ミュージカル『刀剣乱舞』 ~陸奥一蓮(みちのおく ひとつはちす)~|黒羽麻璃央 インタビュー

©NITRO PLUS・EXNOA LLC/ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

三日月宗近は、演じていない間も守護神のように
ずっと自分のまわりにいる存在

ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズの新作公演が、3月~5月に東京と大阪で上演される。ミュージカル本公演11作目の物語となる今作のタイトルは「陸奥一蓮(みちのおく ひとつはちす)」。三日月宗近役の黒羽麻璃央は、2018年夏の「阿津賀志山異聞2018 巴里」以来6年ぶりに「刀ミュ」の本公演に出演する。

「出演することが決まってからすごく楽しみで。早く脚本を読みたい、稽古がしたいという気持ちが日々高まっています。ビジュアル撮影をしたときも、鏡の中の三日月と再会してテンションがあがりました(笑)」

ミュージカル本公演で6年ぶりに三日月宗近を演じることへのプレッシャーはないという。

「演じる喜びのほうが勝っているんですよね。たぶん出演者の中で一番ブランクがあるから迷惑をかけてしまうかもしれないですけど、演出の茅野(イサム)さんのもと、早くお芝居がしたいです」

黒羽と三日月宗近役との出会いは、2015年に上演された、ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~のトライアル公演。

「オーディションを受けたときは、まだ原案の「刀剣乱舞ONLINE」もサービスが始まったばかりで、正直これだけ刀ミュが長く続く作品になるとは思わなかったですし、自分の中でこんなに愛着がある大切な存在になるとも思いませんでした。本公演でいうと6年間、三日月を演じていませんでしたけど、守護神のようにずっと自分のまわりにいる存在なので、演じていない間も体の中からゼロにはならない感覚です。『刀ミュ』がなければ、今の自分はいないと思います」

三日月宗近役を演じる際に一番大事にしていることは、「悲しいまでの優しさ」だと話す。

「優しさと悲しさって紙一重なところにあるんだなと、三日月を演じるたびに思います。優しい人というのは、悲しみをたくさん知っているから優しくなれると、教えてもらったような気がします」

22歳から演じ始めた三日月宗近を30歳で再び演じる心境は――。

「当時の僕は、背伸びをして無理して演じようとしていた部分があって、うまくいかなかったこともあったと思うんです。今、少し年齢を重ねて、もっと深く思っているとおりに演じられるんじゃないかなと、ちょっと自分に期待しています」

本作には、黒羽と同じく1作目から加州清光役を演じる佐藤流司をはじめ、すでに「刀ミュ」に出演している刀剣男士キャストが登場する。

「今回、刀剣男士キャストの中で僕が最年長になったんですよ。今までは、崎山つばさくん、北園涼くん、佐伯大地くんなど…頼りになるお兄さんがいたので、それはすごく不思議な気持ち。流司とは20歳の頃から10年ぐらいのつき合いなので、家族と共演するような感覚があって、今回は久々なのでちょっと恥ずかしい感じがあります(笑)。でも、皆さん一から関係値を作らなくていい人たちなので、何も心配はしていないです。むしろみんなの足を引っ張らないように、置いて行かれないように頑張らなきゃって(笑)」

最後に読者へ、意気込みと熱いメッセージをもらった。

「物語が大きく動いていくターニングポイントになる作品になると思います。刀剣男士を演じる濃いメンバーとともに(笑)、手ごたえのある作品を届けたいなと思っています。楽しみにしてくださっている皆様と同じくらい、僕も楽しみにしていました。シンプルに自分にできることやしたいことを全部詰め込んで、自分が観せたかったものをこの舞台上で表現して、最後まで三日月宗近として、やり抜こうと思っています。ぜひ久々の出陣を観にいらしてください!」

インタビュー&文/井ノ口裕子

※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載

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【プロフィール】

黒羽 麻璃央
■クロバ マリオ
2012年ミュージカル「テニスの王子様」で俳優デビュー。以後、舞台、ドラマ、映画、CMなど幅広く活躍。