東京芸術劇場での上演を大盛況をもって終えた『エッグ』。3月26日からの大阪公演を前に、パリ・国立シャイヨー劇場での公演が開幕しました!パリ公演、初日終演後の出演者と野田秀樹のコメントが到着しました!
妻夫木 聡
「フランス公演は言葉の壁があり、作品の深い部分や野田さんが伝えたかった想いがどのくらい、パリの観客に伝わっているのかわかりませんが、笑い声や反応から、パリの観客との距離感がすごく近く感じられたことが感動的でした。フランスの皆さんにも迎えいれてもらえたと思ってもいいのかなと感じることができる良い初日でした。東京、パリ、大阪、北九州、どこで演じるのも同じモチベーションで挑んでいますが、今回、パリで得たものは、さらなる深化をもたらしてくれるはずなので、心の深部を表現していきたいです。フランスの文化は、手が加えられることで進化してきた文化だと思っています。この『エッグ』という作品がフランス文化に触れることにより、更なる深化を遂げ、どのように調理されていくのかを楽しみに、残りの公演も演じたいと思います。 」
深津絵里
「お客様の反応が変化していく感じが日本と同じだったことに驚いたのと同時に、とても嬉しかったです。舞台は本当に生なんだなぁと、お客様と今その瞬間を一緒につくっているんだと、改めて強く感じました。残りの公演をみんなで楽しみたいと思います。」
仲村トオル
「初日のパリの観客の反応ということよりも、東京と同じようにいつも通り演じるつもりでしたが、自分自身が力んでしまい、力が入ってしまっていたと思います。今回は、一人ではなく強力な仲間が一緒に頑張ってくれるので、とても心強いです。明日からの公演は、この強力なチームで、力まずにいつも通り頑張りたいと思います。国籍や言語の違う人同士が理解し合うということは奇跡に近いことだと思っていますが、パリ公演を通して、演劇というものは言葉で話してもわからないことでも、芝居を見せることで相互理解ができる、共通言語のようなものになりえることを感じています。」
野田秀樹
「パリの反応はとても良かったと思います。ちょっとやそっと褒められてもなかなか信じられない私ですが、自分の経験からしても今日の初日は、良かったと言っても許されると思える素晴らしい初日でした。パリ公演が始まる前は不安で、題材の難解さが伝わるのかなど、お芝居が終わってもまだまだ不安でいっぱいでした。シャイヨ―劇場の芸術監督ディディエ・デシャン氏が、2度あることは3度あるということわざを用い、エッグに続き、パリでの3度目となる公演のチャンスを楽しみにしています。と言ってくれたので、その言葉にとても救われました。これだけ層の厚い、本当に素晴らしい役者さん達が揃って、海外で公演することはかつてないのではないかと思いますし、本当に、このメンバーで素晴らしい初日を迎えることができ光栄です。」
東京芸術劇場は、芸術監督を務める野田秀樹作品を海外に積極的に紹介しています。2014年5月には『THE BEE English version』をパリ、ルクセンブルク、ドイツで上演。9月、10月は韓国・明洞芸術劇場との共同製作で『半神』を野田秀樹自ら演出、オール韓国人キャストで上演しました。日本の作品が海外でどのような評価を得るのかとても気になりますね。特に『エッグ』は“寺山修司”のワードがヨーロッパで、どう取られるのか気になります。パリ公演は現地時間の3月8日まで。そして大阪、北九州公演と続きます。チケットは既に予定枚数終了となっていますので、当日券等チャレンジを。
野田秀樹 作・演出『エッグ』 パリ・国立シャイヨー劇場 公演
photo by Naoko Tamura