ライブは芸人としてのライセンス更新!
2011年からライフワーク的に全国各地で開催している「山里亮太の140」。山ちゃんが今、感じている思いや直面している出来事などをしゃべりつくすトークライブだ。
「当時のマネージャーが『人生をかけてできることを』って考えて、作り出してくれたものなんですよ。ゆくゆくは古舘伊知郎さんのトーキングブルース、鶴瓶師匠の鶴瓶噺みたいになればって。おかげさまで、今もずっと続けられています」
ライブでは山里自身のSNSポストを振り返りながら、140文字に収まりきらない思いや本音などをぶちまけていくが、昨今のSNS環境の変化も感じているという。
「昔とは変わりましたね。SNSって戯言の集まりだということを、どこか忘れてしまっているんじゃないかな。昔はアンチに反応することもエンタメになって、ライブで話すこともできたけど、今では致命傷になりうる。本音を受け取ってもらえる場所って、結局ライブだけになってきちゃうんですよね」
ライブだからこそ言える話を、13年間にわたって全国各地で語り尽くす中で、ライブに向かう心境にも変化があった。
「昔は“伝えたいこと”よりも“面白くすること”への比率が多かったように思います。ライブとしてのギミック的には、こう見せた方が面白いんじゃないかって考えることに比重が傾いてました。だけど今は、伝えたいという自分自身の感情に直結させていることの方が多くなりました。両方とも今もある気持ちなんだけど、その比率は結構変わりました」
山里自身にとっても特別なライブだからこそ、来てくれるお客さんへの想いも特別だ。
「本気で、お客さんともっと仲良くなりたいんですよ。皆さんも“共犯者”です。テレビでもラジオでも言えない、このライブだけで言えること…今思っていること、見ていること、聴いていること…その全部を言ってますから。お客さんとの信頼関係がこの13年で培われていて、その期待があるからこそ、僕もブレーキを踏まない。一番安心できる場だし、緊張感もある場です」
本音をぶちまけ、全国の観客と交流していくこのライブの場を、山里自身は「芸人としてのライセンス更新」だと語る。
「笑い声を聞かせてくれると、お前は芸人をやっていいんだよ、とハンコを押してもらえているような感覚になる。だからこそ、一番いい状態であなたの住む街に行って毎回ベストを更新し続けていきます。ダイレクトに自分の努力の答えが返ってきて、芸人としての燃料を補給できるんですよ。その恩返しのために、またライブをやって…そういう永久機関として走り続けていく。それがこの140っていうライブです」
インタビュー&文/宮崎新之
※構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載
※写真は誌面と異なります
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
山里亮太
■ヤマサト リョウタ
南海キャンディーズのツッコミ担当。お笑いタレントに加え、司会者、声優、ナレーターなど幅広く活躍する。