舞台『SaGa THE STAGE~再生の絆~』│松田凌&七瀬恋彩 インタビュー

ファンのみなさんの扉を開きたい

『ロマンシング サガ リ・ユニバース』が舞台化される。ポルカ・リン・ウッドを演じるのは、数々の2.5次元作品で大役を任されてきた松田凌。ジョセフィン・リン・ウッド役は、SNSの総フォロワー数170万人超のプロブレイクダンサー・七瀬恋彩が務める。

松田 七瀬さんのSNSを拝見したら、こんな可憐な女性からは想像もできないようなすごい技をたくさん繰り出されていて驚きました。あれだけ踊れて、アクロバティックに表現できる女優さんはなかなかいない。七瀬さんのダンスは、今回の舞台化の最もキーとなる武器だと思います。

七瀬 私も自分の得意なブレイクダンスが作品の中にどう組み込まれていくのかワクワクしています。今まで熱を入れて取り組めるものがダンスしかなくて。そんな中、お芝居に出会って、台本に書かれた1行1行に想いを込めて演じている役者さんたちを見て、私もこんな演技がしたいと思いました。お芝居は、私が初めて出会ったダンス以外にも熱を入れられるエンターテインメントです。

漫画やアニメと違い、立ち絵しかないゲームでは、少ない情報量の中からいかにそのキャラクターらしい動きや仕草を導き出していくかがポイントとなる。

松田 大事なのは、作品や役柄にどれだけ想いを持てるか。作品の世界観を愛している人たちに対して失礼なものをつくってしまった時点でアウト。リスペクトが欠けた瞬間、扉を閉められてしまって、見ていただけなくなると思うんです。逆を言えば、どんな話し方をするのか、どんな動きをするのか、余白の部分をしっかり埋めて、役と自分をつなげることができれば、きっと扉を開いてもらえる。そこが、こうした作品を演じる楽しさでもあります。

七瀬 ジョーだったら、どんな行動をとるか、どんな表情をするか、一つ一つ想像しながら演じたいと思います。ジョーは見た目はすごく可愛らしいのに、言葉遣いは男の子っぽくてわがままなところもある。私も、兄がいて男の子っぽい部分があるし。SNSでも普通の女の子とブレイクダンスをする女の子の掛け算を意識しながら投稿しているので、ギャップを持っているジョーとは近いところがある気がしていて。ジョーになれるのがすごく楽しみなんです。

サブタイトルは「再生の絆」。2人が絆と聞いて思い浮かぶ相手は誰だろうか。

松田 目に見えない絆という言葉を信じられる相手と言ったら、僕は家族しか出てこない。でも、そこにもう1人名前を挙げたい人がいて。それが、親友の宮崎秋人です。この間まで久しぶりに一緒に舞台をやって。小っ恥ずかしながら、秋人とはたぶん一生一緒にいるんだろうなと思った。自分の人生において絶対に必要ですとお互いに言い合え
る存在に出会えるなんて、こんなに幸せなことはないですね。

七瀬 私はお母さんです。今までずっと私を育ててくれて。お母さんがいなかったら、たぶん私はここまで来られなかったと思います。私のことをすごく応援してくれて。褒めてくれたり喜んでくれたりしつつ、結構厳しい部分もあって。でもその厳しさのおかげで今の自分がいる。本当に感謝しているし、これからもずっと一緒にいたいです。

インタビュー&文/横川良明
Photo/山本倫子

※構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】

松田凌
■マツダ リョウ
舞台『刀剣乱舞』、舞台「東京リベンジャーズ」、「進撃の巨人」-the Musical-など人気作に数多く出演。

七瀬恋彩
■ナナセ ココア
プロのダンサーとして活動する傍ら、舞台「Juliet aria『DustBunnySHOW』」(2021)や「大正浪漫探偵譚-エデンの歌姫-」(2023)に出演。