ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」│有澤樟太郎 インタビュー

ジョナサン・ジョースターをありのままに演じる!

荒木飛呂彦の大人気コミックシリーズ待望のミュージカル化。主人公のジョナサン・ジョースターをWキャストで演じる有澤樟太郎は、この大役の決定に驚きを隠せなかったという。

「出演が決まったときは、嬉しさよりもびっくりが先でした。実は製作発表で顔合わせするまでどこか信じ切れていなくて、本当なのかちょっと疑ってたんです(笑)。今は、いよいよ始まるんだなと感じ始めています。“ジョジョ”は少年漫画として登場人物もセリフも印象的だし、幅広い世代の人が好きな作品。あのワードセンスは、癖になる魅力が詰まっていますよね。いろいろなメディアで製作されて、“ジョジョ”の魅力がさらにプラスアルファされているので、舞台もそうなればいいなと思います」

今回描かれるのは、物語のはじまりとなる「第1部 ファントムブラッド」。その台本の面白さを、有澤は興奮気味に語る。

「台本もめちゃくちゃ面白くて、“あのシーンを見たかった”みたいな物足りなさはきっとあまりないんじゃないかな。原作に愛のある人たちが作品を作っていますし、原作の面白さに繊細な人間ドラマなど、演劇でやる面白さをプラスして、新しい“ジョジョ”をお見せしたい。僕自身、コミックなどの原作ものがミュージカルや舞台になったときにすごく興奮するんです。だから、期待しているお客さんの気持ちもすごく分かるので、エンタメとしても人間ドラマとしても楽しめる作品にしていきたいです。それにミュージカルですから、やっぱり楽曲もすごくカッコいいんですよ。ドーヴ・アチアさんの音楽で、洋楽ロックを聴いているような感じです。ドライブ感のある前のめりなサウンドで、キャストも口を揃えてカッコいいと言っているので、期待してください。みんなが覚えているあのワードは歌になるのか、それともセリフになるのか…そこは僕らもまだ分からないので楽しみにしています」

演出・振付を務めるのは、フィジカルシアターやノンバーバルの作品を数多く手掛けてきた長谷川寧。有澤は彼の作りあげる“ジョジョ”の世界観に大いに期待を寄せる。

「ご一緒するのは初めてですが、先日寧さん演出の『ピーター・パン』を観たとき、ファンタジックなイメージだけではなく、本質的なメッセージが残ったんです。寧さんの言うフィジカルな動きって、すごく斬新で新鮮なものかもしれないけど、その動きだからこそ、すごく理解が深まる。今回の“ジョジョ”でも、何かリアルなものを残したいとおっしゃっていて、そこはすごく期待しています」

本作は、帝国劇場での上演を皮切りに、北海道、兵庫での地方公演も予定されている。

「いろいろな初挑戦が多いなか、東京、北海道と公演して最後に地元・兵庫で終われることに、縁を感じています。ミュージカル好きの母親は帝国劇場と地元のどちらで観ようかと、今からワクワクしています(笑)。変に脚色することなく、突き抜けて真面目で正義感のあるジョナサン・ジョースターを、ありのままに演じていきますので、楽しんでいただきたいです!」

インタビュー&文/宮崎新之
Photo/岡田晃奈
ヘアメイク/田中紫央
スタイリスト/山田安莉沙

※構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】

有澤樟太郎
■アリサワ ショウタロウ
’15年にデビュー。近作に舞台『セトウツミ』、ミュージカル『のだめカンタービレ』など。