世界観客動員800万人を超える、驚異の和太鼓エンターテイメント集団「DRUM TAO」。和太鼓のみならず篠笛、三味線、琴などの和楽器を奏で、さらにアクロバットパフォーマンス、デジタルアートなどとのコラボレーションにより音楽を表現する新時代の「THE日本エンターテイメント」集団として国内外より評価されている。
2020年は3チームで国内外のツアー1,000公演を予定していたが、新型コロナ感染症拡大防止のため断念するも、配信ライブなど新しいチャレンジを精力的に行ってきた。同年9月には本拠地である大分県に常設野外ステージ「TAOの丘」をオープン。大自然とコラボレーションした特別なステージをほぼ毎日観られるという地域を代表する新しいSPOTが誕生した。2021年は感染症拡大防止措置を図りながら徐々に公演も再開。5月より新作「光」の公演もスタートしている。
7月から2021年東京アラウンドツアーと題して7/3(土)TOKYO DOME CITY HALLでの公演を皮切りに7/11(日)まで6日間、全8公演を行う「DRUM TAO」より、岸野央明、江良拓哉、麓大輔の3名のメンバーが登壇し、彼らの本拠地であるTAOの里から中継で合同取材会を行った。
――2020年の活動を振り返っていかがでしたか。
岸野「ひと言でいうと本当にファンの皆様、関係者の皆様に感謝する1年だったと思います。4月にメンバー数名が新型コロナに感染してご心配をおかけしましたが、何とか7月から公演を再開することができて、本当に奇跡的なことですが、そこから3チームで合計274回もの公演を行うことができました。僕らの力だけではとても無理なことだったので、本当にファンの皆様、関係者の皆様に助けられた1年でした。そして「TAOの丘」という新しい施設を作って、厳しい時期にも関わらず多くのお客様に足を運んでいただけたことにすごく驚いたのですが、ここでもお客様から元気をもらいました。本当に感謝の1年だったということで、新作舞台「光」はその感謝の想いをかたちにすることを1つのテーマとして制作しました。そして今ツアーを開始しています。」
――「光」をテーマにした背景や理由、制作のきっかけなどを教えてください。
江良「このコロナ禍で本当にたくさんの方から支援をいただいて、僕たちがどのようにして恩返しができるのか、ファンの方からたくさんのメッセージをいただく中で、何とかその想いを形にしたいと思って今回「光」を制作してきました。いま世界中のいろんな人が傷ついていると思うんです。僕たちもクラスターが発生して、本当に存続の危機にまで行ってしまった。その中で『それでも、前へ!進む!』と活動テーマを決めてやっています。僕たちは演奏することしかできないですが、演奏を通して少しでもたくさんの人に「元気をもらった」とか「勇気をもらった」とか、そういう思いを抱いていただけるように、観に来たお客様にとって僕たちが「光」と感じてもらえるような作品を作りたいと思って制作をしてきました。」
――5月からスタートした新作「光」ですが、ちょうど1カ月経って出だしはいかがでしょうか?
麓「この1カ月、より良い作品にするために毎公演内容を変更したりしてブラッシュアップしています。1度観たお客様でも次に観たときに「ここが変わっているな」とか、そうした楽しみ方もあって、何回観ても楽しい作品になると思います。これからもこの作品はどんどん進化していくと思いますよ。」
――今は九州を回られているところですが同じ九州でも地域によって反応はちがいますか?
岸野「ちがいますね。」
江良「僕たちの演奏の内容にもよります。」
一同「(笑)」
江良「何回か繰り返していくうちに演奏も少しずつ形になってきて、観客の皆さんの反応を貰いつつ・・・」
岸野「そうそう。反応をもらいつつ変更を繰り返していって。(麓が)先ほど言ったんですけど、1日2回公演の1回目と2回目の公演でも全然別モノだったりするんです。」
江良「結構SNSで書き込みがされていて、毎回ご覧になっているファンの方も最初の頃と比べると全くちがうショーだというのを書かれていたりします(笑)」
麓「熟練したファンの方には『流れがよくなってきたね』とか」
岸野「こないだなんかは1回目が、こういう言い方すると変ですけど(内容が)すごく良かったみたいで、その日の2回目の当日券がバカ売れしたらしいです(笑)」
――今回ステージ上で何か新しい取り組みなどされていますでしょうか?
岸野「楽曲も舞台装置も衣裳も新しくなっているから全て新しいんですけど・・・。」
麓「個人的なことですが髪色が緑に変わったんです。これは僕だけじゃなくて他のメンバーもピンクだったり紫だったり青だったりいろんな髪色がいるんですけど、髪色も変わって舞台がカラフルになった印象があります。」
江良「昨年はどちらかというとちょっとシックなイメージの作品だったので。今回は「光」というテーマもあって、もちろん頭の色も変わったんだけど、衣裳も舞台装置もキラキラ輝いて見えるような感じになっています。」
麓「舞台装置も変わったよね。」
岸野「これは厳密にいうと本当に新しいわけではないんですけど、20年くらい前にTAOで使っていたインドネシアのジェゴグという楽器があるんですが、それを久々にステージに取り入れていて。その不思議な世界観というか、今回の作品には欠かせない楽器で見どころの一つです。」
――20年前というとお三方はほとんど使っていなかったというか、そもそも見ていない?
岸野「僕はかろうじて入団した日に見た程度です。奥にあったものを久々に出して来てというような。」
――どなたがジェゴグをもう一度使おうと言ったのでしょう?
江良「自然に発生したような気がしますね。楽曲のコンセプトだったり。」
麓「確かに。」
岸野「“神秘的な”というキーワードから、みんなでブレストする中であれを試してみようというような。それがスタートだった気がします。」
――衣裳についても教えていただけますか?
江良「実は今回の作品で着ている衣裳は昨年着るはずだった衣裳なんです。毎年コシノジュンコさんに衣裳をデザインしていただいているんですけど、昨年はオリンピックが開催される予定だった年で、僕たちもTAOなりの「祭」っていうイメージで作品を作っていたんですが急遽テーマを変更したので。」
岸野「その時にもう作っていたんだよね。」
江良「そう、それを今回の作品で着ています。それを着てみんなが演奏することで「光」というテーマの中で明るさを表現したくて。」
岸野「合うね。」
江良「うん。合う。ちょっと前の賑やかなTAOというか、派手な感じの。今は映像とか使っていないんですけど、すごく派手な雰囲気が演出されていると思います。」
――コンセプトの「光」に合うような、舞台がばっと明るい感じですね?
岸野「はい。明るいです!」
――都内だけを回るツアー公演をされるのは珍しい形態だと思いますが。
岸野「いろんな人に観に来てもらえるいい機会になるということを狙っています。近くに来るんだったら行ってみようということがあるんじゃないかと思っていますね。TAOが初めての方もこの機会に是非観に来ていただけたらいいなと思います。」
――同じ都内とはいえ会場毎にサイズ等も異なると思うのですが、舞台に立つ上で大変なことはありますか?
岸野「毎回リハーサルをします!」
一同「(笑)」
江良「サイズの大小に関わらずそこでしか体感できない良さがあると思います。演出も少し変わったりしますし。」
岸野「サイズを理由に不満に思われないような工夫をして作っていくので、逆にその事で良さとかが出てきますね。小さければ臨場感とかライブ感が増したりとか。」
――例えば異なる会場で2回観に行った場合に内容が違ったり?
岸野「それはもう間違いないです。」
――最後に東京公演を楽しみにしているファンの方々へコメントをお願いします。
麓「このツアーは九州から全国へ回っていくんですけど、回を重ねるごとにこの作品はどんどん進化していきますので、東京でお披露目するときにどんな「光」になっているのか、それを楽しみに待っていてもらいたいです。」
江良「この新作公演はコロナに立ち向かうというか、みんなで頑張りましょう!という気持ちを込めた作品でもありますので、それを少しでも感じていただければ嬉しいです。是非観に来てください。」
岸野「僕ら自身の今年のテーマを『それでも、前へ!進む!』と掲げていますので、新作公演にもそのメッセージが込められています。いま九州でツアーをしていて「元気出ました!」「明日から頑張ります!」とか嬉しい感想をいただいています。きっと東京でも同様の感想を抱いていただけると思いますので、是非会場へお越しください。待っています!」