獣愛ブースト音楽劇「Lamento -BEYOND THE VOID-」|前嶋曜・平賀勇 インタビュー

Ⓒ2006 NITRO ORIGIN Ⓒ獣愛ブースト音楽劇「Lamento -BEYOND THE VOID-」製作委員会

ニトロキラルが2006年に発売したファンタジー・アドベンチャーBLゲーム『Lamento -BEYOND THE VOID-』。脚本・内田裕基、演出・中屋敷法仁のタッグで舞台化され、2024年2月16日から25日までステラボールにて上演される。猫耳と尻尾を持つ種族・リビカを主人公にした異世界ファンタジーで、3ルートの回替わり公演となっている。

主人公・コノエを演じる前嶋曜と、不器用な黒猫・アサト役の平賀勇成にインタビューを行った。

――まずは意気込みを教えてください。

平賀 原作ファンの方々に「ちゃんとLamentoを見た」と思っていただけるようにしたいですし、まだ原作に触れたことがない方にはこの舞台をきっかけに原作ゲームにも触れていただけるように頑張りたいと思っています。

前嶋 そうですね。「Lamento の世界を2024年に舞台で見ることができた!」と思ってもらえるような世界観を作って届けたいです。

――演じるキャラクターからどんな印象を受けましたか?

平賀 原作と台本から受けた印象としては、本当に素直で天然。独特のスピードで喋るので、どう演劇に落とし込むか苦戦しています。それと腕周りの筋肉を鍛えるなど、体づくりをしています。

前嶋 原作のゲームをやってみて、すごく主人公らしいキャラクターだと思いました。負けん気が強くて芯が通っている。セリフにもあるとおり「信じたいものを信じる」、不屈の精神を持っています。他のキャラクターの背中を押すことが多いのも魅力だなって思いました。あとはツンデレですね。

――キャラクターとご自身の共通点はありますか?

前嶋 信じたいものを信じるのは僕も同じです。根拠のない自信がありますね。

平賀 自分ではわからないけど、たまに「天然だよね」と言われる。

前嶋 天然かな? でも不器用なところは似てるね。

平賀 あと、人混みが苦手で人と関わるのがそんなに上手くないところはすごく似ていると思います。

前嶋 僕は好奇心旺盛なところ、好き嫌いがはっきりしているところも似ていると思います。

――同じ事務所のお二人ですが、改めてお互いの印象はどうでしょう。

平賀 僕が19歳の頃に出会って4年くらいの付き合いです。ずっと見てきて思うのは、作品に対する熱。稽古場に早く入って練習していたり、誰よりもお客様に作品を届けることを大切にしていたり。今回は座長ということで、しっかりまとめてくれると思います。

前嶋 最初の印象は「なんだこのイケメンは」でした。顔から入って「緊張するなー」って思った(笑)。

平賀 なんで(笑)。

前嶋 マイナスイメージから入ったけど、蓋を開けたら全然違った。人見知りでギャップが大きくて、ちゃんと心があって。

平賀 当たり前でしょ、ロボットじゃないんだから(笑)。

前嶋 すごく心優しい、あたたかいやつです(笑)。

――今回3つのルートがありますが、ストーリーはルートによって大きく変わるんでしょうか?

平賀 思いっきり分岐すると思います。初めて観劇いただい方はもちろん、何度も観てくださる方にもルートごとの変化が沢山あるので、毎回新鮮に楽しめると思います。キャラクターもみんな個性豊かなので、そこも見どころですね。

前嶋 3作品やっているような感じだもんね。まだ稽古はライルートしかやってないけど(取材時点)、僕の中ではライとアサト、バルドに対してコノエが見せる顔や感情が違うと感じているので、そこも見どころです。あと、猫っぽいところがたくさんある。アサトが窓に飛びついたり、嬉しいときに爪を研いだり。

平賀 確かに、人間サイズで猫の仕草をするのは見どころかも。原作では文字でしか書かれていなかった動きも見られるので、楽しみにしてほしいです。

前嶋 稽古が進んだらもっと見どころも増えてきそうだよね。

――まだ稽古前ということですが、アサトルートについて教えてください。

平賀 僕が好きなのは、アサトの天然や素直さゆえに思ったことをそのままコノエにぶつけるところ。コノエの反応がめちゃくちゃ可愛いことが多くて好きです。あと、途中で形態が変化する部分があって、ギャップも見せられるルートなのかなと思っています。

前嶋 ライやバルドのルートよりもぎこちなさがある2人になるのかな。そこが可愛いし、心をくすぐられてキュンとしてほしいです。

――稽古場エピソードは何かありますか?

前嶋 悪魔たちが元気!

平賀 稽古前のアップで、稽古場の端から端まで走って筋トレをしているんですが、君沢(ユウキ)さんが「君は混ざらないのかい?」って顔で僕らの方を見てきます(笑)。混ざりたいけど僕らは各ルートのセリフを覚えるのに必死で混ざれていなくて、悪魔がどんどん合流して筋トレ会みたいになっていますね。

――ビジュアル撮影を振り返って、感想を教えてください。

平賀 すごく愛を感じました。撮影の時はアサトのタトゥーを手書きしてくださったり、褐色肌になるようにファンデーションを塗ってくださったり。細かい部分まですごくこだわってくださるのを見て、僕ももっと頑張らないといけないなと思いました。

前嶋 もちろん今までの現場でもプロの方々が集まっていた現場なのですが、今回もプロフェッショナルなチームになっていると思います!僕もさらに気合が入り、いい雰囲気で撮影できました。

――撮影時に何かディレクションはありましたか?

前嶋 「次はこういう表情で」というキャラデザを10ページくらい用意してくださっていたんですが、めくっていくとどんどんエッチなやつになって笑っちゃった(笑)。

平賀 (笑)。

前嶋 「攻めてるな」って思いました(笑)。

平賀 僕は割と無表情なキャラなのでやりやすかったです。裏話としては、撮影中はすごく腕に力を入れましたね。原作ファンの方が「違う」と思ったら舞台版への入りがマイナスになってしまうだろうから、ファーストインプレッションは大事だと思っていて。できるだけいいものにしたくて頑張りました。本番までにもっと仕上げたいです。

――気になるキャストさん、絡むのが楽しみなキャラクターを教えてください。

前嶋 (大崎)捺希くんも同じ事務所で、親しくしてもらっています。捺希くんの目って吸い込まれそうというか、お芝居をしている時に目を合わせると安心するんです。役柄的にも歌うたいはコノエと親密ですし、作中でもすごくいいところで出てくるので楽しみです。

平賀 僕はカンパニー内で最年少ですし、芸歴も皆さん先輩。稽古を重ねる中で色々な勉強ができそうで楽しみです。

前嶋 今、ライルートの稽古が終わってこれからアサトルートなんですが、台本が分厚くてすごく苦戦していたんです。そしたら君沢さんが気を遣ってブドウ糖(ラムネ)をくださってキュンとしました。声もいいし笑顔も素敵だし、元々かっこいいのにさらに魅力的だなって気になってます(笑)。

平賀 ちょっと(笑)。ルート変わっちゃうじゃん。

前嶋 実はゲームだとコノエがラゼル堕ちするルートもあるんですよね。でもだめだよね。

平賀 僕もラゼルルートに行かせないように頑張ります。あと、岡本(悠紀)さん演じるカルツとの絡みについて「楽しみ」という声もいただいているので、稽古で作り上げていきたいなと思います!

――ちなみに、前嶋さんが座長としてやりたいことは何かありますか?

前嶋 僕が引っ張っていこうというのは、ないかもしれないです(笑)。

平賀 ちょっと!

前嶋 座長だと考えすぎると周りが見えなくなりそうなので、自分らしさを大切にしたいです。その方が皆さんも乗っかってくれるんじゃないかと思います。

平賀 舞台は座長の空気感ですからね。

前嶋 一番大事にしているのは、やることは全部まっすぐ、等身大で。あとは弱さを見せるのも大事なのかなと思っています。

――最後に、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

平賀 原作が好きな方にも全部楽しんでほしいですし、良いものを見たと思ってほしいです。まだ原作を知らない方には、舞台の観劇後も『Lamento』の世界にハマって、是非ゲームも楽しんでいただけるよう頑張ります!ぜひご期待ください。

前嶋 ルート分岐によるそれぞれのキャラクターの魅力や素敵な音楽、ダンスそして殺陣と沢山の魅力がギュッと詰まった盛り沢山な作品です。『Lamento』の世界を余すことなく届けられるように頑張ります!

インタビュー&文/吉田 沙奈