「プリンス・オブ・ブロードウェイ」 柚希礼音 インタビュー

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元宝塚トップスターの退団後初舞台は
誰もが夢に描くミュージカル・ショー

 

 「本当に夢のようなチャンスをいただきました」と語る柚希礼音。宝塚歌劇団100周年を支えた希代の元トップスターが10月、退団後初の舞台となる「プリンス・オブ・ブロードウェイ」に出演する。巨匠ハロルド・プリンスが演出、自身が手がけた名曲・名場面の数々を繰り広げるミュージカル・ショーで、ブロードウェイスターが一堂に会するなか、唯一の日本人キャストとして参加する。

柚希「プリンスさんは『オペラ座の怪人』をはじめ、数多の傑作を生み出した方ですが、偉大なクリエーターは、常にお客さまの視点を大切にして作品をつくられるのだなと感じています。私が男役時代に培った低い声を聴いて、“このキーが出せる女性は少ないから、この舞台でも生かそう”と仰って下さいました」

 “ミスター・ブロードウェイ”と賞されるプリンスの半生を描くという本作。彼の声役を務めるのは市村正親だ。

柚希「『オペラ座の怪人』の日本初演で怪人役を務められた市村さんとともに、日本のお客さまにプリンスさんの作品、ミュージカルの素晴らしさお伝えすることが、私の役割だと思っています」

 

 ほかにも共同演出・振付のスーザン・ストローマンらクリエイティブチームとトニー賞受賞者を含む豪華キャストらが集結。その舞台のワールドプレミアとなる日本公演に向けて、稽古はニューヨークで行われるという。

柚希「実は宝塚に入る前、バレエダンサーを志していたときに、ニューヨーク留学を夢見ながらも諦めたことがありました。宝塚に進んだおかげで、こうして宝塚で得た経験を大きな力に、この作品に臨めるのがとてもありがたいですね。同時に、大切なのは自分にできることをひとつひとつ、やり遂げていくことなのだなと感じています」

 

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 7月から3カ月間、現地に滞在するという柚希にとって、ニューヨークのブロードウェイは刺激的な場所でもあるようだ。

柚希「世界中から夢を持った人たちが集まっているせいか、とにかく歩くのが速いんですよ! だから夢や目標がないと置いていかれそうな気持ちにも。今回は大きな目標があるので、思い切り速く歩いてみたいですね(笑)」

 

 そのブロードウェイで活躍するキャストたちとの稽古、初の長期にわたる海外生活に向けて、どんな思いでいるのだろうか。

柚希「このあいだ、ニューヨークを訪れたときに観た『オペラ座の怪人』のクリスティーヌ役だったケイリー・アン・ヴォーヒーズさん、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役で昨年のトニー賞主演男優賞候補になったラミン・カリムルーさんをはじめ、今をときめく方たちばかりですからね。これは大変なことになったなあと(苦笑)。そもそも男役以外で稽古するのは初めてなので、稽古着をどうすればいいのかさえ分からない(笑)。そんなレベルの私に、現地で稽古した経験がある(湖月)わたるさんがいろいろアドバイスしてくださいました。一流の方たちほど気さくで優しい、とよく言われますが、今回の共演者の方たちはまさにそう。細かいこともやりとりできるよう、語学もできるかぎり学んで臨みたいですね」

 

 宝塚在籍中、’14年には日本武道館での単独コンサートを成功させるなど、数々の伝説を打ち立ててきた。それだけに「退団後1作目をどうするかはすごく悩みました」とも語る。

柚希「宝塚時代のファンの方たちのおかげで、私は幸せに卒業できたので。でもファンの方たちも、守りに入った柚希礼音より、挑戦している姿をきっと喜んで見てくださるはず。大きな挑戦ですが、ニューヨークでいろいろ学んで吸収することから始めようと思っています」

 

インタビュー・文/宇田夏苗
Photo/岡田晃奈
構成/月刊ローソンチケット編集部

 

【プロフィール】

柚希礼音
■ユズキ レオン 大阪府出身。’09年、宝塚歌劇団星組トップスターに就任。 ’15年5月に退団。主な主演舞台に「ロミオとジュリエット」「オーシャンズ11」「眠らない男・ナポレオン-愛と栄光のはてに-」など。

 

【公演情報】

ワールドプレミア ミュージカル
『プリンス・オブ・ブロードウェイ』
公演日程・会場:
2015/10/23[金]~11/22[日] 東京・東急シアターオーブ
2015/11/28[土]~12/10[木] 大阪・梅田芸術劇場メインホール

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日程:10/27[火]13:30、11/1[日]12:30

 

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