舞台「鴨乃橋ロンの禁断推理」|岸本勇太 インタビュー

推理禁止の名探偵
「トトとの掛け合いを大切にしたい」

ある事件をきっかけに「推理」することを禁じられた名探偵・鴨乃橋ロンは、若手刑事・一色都々丸との出会いにより、特別な方法で探偵業を復活させる。原作は天野明による人気マンガ。舞台版でロン役を演じる岸本勇太は、天野明の『家庭教師ヒットマンREBORN!』の舞台版にも出演経験があり、本作に縁を感じるという。

「僕はリボステ(舞台版『~REBORN!』の略称)で雲雀恭弥役をさせていただいたので、巡り合わせを感じたというか、こうしてまた天野明先生の作品に出られるのは、たまたまとは思わなかったです」

王道の探偵ものである一方、「推理」することを禁じられた探偵のロンがどうやって事件を解決していくのかも物語の魅力だ。

「原作を読む前は、ハードな事件が起きる重い話なのかなと思ったのですが、読み進めるうちにコメディ要素もあって、とても舞台映えする作品なんじゃないかとシーンを想像しながら読み進められました。一番の見どころはロンが事件を解決するシーンだと思いますが、そこは必然的にカッコよく演出されると思うので、僕は原作やアニメでは描かれていない部分に想像を膨らませて、うまく表現できたらなと思っています」

物語の鍵となるのは、推理ができないロンと行動を共にする「トト」こと一色都々丸刑事の存在。バディ物としての見せ場も多い。

「トトとの掛け合いがこの作品では大事だと思います。ドラマが重くならないためにも、ふたりのやり取りをテンポよくやれたら、ロンの愛されポイントとか可愛さが出るんじゃないかなと思います。トト役は今回が初共演となる野嵜 豊さん。僕は最初に会話はいらないと思っていて、お芝居で会話をしていくことでお互いの核となる部分を掴めていければなと思っています」

ロンはかなりぶっとんだキャラクター。生身の人間が演じるのはかなり大変だ。

「常人じゃないことは予想していましたけど、そっちの方向のぶっ飛び方だったんだなと(笑)。ただ、僕が普段演じさせていただいているキャラクターも二面性がある役が多いので、生身の人間がやるからこそ感じられるプラスアルファを見せられればなと」

本公演は18歳以下の子供は無料で招待する企画も実施。幅広い層のファンが楽しめる作品になりそうだ。

「僕が18歳の頃は、まだ生の舞台を見たことがなかったので、この機会にエンターテインメントに興味を持つきっかけになってくれれば良いと思います。原作に最大限のリスペクトを置きつつ、2.5次元化する意味を感じてもらう舞台にしますので、皆さんもいろいろ想像しながら劇場に足を運んでください。その想像を超えていく作品にします」

インタビュー&文/高畠正人 Photo/中田智章

※構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載

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【プロフィール】

岸本勇太
■キシモト ユウタ
ダンスボーカルユニット龍雅-Ryoga-のメインボーカリストとしてデビュー。現在は舞台を中心に数多くの作品に出演する。