と思って、翌日はスプレーをバットにシューっとやりながら出て行ったんだけど「そういうことじゃない!」って(笑)。
結城 僕は「マイク忘れ事件」かな?
加藤 たしかにそれが一番かも。
和田 伝説のね。
加藤 「ヒプノシスマイク」なのにマイクを忘れるというね。
結城 シブヤとのバトルでしたよね?確か場当たりか、ゲネプロのとき…。
加藤 (和田と結城の)2人がマイクを持ってないんですよ。
結城 3人が並んでて、甚八が「やるしかねぇ!」って言って、僕らもマイクを出すという見せ場なんですけど。
和田 その前に甚八が「行くぞ、お前ら」ってマイクを出した時、僕と伽寿也は既にポケットにあるはずのマイクがないことに気づいてたんだよね?そこで僕らは、マイクを出す瞬間にこうやって拳を突き出したんですけど…。
加藤 本当にありえない画でしたね。「ふざけんなよ、お前ら。ヒプノシスマイクだぞ?」って(笑)。いまからバトルに行くのにマイクを忘れる――しかも2人揃って(笑)!
結城 そのあと、「すいませんでしたー!!」って謝ったね(笑)。ダメ出しにもならない…。
加藤 あれから必ず出る前に「マイク持った?」と確認するようになったからね。
和田 大事な失敗だったね。
結城 内心はむちゃくちゃ焦ってましたけどね(苦笑)。
――卒業を前にしての、いまの率直な気持ちを教えてください
和田 寂しいよねー?
加藤 本当に寂しいよね。
結城 「イヤです」と言いたいよね。
和田 留年制度とかないのかな…?単位を取り忘れましたって(笑)。
加藤 本当に正直な気持ちだね。
和田 でもこうやってラストがあることで、そこに向かって頑張れるし、あのデカいステージでぶちかませると思うとワクワクするよね。
加藤 そこに向けてまずは8月の《Rep LIVE》をしっかりと盛り上げて、「-Battle of Pride 2023-」を迎えられたらと思いますね。
結城 すごくいい流れだなと思います。「BoP」に来られる方は、ぜひその前に《Rep LIVE》を見ていただければ、より楽しんでいただけると思います。アサクサ・ディビジョンはこんなにカッコいいんだぞ!というのを見せたいし、BoPにつなげていけたらと思いますね。
和田 何が起こるのか?想像のつかないライブになると思うので、ぜひ楽しみにしていただきたいですし、2人をまた驚かせるような引き出しを用意したいと思います(笑)。
加藤 怖いわ(笑)。
インタビュー・文/黒豆直樹
撮影/篠塚ようこ