豪華キャストとスタッフが結集して贈る
「デスノート」が世界初ミュージカル化!
大ヒットマンガ「DEATH NOTE」を、世界で初めてミュージカル化。その主人公・夜神 月役に、浦井健治と柿澤勇人がWキャストで挑む。
浦井「まずキラ(月)とLの心理戦、頭脳戦は、この作品の大きな魅力だと思います。さらに社会風刺や生死に対する恐ろしい提示など、本当に奥が深い作品で。そんな原作のファンである自分が、月役を演じさせていただける。それは思ってもいなかったことですし、本当にうれしかったです。同時に、全世界にファンがいる作品だと思うので、そのプレッシャーと、やる以上は全力でやりたいという覚悟が芽生えました」
柿澤「僕が魅力を感じるのは、この作品が単に楽しいマンガではなく、人間の心理、特に闇の部分を的確に表現していて、現代の病のような部分が強く出ている点です。だからこそ誰もがキャラクターの心に共感できるのではないかなと。しかも今回はミュージカル。歌の力によりそれぞれのキャラクターの心情は明確になり、より共感できる作品になると思います」
ふたりが演じる月は、頭脳明晰でピュアな少年。それゆえ“デスノート”を手に入れたことで、その運命を大きく変えていくことになる。
浦井「誰もが生きていくうえで自身の欲求を持っていて、それがかなわないフラストレーションと戦いつづけています。その負のエネルギーが、この役のキーポイントになる気がして。純粋な正義感の強い青年が、どこまで堕(お)ちていくのか。その振り幅を大きく演じていけたらと考えています」
柿澤「月の真っすぐさや自分を信じる心。とにかく突き進み、やり遂げるところは、僕が月を演じるうえで特に大事にしていきたい点です。あと月って一見恵まれているように見えて、実は病んでいる少年なんですよね。それは現代を生きる方々にも言えることで。そういった意味でも、観る方の心をえぐれるような作品にしたいです」
ふたりは昨年夏のミュージカルで共演したばかり。お互いに対する尊敬の念は強く、Wキャストへの期待感も大きい。
浦井「カッキーとの共演は、こんなに個性が違うのに、こんなに気が合うのかと驚くくらい、うれしい出会いでした。そんなカッキーが、もうひとりの月を演じてくれる。それは頼もしくもあり、刺激的でもあり……。稽古場でお互いの役づくりに触発され合って、高みを目指していけたらと思います」
柿澤「僕にとって浦井くんは、ポジティブで明るく、常に周囲を気に掛けてくださる、非常に信頼できる役者さん。Wキャストの利点は、一方が演じるときにそれを見て、刺激やヒントを得られることだと思うので、それを利用してお互いの月を作り上げられたらと思います」
演出を担うのは、共に演出舞台への出演経験があり、柿澤に至っては「100%信頼しています」と言い切る栗山民也。
浦井「僕なんかが言うのはおこがましいですが、栗山さんの作品はどんなものであっても、やはり言葉がすっと心に寄り添ってくるような感覚があると思います。そんな栗山さんの演出だからこそ、原作の魅力をさらに演劇的に、しかも実験的な部分もしっかり提示するような、新たな『デスノート』が生まれるのではと思います」
柿澤「以前やった『スリル・ミー』というふたり舞台の際もそうでしたが、心の闇や思いを舞台上で繰り広げる、栗山さんの演出力にはいつも圧倒されます。まさに“栗山マジック”とでも言うべきもので。もちろんマンガならではの魅力もあると思いますが、そんな栗山マジックによって、マンガでは描けない、舞台でしかできない『デスノート』になると思います」
インタビュー・文/野上瑠美子
【プロフィール】
浦井健治
■ウライ ケンジ ’00年、「仮面ライダークウガ」でデビュー。ミュージカルからストレートプレイまで、数々の話題作に出演。読売演劇大賞杉村春子賞など複数の演劇賞を受賞。
柿澤勇人
■カキザワ ハヤト ’07年、劇団四季に入団。以後、同劇団公演にて数々の主演を務める。退団後は舞台にとどまらず、テレビドラマ、映画などに多数出演し、活動の場を広げている。