LIVE-MUSICAL-STAGE「チャージマン研!2023」チャージマン研・泉研 役:大見拓土、キャロン役:星元裕月 対談インタビュー

1974年に放送された伝説のアニメ『チャージマン研!』(通称:チャー研)。「SEがない」「尺が足りず尺稼ぎ」「フィルムの使いまわし」「無理な急展開ストーリー」など、通常考えられない超低空な完成度で、マツコ・デラックスやダウンタウンも来世に残すべきクソアニメと認めた珍作の舞台化第3弾、LIVE-MUSICAL-STAGE「チャージマン研!2023」(通称:チャー研ステ)が12月23日(土)から年越しカウントダウンまで上演。主人公のチャージマン研こと泉研 役で本作から参加する大見拓土と、研の妹のキャロン役で初演から出演する星元裕月に、チャー研ステの魅力や、唯一無二の不思議な体験ステージの楽しみ方などを、たっぷり語ってもらった。

―ー原作のアニメ『チャージマン研!』は、21世紀後半の未来都市に攻めてきたジュラル星人の脅威から、小学生の泉研がチャージマン研に変身して地球を守るために奮闘する物語。放送終了後は忘れられていた作品でしたが、平成にニコ生などネットで人気になり、ツッコミどころ満載の珍作として再評価されるようになりました。まずは原作アニメの印象からうかがえますか?

星元 当時、アニメを制作された方たちは、いたって真面目に作ったと思うので、「何でこうなっちゃったの?(笑)」っていうのが最初の印象ですね。拓土はどう?

大見 僕は、舞台版「チャージマン研!」の初演を観させてもらったんですけど、それがとんでもなく面白くて。アニメの映像が舞台の中でも使われていて、そこで存在を知ってアニメを見てみたら、なんかもうめちゃくちゃなんですよ(笑)。サブタイトルが「殺人レコード 恐怖のメロディー」とかね。

星元 そうだね、めちゃくちゃ(笑)。

大見 でも、そういう当時の粗削り感が、今改めて刺さるというか。バズったのもわかりますし、僕はなんか好きですね。

星元 当時の録音機材やフィルムの保存状態もあると思うんですけど、台詞が全体的におかしく聞こえるんですよ。例えば、「頭がおかしい」って台詞が、「頭がお詳しい」って聞こえたり(笑)。

大見 アハハハハ!

星元 でも今の時代になって、ニコニコ動画に投稿されて、その変なところをリアルタイムのコメントで「これ面白いね」って共感して、B級映画的というかカルト的な人気になっていったっていうのが大きいと思いますね。

大見 僕は29歳ですけど、子供の頃、今じゃ考えられないちょっと下品なお笑い番組を見て育ってきた人間からすると、懐かしいというか。やっぱりおバカなもの好きなんで(笑)。

星元 ハハハ。昭和の時代にみんなが想像したような、未来ってこうなるのかな~ってエモさのレトロな作画で、前のシーンと次のシーンで手の位置がぜんぜん違っていたり雑なんですけど、それも面白いというか。ツッコめるポイントが多々あるのが『チャージマン研!』の人気の要因なんでしょうね。

――大見さんは本作が「チャー研ステ」初参加ですが、出演が決まったときの心境は?

©2023 鈴川鉄久/ICHI/チャージマン研!Lol

大見 「よっしゃー!」って(笑)。僕は、俳優界でこの舞台の一番のファンなので、「絶対にこの舞台に出る俳優は俺だろう」って思っていたところもありまして、ちょっと自信がありました。

星元 ハハハハハ。

大見 初演を観たときに、もう衝撃を受けましたから。「本当にこれやっていいんですか?」っていうことをどんどんやっていて。くだらないことを全力でやるって、本気で面白いんだなと思いましたし、こんな舞台を作る大人たちがいるんだっていう感動がありました。

星元 拓土は初演を観に来てくれたときに、観るだけでエネルギーを使って(笑)、休憩時間にコンビニに行って栄養補給をしてから二幕を観たんでしょ?

大見 ほんとに笑い過ぎて、酸欠っぽくなって、体がしびれてきて。ゼリー食べてチャージしました(笑)。

――星元さんは、初演(2019年)、第2弾(2020年)と出演されてきて思う、「チャー研ステ」の魅力はどんなところですか?

星元 舞台上にいる4人の研が、とにかく弾ければ弾けるほど面白い。

大見 アハハハハ!

星元 脱線しても何をやっても大丈夫なんだけど、その中でも、研のキャストが今回は6人なので、6人がとにかく弾けて、楽しんで、自分が面白いと思ったことを、もう迷いなくやってくれたら、絶対に“はなまる”が毎回出るなって。

大見 おお~。

星元 第2弾のある公演で、研役のひとりの東拓海くんが、馬のラバーマスクを買ってきて。舞台にかぶって出たときがあって。

大見 すごい!

星元 その日の公演は、絶対に何かしてくるんだろうなって、私も構えていたんですけど。いざ本番になったら、その馬面でやることが面白過ぎて、笑わずに舞台上にいられるわけがなくて(笑)。どうしようもなくて、たまたま小道具で持っていた叩くといい音が鳴る小さなハリ扇で、“もう、ふざけんな~”って、つい本気で何発か叩いて(笑)。そこはキャロンと研ではなくて、完全に星元裕月と東拓海でしたね(笑)。

大見 アハハハハ!

星元 そういうふうに、研たちが好き勝手やればやるほどやっぱり面白いし、ほかの演者もエキサイトして、俺たちも頑張ろうってなるんですよね。あと一番は、キャストのみんながこの作品に愛を持って取り組んでいることですね。アホなことを舞台上でやっているんだけど、それをする以上、全員が本気でやっていないとお客様にバレてしまうから、すごいエネルギーを使わなきゃいけないので、そうなってくると一座力が試されるっていう部分があって。それが稽古中から本番とどんどん高まっていくから、ひとつの大きなエネルギーを生み出していくので、それがほかの舞台にはない魅力だと思いますね。今回、拓土が入ってくれて、さらに2ギア、3ギア上げてくれるいい俳優さんだと思っているので、すごく楽しみですね。

大見 嬉しい~。

――演じられる研、研の妹のキャロン。それぞれのキャラクターの魅力と、演じる際に大切にしたいと思うことを教えてください

©2023 鈴川鉄久/ICHI/チャージマン研!Lol

星元 キャロンのイメージは、昭和の頃の理想のザ・美少女。かわいい女の子って感じだと思います。でも、初演と第2弾では、こういう舞台なのでエネルギー負けしないようにと思って、私もいろいろやったりしていたんですけど(笑)。今回は、原作アニメのキャッチコピーにあるキャロンの魅力「ちょっとおませな、かわいい妹」に原点回帰して演じたいなと。ただ、「チャージマン研!」なので、やっぱり不思議な点がいくつもあるんですよね(笑)。それが何なのかは舞台で観てください!(笑)

大見 ハハハハ。僕は研のキュートなところが出るといいなと思っていて。原作の研くんがキュートだからこそ、笑える部分とか許される部分っていうのがけっこうあるなと思うので。

星元 そうだね、そこだね。

大見 ビジュアル撮影のときに、プロデューサーから、「普通の研をお願いしたい」って言われて。「僕が観た初演に普通の研っていたかな??」って思ったんですけど(笑)。そういうオーダーもいただいたので、原作をしっかり勉強しつつ、ゆづが言ってたように“やりたいことをやる”というのも忘れずに、キュートさを大事にしつつ、頑張りたいですね。

――過去に「スタミュ」などでも共演されている旧知の仲のお二人。兄妹役はハマりそうですか?

星元 共演はしているんですけど、一緒のシーンでお芝居をしたことはほとんどなくて。ただ、お稽古とかも見ていて、彼の良さはいっぱい見てきているので、役者としてものすごく信頼していますし、人としても純粋に信用しているので。兄妹役は、何ら違和感なくやれるんじゃないかな。私はもう楽しみに、拓土の持ってきたプランをそのまま受け入れますって感じですね。

大見 ゆづはコメントを聴いてても思うんですけど、すごく上品なんですよね~。カーテンコールのお辞儀の仕方とかを見ていてもすごく感じるんです。

星元 よく見てるね(笑)。

大見 ゆづがいてくれると「チャー研ステ」みたいな作品でも上品さがプラスされて、めちゃくちゃ過ぎない作品になる。それにゆづが座組にいてくれると、年下なんですけど包容力があってお母さん的存在になってくれるので。

星元 お姉さんにしてよ(笑)。

大見 ハハハハ。ごめんなさい(笑)。華やかで頼りになる妹ですけど、普段はお互いに相談しあうこともありますし。兄妹役ぴったりだと思います(笑)。

――最後に、LIVE-MUSICAL-STAGE「チャージマン研!2023」の楽しみ方を教えてください

星元 まず、原作を何も知らなくても、純粋に面白いと思います。客席が普通の舞台と違って、真ん中にあるステージの四方を取り囲む形なので、お客様には舞台を観に行くというよりは、アミューズメント施設に遊びに行く感覚でいらしていただいたほうが、絶対に楽しめると思います。

大見 間違いない!僕も何も知らないで観て、めちゃめちゃ楽しかったので、原作を知らなくてもぜんぜん大丈夫です!あとは…、休憩に水分補給と栄養補給は必須です(笑)。

インタビュー・文/井ノ口裕子