『めんたいぴりり~博多座版~』初日囲み取材レポート

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戦後博多の物語が地元・博多座でついに開幕!

「軽い言い方ですけど、(1ヶ月)なんか出来そうな気がします(笑)」(華丸)

 

戦後の福岡で辛子明太子作りに情熱を注いだ夫婦と従業員たちの絆を描いた物語『めんたいぴりり~博多座版』。その舞台が3月6日に初日を迎え、主演の博多華丸と妻役の酒井美紀、華丸の相方である博多大吉らが終演後に会見を開き、初日を終えての感想を語った。

華丸「初日を終えて、ほんとにホッとしています。何事もなく…という訳でもなく、明太子を入れるお皿が見つからなかったりした瞬間もあったのですが、なんとか乗り切り(笑)、無事に終えられまして、安堵の気持ちでいっぱいでございます」

酒井「私も無事に幕が開いてホッとしているところです。お客様が温かくて、たくさん笑ったり、泣いたり、いろんな感情をたくさん出してくれたのが嬉しくて、明日も明後日も更に一生懸命やっていきたいなと思っているところです」

大吉「僕は今日が初日の千穐楽…という、こんなの博多座初だと思いますけど。役作りも難しくて(笑)」

華丸「ウソつけ(笑)」

大吉「通常のお芝居の中とは関係のない出かたをしたので、キャストの皆さんには迷惑をかけたなと思いますが、演じている相方を見ていて、よく練習しているなぁと思いましたねぇ。逆に言うと、お芝居の”間”になっているから、最近は漫才がイマイチなんだな~と再確認できました(笑)。そんな博多座でした。この”間”にあわせたネタを帰ってから作ろうと思います」

 

 

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―博多が舞台の物語を博多座で演じてみての感想は?

華丸「このお話を頂いた時は非常に重圧を感じていましたし、まだ初日を終えたばかりなので偉そうなことは言えませんが、やらせてもらえたことにすごく感謝していますね」

酒井「この物語は福岡発のTVドラマで、地元のみなさんがとても大切にしているドラマだと思うんです。それをまたテレビではなく舞台でやれることが嬉しいですし、たぶんテレビとは違ったものを感じてもらえるのではないかなと思います」

大吉「今日終わった人間なので、あまり言うのもなんですが、こんな大舞台で1日だけならまだしも、1ヶ月も相方が座長をやると聞いて、たちの悪いドッキリだと最初は思っていて『断ろう』と言っていたんですが、酒井さんや宇梶さんなどいろんな役者さんたちの力をお借りして、相方ながらいい舞台をやっていたので今は感慨深いですね。あとは・・・、もう一回、外にのぼり(自分の名前が書いてある。下の画像参照)が出てないか探してみます。あ、逆から回ればあるのかな?」

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華丸「ひょっとしたら裏の方に書いてあるかもしれないですしね?(笑)」

大吉「はい、もう1回探してみます(笑)。正直なところ、羨ましいですね。最初は心配でしたけどね」

 

―稽古中に心配ごとはなかったか?

華丸「ゴリケンやパラシュート舞台の斉藤君が忙しいので、一緒に稽古できたのは5日くらいなんですよねぇ。東京ではほとんど会えなかったりして、お互いに代役を立てての稽古だったので、幕が開くまでは緊張しました。」

 

―ドラマ版と異なるキャスト、酒井美紀さんを妻役として迎えてどうだったか?

華丸「ドラマでは富田靖子さんが奥さん役だったので、酒井さんにお会いした時は『なんか浮気しようごたる~(博多弁)』と思ったんですが、今じゃもうすっかり富田さんに気持ちはなくてですね(笑)、酒井さんを新妻として迎え入れております。そこは富田さんには内緒ということでね(笑)」

酒井「(華丸演じる)お父ちゃんはテレビのまんまの感じで、一緒に演じられることに幸せを感じています。私は役者として今までにいろんな方言の役を演じてきましたが、博多弁は聞いているよりも、しゃべろうとすると意外と難しくて、音の高さが微妙なところがあったりするんですよねぇ。だから、思った以上に苦戦しました」

華丸「いやっ、ネイティブでしたよ。僕は酒井さんの初期段階からを知っていますけど、最初の稽古の時も、まだ台詞を覚える段階ではなく、イントネーションから覚えるくらいでしたから、それから考えるとスゴイですよ。やっぱ女優さんだ~と思いますよ」

 

―初日のみの出演となった大吉のお芝居は台本があったのか?アドリブだったのか?

大吉「本番前にネタ合わせしようかと思ったけど、(相方が)テンぱっていたので、今日のはぶっつけ本番です。キャリアがありますから、お芝居にこだわらなければ大丈夫かなと。昨日の段階では漫才を1本やろうかなと思っていたんですけど、『(出番は)8分くらいですかね?』と監督さんに聞いたら、『4・5分・・・ですかねぇ』と言われたので、漫才はやめました。あと、僕はスケジュールが空いている日があるので、『また来れますよ?』みたいなことを言ったんですけど、や~んわりと断られました(笑)。だからね、”友情ってなんだろう?”って思いますね(笑)。みなさん、そこを大きく書いてください(笑)」

華丸「芝居に関してはアドリブを入れず、”てにをは”を変えたくらいで台本どおりやりました。大吉さんが出て来たところは、どうするのか彼から何にも聞かされてなく、『ヒントは”19,800円”』としか教えてくれなくて(笑)、『それ以外、あとは任せろ』と言われて『えー!』と思ったんですけど、初日なので自分にも余裕がないですし相方に身を任せて、何かあったら責任は全部そっちに(大吉)とってもらおうと思って初日に挑みました(笑)」

大吉「ほら、だから思うんですよ、友情ってなんだろ?って(笑)」

華丸「愛情の裏返しですよっ(笑)」

 

 

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―1ヶ月公演で華丸が不在となるが、大吉自身1ヶ月仕事に支障はなさそうか?

大吉「吉本の劇場等はピン芸人として出ることになっていますが、華丸さんもちょこちょこ帰って来ますので、華丸さんの移動が大変だなと思いますけどね。褒めるのも気持ち悪いかもしれないですが、相方がこんな素晴らしいというか、力の入った仕事をやっているので、自分もボサッと出来ないなと。僕はまず、明日の『有吉ゼミ』のロケから全力で頑張ろうと思います(笑)」

 

―初日のお客さんは泣いている方が多く見られたが

華丸「いや~、リハーサル入ってから思いましたが、曲がいいんですよねぇ。僕らは泣く芝居をしているというよりは、曲に乗せられて泣いているという感じが非常にあります。こちら是非(CDを取り出して)、風味堂さんの新しいアルバム、福岡出身でございますし、『めんたいぴりり』同様、よかったら宜しくお願いします(笑)。『人生癒着』だと思っていますので、お互いにこれでね(笑)。これに救われて感情も入れやすいですから」

 

―長い公演となるが、初日を終えて何か気持ちの変化は出たか?

華丸「はい!変わりました。言い方は軽いですが、なんか(1ヶ月公演を)出来そうな気がします(笑)。『喉と風邪には気をつけて」と富田さんからもメールが頂いていましたが、そこに気をつけていれば、あとはちゃんと東京・福岡を行き来する時に飛行機がちゃんと飛んでくれれば・・・」

 

―華丸・大吉お二人は福岡出身だが、静岡出身の酒井さんの博多に対する気持ちの変化は?

酒井「私は、(博多の祭り)山笠を一度も見たことがないんですが、今回の為に作った本物の山笠とその舁(か)き手の皆さんが締め込みスタイルで舞台に登場するのを見た時は圧倒されて、リハーサルで見ていたら皆さんの熱が伝わってきて、一年に一回博多の人が仕事も置いといてとなる気持ちが分かるな~と。そんなお祭りがあることがとっても羨ましいですし、素敵な町だなと改めて思いました」

 

 数ヶ月前に行われた記者会見では、「成功したら偉そうに中洲を歩く」と言っていた華丸。初日を迎えた今は「ちょっとだけ歩幅は大きくなっているかな?でも、終わるまでは恐縮しています」とのこと。ただ、そう語る彼の表情には、初主演舞台という重圧を感じつつも、幾ばかりか手ごたえを感じているようにとれた。そんな相方を頼もしく思いつつも笑いを忘れずに会見を進める大吉。そんな二人の笑いと”相方愛”を感じるやり取りに、終始和やかな気持ちになれる取材会となった。

 

博多座にて3月29日まで上演される『めんたいぴりり~博多座版~』のチケットは好評発売中!

良いお席はお早目に☆ 

 

文/ローチケ演劇部(シ)