ⒸNITRO PLUS・EXNOA LLC/ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
“参騎出陣”の今作を
一言で表すならば“粋”
海外公演に野外ライブ、音楽番組への出演など、様々な広がりを見せるミュージカル『刀剣乱舞』(=刀ミュ)の新作公演は、シリーズ史上初の“参騎出陣”。ミュージカル本公演は刀剣男士6振りでの出陣を基本としているが、1振りで出陣する“単騎出陣”、2振りで出陣する“双騎出陣”をこれまで行ってきた。今作は新撰組副長・土方歳三が愛用したと言われる打刀の和泉守兼定と脇差の堀川国広、そして堀川国広の兄弟刀・山姥切国広、この3振りでの公演となる。約1年ぶりに刀ミュへ出演する和泉守兼定役の有澤樟太郎に意気込みを聞いた。
「シリーズに携わって長いのですが、その中で自分がやっていないのは少数での出陣。これまでの“単騎”や“双騎”の公演を羨ましく観ていたので、今作のお話を聞いたときは嬉しかったです。“参騎”になったのは予想外でしたが、良い意味で期待を裏切っていくのが刀ミュなので、新たな化学反応をお見せ出来ると思います。ミュージカル本公演の『江水散花雪』(2022年)のときに山姥切国広と和泉守兼定が会話するシーンもありましたし、そこで“参騎”での出陣のアイディアが挙がったのではないかな……というのは、僕の勝手な想像ですが(笑)。僕としては阪本奨悟くんが演じる堀川国広とも、加藤大悟くんの演じる山姥切国広とも一緒にいて居心地が良かったので、この3振りでの出陣はきっと面白いことになるだろうと思いました」
近年、数々の大作ミュージカルに出演して注目を集める有澤のミュージカル初出演作が、刀ミュシリーズ第2作の『幕末天狼傳』(2016年)だった。
「僕らは前作の『阿津賀志山異聞』大千秋楽公演の後にサプライズ登場したんです。そのときのお客様のリアクションは今でも忘れられない。泣いている方や隣同士で喜びを分かち合っている方、深々お辞儀されている方もいらっしゃって。とても愛されている作品なのだと肌で感じました。いざ公演が始まると、とにかく必死!公演期間中に嚴島神社での公演と「真剣乱舞祭2016」があり、上海公演もあったので、スケジュールもハードでしたね。でもその分、キャスト同士の絆が深まりました。今でも仲が良くて、誰かとご飯に行こうって話していると、いつの間にか全員集まっているくらいです(笑)。毎回熱い絆が生まれるのが刀ミュなので、今作でも皆とコミュニケーションを取って作品を盛り上げていけたら」
大型公演なども含めて2022年まで毎年刀ミュに参加してきた有澤。だが去年の「すえひろがり 乱舞野外祭」には出演せず、ファンからは寂しがる声も上がっていた。
※「すえひろがり」は八を丸で囲ったものが正式表記。
「この“参騎出陣”が発表されたときにファンの皆さんの喜びが伝わってきて、僕もすごく嬉しかったです!刀ミュに参加した頃は歴史の奥深さや情報量ばかりに頭を使ってしまっていましたが、作品に携わるたびに役や歴史のことがどんどん好きになり、知識や愛が深まるほどに楽しめる作品だなと思っています。和泉守兼定は、元の持ち主である土方歳三のイメージと良く似た刀剣男士だと思います。年齢を重ねれば重ねるだけ味が出てくると思うので、年を重ねながら演じるのが楽しみなんです。可能であれば三十歳を過ぎても演じていきたい役です」
有澤はもちろん、阪本と加藤も人気と実力を備えた俳優たち。初の“参騎出陣”をどう飾るのか、期待が高まる。
「毎回お客様が楽しみにしてくださって、クオリティの高いものをクリエイターさんが用意してくださっている以上、僕たちは期待を超えたものを見せなくてはいけないし、無難な感じにはしたくない。正直、プレッシャーはめちゃくちゃ感じていますが、この“参騎出陣”でしかできない特別感を大事にしてお届けしたいです。今作を一言で表すならば“粋”。3振りそれぞれの関係性の集大成や、この作品でしか見られないものをお見せできるのではないかと思っていますので、ぜひご期待ください!」
インタビュー&文/片桐ユウ
※構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
有澤樟太郎
■アリサワ ショウタロウ
’15年に舞台デビュー。近作にミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』、舞台『セトウツミ』など。