“鬼滅愛”に満ちた阪本奨悟が呼吸も鍛えて舞台に立つ
舞台「鬼滅の刃」の最新作が11月から上演される。幅広い世代に支持されている同タイトル漫画の舞台シリーズ4作目。無限列車での闘いで一際成長を遂げた炭治郎が、次に向かうは「遊郭」。炭治郎は善逸、伊之助、そして禰豆子と共に花街へ潜入。鬼と死闘を繰り広げる――。
今作から竈門炭治郎を演じるのはシンガーソングライターとしても活躍中の阪本奨悟。
「『鬼滅の刃』は友達や役者仲間に勧められて、テレビアニメ最初のシーズン『「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編』の放送当時から見ていました。原作の漫画もその頃から読むようになり、もう夢中になった作品だったんです。舞台化の情報を知った時から出たいなと密かに思っていたので、こうして出演できることが夢のようですし、光栄の限りです」
誰もが知る作品の舞台化シリーズに新たな主演として参戦することには「プレッシャーもかなり感じます」と明かしつつも、真っ直ぐに“鬼滅愛”を語る。
「初めて原作を読んだ時から、炭治郎が1番好きなキャラクターでした。僕も家族と仲良しなので、家族愛や兄妹の絆にとても共感できます。役作りにおいて演じる役に共感できることはすごく大きな材料だと思うので、炭治郎と同じ気持ちを燃やしていけたらと思っています!」
阪本は今年で30歳。炭治郎と同じ年頃には俳優デビューしており、ミュージカル『テニスの王子様』で主演を務めていた。
「テニミュも大きな作品だったので、当時も背負うものはあったと思います。でも炭治郎ほどの度胸がその頃の自分にあったかどうか。不屈の魂を持っているのが炭治郎なので、今からでも頑張って追い付かなくてはと。少年らしさを呼び起こしてまっさらな気持ちで臨みたいです」
今は原作とアニメを見返しながら、自身が思う炭治郎像をあらためて確認中。
「自分が演じる、という意識で見返しているからこそ、炭治郎は血と汗といろいろなものを放出しながら全力で戦っていたのだと圧倒されました。それを舞台でやるとなれば、もうとんでもない熱量で挑まなければいけない。公演期間も長いので、今のうちにやれることをやっておこうと準備しています」
腹筋や腕立てといった基本的な体作りは日々欠かさず続けている阪本だが、今作に備えて殺陣の稽古と肺のトレーニングにも力を入れているという。
「この間1日で30曲歌うライブをやったのですが、今まで以上に鍛えないと厳しいなと痛感しました。肺のトレーニングにはパワーブリーズを使っています。呼吸って本当に大事なんですよ。良い歌声は息のコントロールにかかっていますし、舞台でもきちんと声をマイクに乗せてお客様にセリフを届けられるかどうかは呼吸が肝になってくる。善逸が那田蜘蛛山で毒が巡るのを遅らせるために呼吸を駆使する場面がありましたが、それを読んだ時に“ああ、これも呼吸なんだ”と思いました」
型と呼吸について熱弁する様子は、鬼殺隊の剣士さながら。鍛え上げた阪本の炭治郎が上弦の陸・堕姫、妓夫太郎と対峙する。
「これまで舞台『鬼滅の刃』が培ってきたものをしっかり引き継がなくてはと思っています。お客様の期待に応えて、さらに次のステップまで期待値を持っていきたいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください」
インタビュー&文/片桐ユウ
Photo/植田真紗美
ヘアメイク/木内真奈美(オティエ)
スタイリスト/山田安莉沙
※構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載
※写真は誌面と異なります
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
阪本奨悟
■サカモト ショウゴ
俳優、シンガーソングライターとして活躍。近作は「池袋ウエストゲートパーク」THE STAGE、演劇調異譚「xxxHOLiC」など。