ステージ『エロイカより愛をこめて』Revival+鷲尾修斗×山崎玲央×佐藤友咲 インタビュー

©青池保子(秋田書店)1978/ステージ『エロイカより愛をこめて』2024

コミックの販売累計1000万部を記録する青池保子の大人気漫画『エロイカより愛をこめて』が、約1年ぶりにRevival+として装いを新たに再演される。舞台ならではの華やかな歌にダンスや演出が大好評!2024年7月26日(金)~7月29日(月)まで上演されるステージ『エロイカより愛をこめて』Revival+に向けて、少佐の部下役の鷲尾修斗、山崎玲央、佐藤友咲にインタビューした。
怪盗エロイカことドリアン・レッド・グローリア伯爵役の中山優貴と村田充演じるクラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐との爽快で美しい“怪盗&スパイ”活劇に今回も期待が高まる。

――鷲尾さんは前回に引き続き、部下A(アー)役ということですが、再演が決まった時の心境を教えてください

鷲尾 再演なんだ!って感じでした。続編やるのかな?と思ってたんで。でもまたあの『エロイカ』の世界観に自分も入れると思ったら嬉しかったですね。

――山崎さんと佐藤さんは今回からということですが、出演が決まったときの心境を教えてください

山崎 原作コミックとか前回公演のゲネプロ映像をYoutubeで見て知った時に、こういう美しい世界観に僕が入ってもいいんだって思ってすごくワクワクしました。

佐藤 僕は過去にこういうザ・ミュージカル!って感じの作品にあまり参加したことがなかったので、ミュージカル作品の舞台に参加ができるのがとても楽しみだなと思いました。

――原作を知らない方のために、それぞれの役どころを教えていただけますか?

鷲尾 部下A(アー)は基本真面目で、常に少佐のサポート役ですね。ただ…だいたい空回りする(笑)。僕らは少佐のために一生懸命なんですけどね。部下A(アー)は部下の中では1番しっかりしてるけど一番怒られるという中間管理職みたいな役ですが、でも、素敵なキャラクターです!

山崎 部下B(べー)は基本楽観的で、ちょっとサボり癖のあるキャラクターで、部下の中でも怒られたりしてる回数は多いのかなと。仕事はちゃんとしようとはするけど、不器用な役です。あと、原作では髪型がもじゃもじゃ頭で、ちょっとぽちゃっとした体型なので、今役作りでいっぱい食べてます(笑)。

佐藤 部下G(ゲー)は少佐が大好き。伯爵も大好き。美しい男性が大好きで、仕事はするんですけど、仕事よりも自分の美意識というか、美しいものに対する気持ちの方が強いのかなって感じがしますね。ビジュアル撮影の時も、ちょっと乙女っぽいポーズをたくさんさせていただきました!

――作品の見どころや、注目ポイント、前回と変わったところなど教えてください

鷲尾 フライヤーやビジュアルを見ていただければわかるように、すごい美しい世界観で、だけど不器用な男たちがステージ上を駆けずり回るという。ちょっとコメディ寄りの面白さもあったり、すごい惹かれるキャッチーな歌の数々だったりが魅力的だなと思います。歌も結構多くて全部で16曲あります。
前回との違いで言うと、部下たちのシーンや部下だけの歌が増えました。あとは「紫を着る男」役と「白クマ」役が一緒なので、そこの和合ちゃんのキャラチェンジも見ていただければなと(笑)。

佐藤 そういう意味では部下G(ゲー)も途中で早着替えがあるんですよ。まだ稽古でやってないんですけど。昨日稽古やってみた感じだとすごい尺が短そうで、これ着替えられるのかな~と思ってドキドキです。

鷲尾 前回と部下B(べー)と部下G(ゲー)のキャストが変わったので、また新しい部下たちのチーム感を感じていただきたいですね。

佐藤 そうですね。ほかにも時代が西ドイツ・東ドイツの時代なので、そういう意味ではレトロな部分だったり、現代にはない色合いが出せてるんじゃないかなと思います。

山崎 小道具の電話もダイヤルの電話だったり、珍しいものがたくさんありますよね。

鷲尾 そうだね。西ドイツ・東ドイツの殺伐としたというか、今じゃ考えられない、何かあったら戦争になってしまう状態というか、歴史の勉強にもなりますね。話の中でも、KGBとかCIAとかNATOとか色んな単語が出てくるので、ちょっとでもそういうところを知っていると、より楽しめるのかなと思います。

――ドイツといえば、前回少佐役の村田充さんはドイツ語の歌がありましたが…

鷲尾 今回もあります。

佐藤 稽古場であんなすごい歌を一観客としてたくさん聞けてめちゃくちゃラッキーだなと毎回思ってます。

鷲尾 しかも耳コピって言ってましたからね。でも歌だけじゃなくて、基本僕らからしたら、少佐のすべてが、少佐の一挙手一投足が全部見どころです(笑)!

――稽古場での雰囲気はいかがですか?何かエピソードはありますか?

山崎 エピソードというと違うかも知れないんですけど、基本部下たちと一緒にいる時間が多くて、今日も部下G(ゲー)と一緒に稽古場に来たり、部下A(アー)一緒に帰ったりしています。

佐藤 逆にボーナム(藤原祐規)さんとかは全然絡まない。

鷲尾 そうそう。ジェームズ(杉江大志)・ボーナムとは1回しか一緒のシーンがないから。

山崎 でも、ボーナムさんが今みんなのパパのような感じです(笑)。優しく教えてもらってます。

鷲尾 シーンでは絡まないけど、稽古場ではみんな仲良くやってます。真ん中2人(少佐役・村田充さん、伯爵役・中山優貴さん)が、稽古場の空気を作っているっていう感じはありますね。あ!前回と違うところは、前回よりも僕が充さんに突っ込めるようになりました(笑)!最近ちょこちょこご一緒させていただいていて、充さんが『なめ猫』の演出だったりとかなので、割とちゃんと突っ込めるようにはなりました(笑)。

――少佐は「鉄のクラウス」と言われれるほど厳しい上司ですが、実際の村田充さんはいかがですか?

山崎 最初はほんとに怖いイメージがあったんですけど、今はすごくユーモア溢れる人だなって思いますね。もう今はもうめちゃくちゃ面白い人というか、親しみがある感じです。

佐藤 僕は充さんと2回目なんですけど、充さんって意外とクールな感じとは裏腹に、おちゃめな一面もちょいちょい出してきてて、そのギャップが個人的にはすごい萌えポイントですね(笑)。僕も“ビジネス乙女”でやってる部分があって、それを充さんは知ってくださってるんで、シートマスクをくれたりとか、そういったお気遣いが嬉しかったですね。

鷲尾 僕は結構仲良くさせていただいて、大体なんかふざける時に充さんが振るのは、フッキーさんか僕かどっちかですね(笑)。でも、少佐に似てるのかなとは思いますね。たぶん少佐も仏頂面な感じだけど意外に優しいので。部下に対してもずっとミスしてんのにほっとかないし。もちろん僕らはもう中の充さんを知ってるから、優しいとかユーモアあるってわかるんですけど、たぶん第一印象が怖いとか、身長もありますし近寄りがたいイメージはありますよね。それが、少佐のイメージとぴったりというか。

――他の共演者の方で、この人と共演できて嬉しかったなどエピソードはありますか?

山崎 それこそ僕は、『なめ猫ロックショー!』を観に行ってたので、鷲尾さんと、エロイカ役の中山優貴さん、少佐役の充さんの3人と共演できたのがすごい嬉しいです。

鷲尾 『なめ猫』と全然イメージ違うけどね(笑)。僕は和合ちゃんが久しぶりだなっていう。前回は『文豪とアルケミスト』で一緒だったので。まぁ、今回は舞台上で一切出会わないんですけど。あとは、友咲ちゃんが『月ステ』で一緒にやってるんですけど、それ以外で共演がたぶん初だよね?

佐藤 そうですね~!だから『なめ猫』で修斗くんの生歌を初めて観て感動しました!しかも今回ミュージカルで共演っていうのが、すごい僕の中では嬉しいですね。

鷲尾 まぁ、ミュージカル俳優ですから(笑)。

プロデューサー “自称”が取れた!

鷲尾 いや、自称です!俺、去年の『エロイカ』の時も“自称ミュージカル俳優”って言ってんだよな。そっから始まったんすよ。そしたらなんかここのプロデューサーさんたちが歌のものしか仕事来ない。でも、歌は苦手ですね(笑)。

山崎 え~、全然苦手な感じしないですけど。僕も歌苦手なんですけど、ミュージカル俳優に教えてもらって今すごい引っ張ってもらってます。

鷲尾 苦手苦手。ほんと苦手よ。

佐藤 僕は結構ライブとかやってるんで、歌は好きなんですけど、ミュージカルって芝居する歌だから、勝手が違うっていうか、難しいなって。だから、苦手って言ってる人がちゃんとできてるのがすごいなと。

鷲尾 仕事だからね。ちゃんとやんないと。

佐藤 さすがミュージカル俳優!

――最後に、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします

鷲尾 前回と違うところも探しながら見れる楽しい作品だと思っていますので、ぜひぜひまた『エロイカ』の世界観に浸っていただければなと。あと前回すごいなと思ったのは、親子3世代で来ていただいてるっていうのが、ほかの2.5次元じゃありえないものなので。2世代までは2.5次元でも見るんですけど、3世代はなかなか見ないというか。なのでぜひぜひ、足を運んでいただければと思います。

山崎 リバイバルプラスということで、前作を超えて、そしていい意味で前作の良さを残して、皆様に素敵な歌声と素敵なお芝居と、そしてお帰りの際に何かの心に残るものが1つでもあればいいなと思ってます。紀伊國屋ホールでお待ちしております!

佐藤 僕と玲央くんは新キャストで入ってたんですが、僕や玲央くんでしか出せない色合いがあると思いますので、新鮮さを出せたらいいなと思っております。ミュージカルなので歌も頑張って、そして歴史ある作品なので、さっき修斗くんも言ったように3世代、下手したら4世代…があるかもわからないですけど、この作品がこれを機に続編だったり、あとはリバイバルリバイバルとか。

鷲尾 再々演?!続きやれよって言われるよ(笑)。

佐藤 たしかに(笑)。さらに盛り上がっていけるように僕も全力で頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします!

――ありがとうございました!

取材&文/トクモトショウコ


※山崎玲央の「崎」は「たつさき」が正式表記