ペダステシリーズ最終公演!舞台『弱虫ペダル』Over the sweat and tears|開幕コメント&ゲネプロ舞台写真をお届け!

会見写真:左より、待宮栄吉役:元木聖也、御堂筋翔役:新井將、真波山岳役:中島拓人、
小野田坂道役:島村龍乃介、今泉俊輔役:砂川脩弥、鳴子章吉役:北乃颯希、演出:鯨井康介

8月31日(土)にシアターHにてペダステシリーズ最終公演となる舞台『弱虫ペダル』Over the sweat and tears が開幕した。

舞台『弱虫ペダル』(通称:ペダステ)は、舞台化不可能と言われていた自転車競技を「ハンドルと役者のマイム」で再現させた革命的手法と、レースシーンでの演技の先を行く「本気の走り」で多くの人から称賛され、熱狂的なファンを生み出した。これまでに多くの若手俳優が出演し、昨今の「2.5次元舞台」が話題となるきっかけとなった作品のひとつだ。
2022年、舞台『弱虫ペダル』はシリーズ10周年を迎え、演出にこれまでのシリーズで手嶋純太を演じていた鯨井康介氏を迎えて、原作のはじめから、舞台『弱虫ペダル』The Cadence!(2022年)、インターハイ1日目を描いた、舞台『弱虫ペダル』THE DAY 1(2023年)、インターハイ2日目を描いた、舞台『弱虫ペダル』THE DAY 2(2024年)と上演。新シリーズのキャストたちによる新たな「ペダステ」は、多くのファンから熱狂的に迎え入れられた。

2024年8月から上演する新シリーズの第4弾公演であり、2012年から12年続いてきた「ペダステ」シリーズの最終公演である本作の熱量に乞うご期待!

初日を迎え、開幕に先駆けて行われたオフィシャル会見でのキャストコメント、ゲネプロ舞台写真が到着した。

キャストコメント

小野田坂道 役:島村龍乃介
僕の中で最も体を動かしてきた作品が「ペダステ」です。正直大変だったりするときもありましたが、走り切ったときの達成感はこの作品でしか味わえないものでした。素晴らしい景色を「ペダステ」で見せていただきました!今作ではようやく真波と一緒に走ることができるので、ふたりの勝負にぜひご注目ください。このインターハイ3日目は、1日目と2日目に力を温存していたメンバーも全力で走りますし、みんなの走り全てが見どころです。ゴールを目指して走る熱い姿を生で見ていただきたいです。ぜひ劇場で熱量を感じてください!

今泉俊輔 役:砂川脩弥
ここまで気持ちが熱くなる舞台は「ペダステ」でしかないもの。この気持ちを知ることができて良かったですし、カンパニーの皆さんや「ペダステ」ファンの皆さんと出会えたことも嬉しかったです。4作品通して同じ役を演じられるのは貴重なことなので、とても思い入れがあります。自分の命をすり減らしてでも今泉俊輔として走りたいと思います。見どころとしては、レースの中で仲間に託して、預けられて、守られて……という事が表現されているシーン。このインターハイ3日目まで走れるのはファンの皆さんのおかげです。その応援に応えられるように精一杯頑張ります。

鳴子章吉 役:北乃颯希
「ペダステ」は“熱量”ナシには語れない作品です。それを教えてくださったのは、これまでシリーズを支えてくださったスタッフさんや、鯨井康介さんや河原田巧也さんを始めとする先輩キャストの方々。その熱量を引き継いで最終作に立てていることが、僕にとっての宝物です。今回は鳴子が田所の背中をしっかりと見届け、チームのために“鳴子劇場”を完走します!兼ね役もたくさん演じていますので、ひとつも見逃さないでいただきたい。皆様と一緒に涙と汗の向こう側を見られたらと思います。頑張って二階席まで汗飛ばしますので、我々の汗を存分に浴びに来てください!

真波山岳 役:中島拓人
「ペダステ」に出て良かったと思うことはたくさんあるのですが、特に思うのは強制的に痩せられることです(笑)。そして今回、真波山岳として初めてがっつり走ることで、舞台袖からの応援が本当に力になるのだと知りました。応援してもらうって、こんなにも力をもらえることなのだと学べたことも大きいです。小野田坂道役のりゅう(島村龍乃介)とは、新シリーズの始まりとなった「The Cadence!」のときから「一緒に最後を走ろうね!」と約束していたので、やっと叶う今作を楽しみにしてきました。シリーズ最終作ですが意識し過ぎてプレッシャーや重荷に感じないように、ただただ自由に走りたいと思います。ぜひ劇場で本物の人間たちの汗と呼吸を感じてください。

御堂筋翔 役:新井將
今までで一番、没入できる役と出会えました。この役に出会えたことが僕の財産ですし、鯨井康介さんとみんなで一緒に作ってきた役ですので、最後まで大切に演じていきたいと思います。個人的には可愛いサプライズもありますので、お楽しみに。僕を含めてキャスト全員2時間45分、集大成の走りをしています。全力の走りでバトンを繋ぎ、それが連なってひとつの作品に仕上がっています。「ペダステ」は12年間にわたって作り上げられてきた伝説。その強大な伝説を越えようと、僕たちは一丸となって走ってきました。この「Over the sweat and tears」なら全てを踏襲した上でその先へ行けると確信しています。泣いても笑っても今作が最後。悔いのないように潜れるところまで潜って、好きなように好きなだけ笑って泣いて、泳ぎ切りたいと思います。

待宮栄吉 役:元木聖也
「ペダステ」初参加として、新しい風を吹き込めたらと思っています。相棒である井尾谷諒役の熊沢学と一緒に、たくさん盛り上げていますので楽しみにしてください。「ペダステ」の話は昔から耳にしていましたが、噂通り本当にキツイ(笑)!でも熱いスポ根が魅力だなと思います。座組は男子校の部活のような雰囲気で、演出の鯨井康介くんが顧問の先生みたい。自分の高校生活を思い出したので、皆さんにも学生時代を思い出していただき、温かい気持ちになってもらえたらと思います。こんなに面白くて熱い舞台があるのかと、僕自身もビックリしています。たくさんの方に見ていただきたい!熱く燃えている男たちがお互いに励まし合いながら、本物の汗を流して息を切らして、魂を懸けている舞台です。呼吸を感じられるのも舞台の醍醐味ですので、ぜひシアターHで感じていただきたいです。

演出:鯨井康介
役者一人ひとりが、サブタイトル通りの熱い走りを稽古場から続けてきました。フィジカルや本物の涙、汗。そして涙と汗の向こう側を皆様に見ていただきたいなと思います。「ペダステ」の集大成……と言うとおこがましいかもしれませんが、レース演出協力の河原田巧也と共に考え、様々な演出要素を取り込ませていただきました。これまでのファンの方々もお楽しみいただけるのではないかと思っています。「ペダステ」は座組全体が作品を愛していて、僕が新シリーズの演出を任せていただいたことにも作り手の“愛”のようなものを感じています。西田シャトナーさんが作り上げたものを継承して、新たな気持ちで作っていこうと前向きな気持ちでやってきました。この作品に出会えたことで素晴らしい経験をさせていただき、演出家として素晴らしい人たちに出会えました。この4年間、この1ヶ月の全てが宝物で、全てのものに感謝しております。僕が前シリーズで演じていた手嶋純太の大好きなセリフに、「頑張らないと期待なんかされない」という言葉があります。この座組全員、頑張りに頑張っています。ぜひご期待ください。劇場でお待ちしております。

舞台写真

ゲネプロレポート

ハンドル一本でロードレースを舞台上に描き出す、その表現技法が驚きをもって迎えられ、大きな感動で受け入れられた「ペダステ」。観客の応援を力に12年間駆けてきたシリーズの最終公演だ。

怒涛の走り出しで、劇場は瞬く間にインターハイ3日目の熱気に包まれる。総北高校、箱根学園、京都伏見高校。三つ巴かと思われたレースに、新たな刺客として待宮栄吉率いる広島呉南工業高校が登場。待宮は後方集団を操り、チームの垣根を越えて隊列を組む「協調」によって先頭を狙う。「集団」の迫力や「協調」の強みなど、「ペダステ」ならではの表現が続々。本役と兼ね役を往復しながら登場し続けるキャストもおり、総力戦の覚悟がみなぎる。

しかし総合優勝を狙う最終日は、一枚のジャージを誰よりも早くゴールに届ける戦い。レースが進むにつれて一人、また一人と力を使い果たしたメンバーがチームから離脱していく。己の全てを込めて走り切った選手からこぼれ出る本音と、それを受け止める仲間たち。それぞれの想いが全身から伝わってくる。鳴子章吉の意地、今泉俊輔の成長、御堂筋翔の矜持。真波山岳が魅せる羽ばたきと、全てを託されてひたむきに走る小野田坂道。

楽曲が選手を鼓舞し、照明が道を照らす。パズルライダーたちがスロープを巧みに動かし、レース展開を作る。走りや演出、見せ方全てに積み重ねてきた歴史が感じられる。土台を大切に磨き上げ、更に重ねる努力を欠かさなかった座組の力だ。そしてたやすく乗りこなせるものではないその土台に、今作のキャストたちはしっかりと立っている。実感を込めてセリフを発し、全力を振り絞って走っている。この生身の熱量こそ「ペダステ」最大の魅力。涙と汗の向こう側を目指してひた走る、彼らの輝きを劇場で感じてほしい。

文/片桐ユウ