『Ombres Portées/キャストシャドウ』演出・振付を務めるラファエル・ボワテルからコメント到着(トレーラーあり)

現代サーカス界を牽引するラファエル・ボワテル率いるカンパニー・ルーブリエ、6年ぶりの来日公演!

フランスの現代サーカス界を牽引する存在として異彩を放つ演出家・振付家のラファエル・ボワテル
日本を拠点とするサーカスアーティストとの国際共同制作による『フィアース5』(2021、23年)の演出も記憶に新しい彼女が率いるカンパニー・ルーブリエが、6年ぶりに世田谷パブリックシアターに登場する。
ラファエルを中心に2012年に設立されたカンパニー・ルーブリエは、演劇、ダンス、音楽、映画といったさまざまな表現をボーダーレスに取り入れた“総合芸術”としての現代サーカスと、オリジナルの装置によって生み出される唯一無二のパフォーマンスで、各国の観客を魅了しているダンスカンパニーだ。2019年の初来日公演『When Angels Fall/地上の天使たち』では、ディストピアと化した世界を舞台に、希望を求めて立ち上がろうとする人々の内なる強さを圧巻の空中パフォーマンスとともに力強く描き出し、日本の観客に衝撃を与えた。

本作、『Ombres Portées/キャストシャドウ』は、迫力あるサーカスアクトとともに、演劇、ダンス、映画、そして言葉が混ざりあって描かれる、秘密と不穏をまとった家族の物語。言葉と肉体が交錯する現代サーカスの新境地を、ぜひ劇場で体感しよう。

ラファエル・ボワテル(演出・振付)コメント

このたび、『Ombres Portées/キャストシャドウ』を世田谷パブリックシアターで上演できることを本当に嬉しく思っています。
『Ombres Portées/キャストシャドウ』は非常に濃密な作品です。サーカス、ダンス、演劇といった様々なジャンルが融合されており、非常に映画的な演出で、スタイリッシュな人物たちが登場します。
これは家族の物語、家族の秘密、そしてその秘密がそれぞれの家族に与える影響を描いています。
家族とは、心地よく安心できる場所、繭のような存在です。でも私は、時に家族の中で眠っているものが、目を覚ます必要もあると思ったのです。
そのすべてが、詩的な美しさと光に満ちた瞬間、そして同時に本当の緊張感とドラマを伴って描かれます。それぞれの内面へと深く潜り込んでいくような瞬間、光が身体を彫刻のように浮かび上がらせ、音楽が観客の心をつかむ瞬間があります。
この作品を観るのに、特別な説明書は必要ありません。ただ受け取って、感じてもらえればいいのです。誰もがきっと、自分自身をこの作品の中に見出せると思います。
なぜなら、それは「人生」について語っているからです。

ラファエル・ボワテル(演出・振付)コメント動画

カンパニー・ルーブリエ/ラファエル・ボワテル『Ombres Portées/キャストシャドウ』トレーラー

『Ombres Portées/キャストシャドウ』とは

光に照らされ、影とともに立ち現れる言葉と肉体が交錯する現代サーカスの新境地

『Ombres Portées/キャストシャドウ』は、クラウド・スウィング、コントーション、アクロバット、エアリアルなどの迫力あるサーカスアクトとともに、ラファエルの作品ではこれまでになかった“言葉”が役割を持って登場する。身体表現、演劇、ダンス、映画、そして登場人物たちの紡ぐ言葉が交錯しながら、まるでひとつの夢をみているかのように物語が作り上げられていく。
タイトルの「キャストシャドウ」とは、ビジュアル・アートにおいて、光を受けた物体によって別の物体の上に落ちる影を指す言葉。ラファエルの最大の理解者であるトリスタン・ボドワンによる芸術的な照明と、アルチュール・ビゾンによる音楽の中、光と影が織りなす舞台空間で、パフォーマーたちが家族、秘密、変わりゆく運命を圧倒的な身体表現で体現する作品世界は、息をのむほどの美しさに満ちている。

写真左「(c)Pierre Planchenault」/ 写真右「(c)Christophe Raynaud de Lage」