舞台『アオペラ』|桑原柊×畠山理温 インタビュー

「青春」×「アカペラ」というコンセプトで2021年から始動した音楽原作プロジェクト「アオペラ -aoppella!?-」が、2024年に初の舞台化。歌唱力抜群のキャスト陣が集結し、舞台上で披露される生のアカペラにも期待が高まる。

アカペラ稽古は年明けからスタート。舞台オリジナルアカペラ楽曲「響」PVが話題となる中、本作が2.5次元舞台初挑戦となる紫垣 明役の桑原 柊と、舞台初出演となる四方ルカ役の畠山理温に話を聞いた。

――お二人はオーディションで役を射止められたとのこと。オーディションを振り返ってみていかがですか

桑原 僕は作品全体のオーディションの途中で紫垣 明くん役のオーディションに声をかけていただきました。印象的だったのは歌唱審査。「もう少しこうやって歌ってみようか」とレッスン形式で歌を聴いてもらえて。そういう時間を取ってもらえることってなかなかないので、すごく記憶に残っています。

畠山 実はオーディション前日までハワイに行っていて。ハワイ帰りのいい感じのバイブスをオーディションにぶつけられた気がします。ピアノで音程を探りながら練習してオーディションに臨んだのですが、他の参加者の歌を聴いたら練習していた音程が間違っていたことに気づいて。「やばいやばい」と思いながら、他の人の歌うキーを吸収しながら、練習したものをぶつけるという感じでした。

――そうして射止めた紫垣 明役と四方ルカ役。お二人は2.5次元舞台初挑戦、畠山さんは舞台初挑戦という中で、どう役と向き合っていこうと考えていますか

桑原 2.5次元作品はキャラクターのイメージが確立しているという点で、プレッシャーや葛藤もありました。でも、これまでも割とキザな役柄が多かったので、今までの引き出しから活かせるものも多いんじゃないかなと思います。明くんは、女の子大好きでムードメーカーで騒がしいタイプの子ですが、人間が大好きなんだろうなと。人のために行動できて、誰も置いてけぼりにしない優しい人という部分がぶれないように、演じていきたいなと思っています。

畠山 演技に対しては大きな声で自信がありますとは言えませんが、歌に関しては自信があるなしではなくて、すごく大好きなんです!なので、初めての演技と一緒に、大好きな歌があるということでワクワクしています。ルカくんは、僕と真逆の微笑み王子なキャラクター。僕自身にはない部分なので、演じるのは難しそうだなと思っています。反面、そういった人物に憧れもあったので、作品を通してルカのようなキャラクターを経験できることが楽しみです。

――アカペラ練習は年明けからスタート。初挑戦のアカペラの手応えや、それぞれが所属するFYA’M’・リルハピの雰囲気を教えてください

桑原 まだ手応えを掴めた感覚はないです。ただ、普通に歌うよりも周りを意識しないといけないからこそ、バンドの団結力も生まれるし、その日のみんなのコンディションによって周りの声の聴こえ方も自分の歌い方も変わってくるので、みんなを感じながら歌えるのが楽しいですね。FYA’M’の雰囲気としては、アットホームではありますが、リルハピよりも先輩グループなので、その部分への責任感や緊張感をそれぞれが持っているなと感じています。

畠山 音楽が大好きなので、アカペラも楽しく練習できています。僕、普段から声質で聴く音楽を選ぶくらい歌声が好きなんですよ。みなさん当然すごくいい声なので、一緒に歌っていると「この声好きだな」と思った人のパートを真似して歌いたくなっちゃう(笑)。そこは苦戦しているところですね。リルハピは僕だけ年齢的にも経験的にも弟という感じ。今は4人のお兄さんに助けてもらってばかりなので、このまま甘えっぱなしじゃよくないなと。頑張ろうかな……違うな、頑張りましょう。

桑原 それも違くない?(笑)。

畠山 「頑張ります!」だ!

一同 (笑)。

――プロフィールからもお二人が音楽好きなことが窺えます。普段はどんな音楽を聴いていますか

畠山 そのときのテンションに合った曲、例えば落ち込んでいるときにしか聴かない曲とか、雨を楽しみたい日に聴く曲とか、ジャンルレスに聴きます。ヒップホップも聴くし中島みゆきさんも聴くし、ロックも聴く。ベースにはハナレグミさんやUAさんの音楽があって、そのあたりはもう体に染み込んでいますね。

桑原 僕は小さい頃からミュージカルが好きでたくさん観てきたので、ミュージカル楽曲を聴くことが多いですね。グランドミュージカルというよりかは、ロックミュージカルみたいなものが好きで、ミュージカル『RENT』の楽曲とか大好きです。あとはK-POPやR&Bもよく聴きます。

――高校生たちの青春を描く本作。“青春の想い出”と言われて思い浮かぶエピソードは?

畠山 高校時代がコロナ禍とちょうど被っていて、あまり学校行事などもできなかったのですが……。その中でとくに青春だなと思ったのは、友達と集まって自転車で意味もなく10km以上走って河原まで行ったことですね。しかも1回だけじゃなくて、2週間くらい連続で(笑)。何をするわけでもなく、本当に自転車で行って帰ってくるだけなんですが、今思い返すとすごく青春っぽいイベントでしたね。

桑原 めちゃくちゃ青春じゃん!僕は高校生の頃はユニット活動をしていたので、毎日レッスンして、週末はイベントや撮影をして……という感じで、本当に毎日集まっていました。今思うとそれが第二の学校みたいですごく青春だったなと思います。

――ルカや明たちの高校生活はお二人にはどう映っていますか

畠山 羨ましいです!僕は部活もやっていなかったし、コロナ禍じゃない高校生たちのワチャワチャ感ってこんな感じなんだと。

桑原 僕も仕事があったので部活はやっていなくて。本当に憧れの高校生活ですね。

――もし、今高校生に戻って部活に入れるとしたら?

畠山 (挙手)はい!

桑原 急に挙手するじゃん(笑)。

畠山 バスケ部です!中学生の頃は、背の順で一番前になるくらい小柄で。でも、自分がここまで身長が伸びるって知っていたら絶対バスケやってたのに……って思うんですよ。(『SLAM DUNK』の)三井 寿と同じ身長なので、3ポイントシュートばっかり練習したい(笑)。

桑原 僕は中学時代にバスケ部だったので、文化部に憧れがある。今なら軽音楽部とか入って、バンドとか組んでみたいですね。

――では最後に、公演に向けての意気込みとファンへのメッセージをお願いします

畠山 お客様を楽しませたいという気持ちはもちろんのこと、まず最初に僕自身が楽しむということを意識したいと思っています。そのうえで、お客様を楽しませられるような形に持っていきたいと思っているので、ぜひ楽しみにしていてください!

桑原 アカペラ初挑戦で、不安や緊張もありますが、キャスト一丸となってがむしゃらにアカペラというものに向き合っています。僕も精一杯、紫垣 明くんを演じられたらと思っています。頑張ります!

インタビュー・文/双海しお
撮影/村上宗一郎