“刀剣男士”が躍動する話題のシリーズ
新作公演は新撰組隊士の愛刀が登場する
写真撮影中も、漫才コンビ並みに息の合った掛け合いを見せる。
高橋「僕はまったく人見知りしないタイプ。グイグイ行っても、年上の有さんが優しく受け止めてくれる」
伊万里「大人の対応力です」
高橋「すぐ仲良くなれましたよね。正直、攻略しやすかったです。『刀剣乱舞』で言えば、大阪冬の陣ぐらい」
伊万里「〝攻略〞って、人をゲームみたいに言うな(笑)。で、大阪の冬の陣って相当早い段階だろ!」
爆発的人気のシミュレーションゲームを舞台化した、ミュージカル『刀剣乱舞』。そのシリーズ2作目となる秋の新作で初参加するのが、蜂須賀虎徹役の高橋健介と長曽祢虎徹役の伊万里 有だ。
伊万里「役に影響されてるのか、彼はよく僕をディスってきて(笑)小競り合いが始まる。でも『そう言いながらキライじゃないんだろ?』って言ったら『……うん』って」
高橋「プライベートのことはやめて!恥ずかしいでしょ!」
両者は同じ刀工から生まれたとされ、共に〝虎徹〞の名を持つが、新撰組局長の近藤 勇が所有していた長曽祢虎徹は、贋作という説が根強い。一方、真作の蜂須賀虎徹は名家・蜂須賀家に伝来されている。刀工やかつての主への思いも絡んでの複雑な背景は、刀剣が戦士の姿となった〝刀剣男士〞ならではの魅力だ。
伊万里「持ち主の歴史や逸話、性格などが反映されていることが多いので、近藤さんの気持ちになるっていうのもヒントのひとつかなと。荒々しく、でも繊細に。とはいえ、あんまり近づくのも違うんですよね」
高橋「そういう意味で言うと蜂須賀虎徹は、新撰組隊士が持ち主だったほかのキャラクターとは違う立場にいる。衣裳を見てもらえば、異質さは分かってもらえるかと(笑)。ひとり違うっていうのが、結構大きなポイントになると思います」
原作のゲームにも励んでいる最中。
高橋「ゲームには基本的に静止画しかない。だから右から左に歩くのも自分で想像する必要があって」
伊万里「決まっていないからこそ、ゲームをやっている人それぞれにイメージがあるということ」
高橋「だから万人に受けるのはきっと難しいけど、みんなのイメージに近く、かつ面白いものにしたい」
伊万里「そうだね。といっても長曽祢虎徹はレアキャラすぎて(笑)、ゲームで全然出せないんだけど!」
高橋「なんなら蜂須賀虎徹は最初から選べますから。……オイ、誰が〝すぐ会える刀剣男士〞だ!」
1部がミュージカル、2部がライブパフォーマンスという構成も斬新。ミュージカル初挑戦のふたりは今、楽しみと不安が入り混じった状態だ。
伊万里「前作〝阿津賀志山異聞〞のメンバーを尊敬しています。(セットの)大階段を自分のものにしての、あの仕事量! もはやアスリート」
高橋「神です、神! でもあのメンバーに負けない。超える!」
伊万里「長曽祢虎徹の衣裳は元々露出部分が多く、ボディーが衣裳ともいえるので(笑)、もっとガンガン鍛えていかないと」
舞台は、前作「阿津賀志山異聞」の鎌倉時代から、激動の幕末へ。新撰組隊士の愛刀だった新たな刀剣男士たちが、秘められたドラマ、より熱さを増したアクションで魅了する!
インタビュー・文/武田吏都
Photo/関口達朗
構成/月刊ローソンチケット編集部 7月15日号より転載
写真は本誌とは別バージョンです。
【WEBこぼれ話】
3月末に行われた製作発表や「阿津賀志山異聞」公演大千秋楽でのサプライズ出演でもお披露目された、新・刀剣男士の姿。かつての主や刀の背景を思わせつつの、オリジナリティ溢れる仕上がりだ。本文でも触れたが、「ボディーが衣裳とも言える」露出の多い長曽祢虎徹役の伊万里は、食事にも気を配りながらの体づくりに今から励んでいる。
高橋「有さんの体、ヤバいですから! 見せたいです。クリスティアーノ・ロナウドと張るぐらい」
伊万里「全然張れないわ(笑)。まだまだだわ」
そんな長曽祢虎徹に比べ蜂須賀虎徹は、「顔しか肌が露出してない感じ。手袋してるしブーツだし、熱の逃げ場がない(笑)」と高橋。
高橋「ビジュアルの再現度をすごく高めていただいて。ゆえに可動域が難しいことになってます(笑)。長い髪が肩の甲冑に引っかかって抜けない事態に陥ることもしばしば。敵よりも自分との戦いになっちゃう……っていうのは冗談ですけど(笑)、動きやすいように今もどんどん調整していただいてます。衣裳、髪型と仲良くすることが、僕の目標のひとつです!」
双方向と戦う(?)刀剣男士の熱きバトルを目撃せよ!
【プロフィール】
高橋健介
■タカハシ ケンスケ(左) ’94年、東京都生まれ。高校在学中に俳優としての活動を開始。’14年に舞台「ハマトラ THE STAGE‒CROSSING TIME-」、’15年にテレビドラマ「ウルトラマンX」で共に主演。
伊万里 有
■イマリ ユウ(右) ’88年、佐賀県生まれ。’10年より映像、舞台と幅広く活躍。近年の出演舞台に「美男高校地球防衛部LOVE!活劇!!」など。「ワンピースライヴアトラクション」でゾロ役を務めた。