©舞台『川越ボーイズ・シング』製作委員会

2023年に放送されたオリジナルアニメ『川越ボーイズ・シング』が、舞台『川越ボーイズ・シング』-喝采のクワイア-として上演されることが決定。舞台版ではボーイズ・クワイア部を指導する天才指揮者・響 春男の視点で物語が展開される。

本番を数日後に控える矢沢ひろし役の武本悠佑と白鳥修治役の加藤 将に本作について語ってもらった。

ーー舞台『川越ボーイズ・シング』-喝采のクワイア-の初日が迫ってきました！最初に出演が決まったときの心境を教えて下さい

武本　歌がとっても大事な作品だなと思いました。僕自身歌うことが大好きなのでタイトルを聞いた瞬間からワクワクしてました。

加藤　クワイアとは？って調べて合唱だと知ってワクワクして、すぐにアニメを一気見しました！

ーー原作は2023年に放映されたオリジナルアニメです。舞台化をするにあたり思われたことは？

武本　オリジナルアニメが原作となるこの作品を舞台化するということは、演じるうえでよりキャラクターの可能性や幅が広がるアドバンテージだなと思いました。

加藤　いつも原作ものを演じる時には原作となるマンガや小説、アニメをできる限りチェックします。そこで原作者の方や、声優さんが演じている役への想いを材料にして、自分に吸収させて一から役に向き合って作っていきます。今回は原作アニメを見ることでキャラクターたちの全体像を把握していきました。

ーー登場するキャラクターたちがどんな姿や声、表情を見せてくれるかも楽しみのひとつですが、原作にしっかり向き合われるからこその表現なんですね

加藤　アニメが原作の場合、舞台で同じキャラクターとして表現しようとすることもあるのですが、そのときは声優さんって凄いな、どれだけ時間をかけて作ってるんだろう？と思います。声だけなのにどこまでも深く考えているからこそキャラクターの滲み出るところまで持っていけるんだ！と感じます。自分が役を作りまくった後に声の出し方が近くなっていると気付く時もありますね。今回はどうなるのかお楽しみに！

ーー加藤さんが演じる“白鳥修治（トリちゃん）”はどんな男ですか？

加藤　自分の育ってきた環境での独特の価値観を持っている男だと思いました。僕はトリちゃんのマインドが好きなので、僕なりの解釈とアプローチで、トリちゃんの空気感が作れたらいいなと思っています。彼の人間味を感じていただけたら嬉しいです。

ーー武本さんが演じられる“矢沢ひろし（えいちゃん）”はめちゃくちゃモテるキャラクターですが重要視しているポイントは？

武本　モテるというのはルックスや清潔感も大事ですが、えいちゃんの中身から溢れる優しさや気配り、どれだけ仲間を思って行動できるか？舞台だからこそ表現できる部分がたくさん描かれていると思うので、丁寧に演じようと思っています。

ーー“矢沢ひろし（えいちゃん）”から見て、“白鳥修治”はどんな存在ですか？

武本　トリちゃんの明るさや無鉄砲なところが、気を遣わず自然体で一緒にいられるんじゃないかなと。えいちゃんにとっては太陽みたいな存在だと思ってます。

加藤　トリちゃんから見ると、えいちゃんは何でも出来る人。しかも努力家だし優しくてモテモテだし最高の人間だと思います。だけどトリちゃんは、そんなえいちゃんの求めている何かを本能的に理解しているとも思うんです。パーフェクトな人なんていないですから。

ーーえいちゃんとトリちゃんの絆って特別なような気がします。舞台でもそれが見れそうですね

加藤　なぜトリちゃんを演じる僕が、えいちゃんに対してそう思ったのかを教えたら面白くないので（笑）、舞台を観にきていただいて、皆さまに考えていただきたいです。なぜ、えいちゃんが天使（出井天使）とトリちゃんと親友なのか？問題として出しておきますね！

ーーいきなりクイズですね（笑）。舞台を見ると答えがわかると

加藤　そうです。ヒントはえいちゃんに足りないものです！

ーーめちゃくちゃ気になります。3人の仲の良さは羨ましいです。その雰囲気だと稽古も順調そうですね

武本　稽古場でブームが巻き起こってるのはパピコですね！

ーー出井天使役の今牧輝琉さんにもお話を聞きましたが、パピコのエピソードはそこでも出ていました

武本　放課後の買い食いみたいな感じで、みんな学生みたいにパピコでテンション上がってます。

加藤　キャストの仲がすごく良いんですよね。それもあって皆で何度も何度も苦労を乗り越えてきました！

ーー苦労ってところが気になりますね

加藤　本当に乗り越えてきました！（笑）。最高のグループになったな、いいメンバーが揃ったなと思っています！

ーークワイア（合唱）の部分はいかがですか？

武本　この楽曲はこういう風に使ってこんな魅せ方をするんだ！ってワクワク感が最後まで止まらないです。

加藤　クワイアって楽しいですね！歌いながらずっと踊るっていう状況で、皆でハード&キュートな振り付けをしながら頑張って歌っています。ミュージカルとはまた違う表現の仕方で新しいと思いました。

ーーYouTubeにアップされていたMV『LA LA LA』も楽しい仕上がりでした。撮影中のエピソードなどはありますか？

加藤　別現場での仕事の合間に集まって稽古していたので、撮影ではじめましての人もいたのですが、同じ釜の飯を食べた仲間のような存在にすぐになれました！

武本　待機する楽屋も学校の教室だったので、皆で机をくっつけてケータリングのご飯を食べたり、会話のレベルとかも含めて全てがまんま男子高校生でした（笑）。

ーーまさにボーイズ・クワイア部のノリだったんですね

武本　そうですね。まだ会って3回目とかのメンバーが多かったのに、一気に仲良くなったのも収録場所が学校だったおかげかな、と思っています。

ーー注目して欲しいシーンやこだわりの部分は？

武本　すべてのキャラクターたちの輝く瞬間が詰まったストーリーになっています。それぞれがピックアップされる瞬間、板の上に立っている役者一人一人が青春の輝き、痛み、苦しさ、楽しさ、それを背負っていく重みをしっかり伝達しあっている最高のカンパニーです。全部がオススメですが、特にそれぞれの抱える葛藤が描かれる部分に着目して欲しいです！

加藤　（指揮者役の）春男や天使、キャラクター達の成長をじっくり見ていただけたらうれしいです！とても感動する物語ですので是非観に来てください！

ーーありがとうございました

取材・構成／高畠正人