ミュージカル『スコット&ゼルダ』ウエンツ瑛士&濱田めぐみ インタビュー

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10/17[土]天王洲 銀河劇場にて開幕!
ウエンツ瑛士&濱田めぐみのインタビューを公開!

 

 ――お2人は初顔合わせかと思いきや……。

ウエンツ「僕の中であれが仕事という認識だったかは微妙なとこなんですけど(笑)、劇団四季の『美女と野獣』(※濱田はヒロインのベル、当時9歳のウエンツはチップ役で出演)で昔ご一緒してます」

濱田「でも全然覚えてなかったですけどね!? 私はウエンツ君の成長段階をずっと遠くから、親戚のお姉ちゃんのようにながめていたんですけど。私の『久しぶり!』と彼の『はじめまして』との温度差が(笑)非常に面白かったです」

ウエンツ「昔のことをほんと覚えていない人間なんです! 特にあのときは言われたことをやっただけって感じで、ミュージカルをやったって認識がほとんどなくて。僕のこと覚えてます?」

濱田「もちろんですとも! すごいマセてて、帰り際とかにいつも『濱田さんがボクと一番遊んでくれる~』なんて言ってたの(笑)」

ウエンツ「それホントに俺ですか?」

濱田「絶対ウエンツ君!」

 

 ――そんなお二人が時を経て、夫婦役を演じることに(笑)。

濱田「ねえ。そこはちょっとチャンネルを変えていかないといけないですね(笑)。でも素敵なスコットになると思いますよ。本物のスコットが持つにおいと、ウエンツ君が持っている内面的なものってちょっと似ているところがあると思う。やっぱり舞台って生だから、そういうものがきらめきとして見えてきたとき、『え、ウエンツ君ってこういうところがあったんだ?』っていう瞬間が、すごいたくさん生まれるような予感がします」

 

 ――その似ている部分というのはどういうところに感じますか?

濱田「なんだろう、危うさとか脆さとか。見た目よりずっとオスっていうか、竹を割ったように芯がスパーンとしたところが絶対あると思うんですね。だけど弱くて、それは女々しいんじゃなくて、優しすぎちゃって脆くなるところをグッと立ち直らせようとしてみたり、感情の振り幅がすごくあるけれども出さないようにしてるとか。そうは見えないけど実は人見知りで相手との間にひとつ膜を置くとか、ギリギリまで近寄らせるけどカギは開けないとか……。そういう危うさって、女性の母性を動かしますよね」

 

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 ――奥様のゼルダによって緻密な分析がなされましたが(笑)、お聞きなってどうでしたか?

ウエンツ「まぁ、よくわかんないっす!」

濱田「なんだよ!(笑)」

ウエンツ「いやーわからんですよ、自分のことは(笑)。ただなんか、こういう嫁さんだったらいいよなって思いながら聞いていました。自分が知らない部分を知ってくれていたり、いいも悪いもズバッと言ってくれたりとか。スコットとゼルダの関係にも、そういう部分があるのかな、なんて思いましたね」

 

 ――演じるスコットにはどんな魅力を感じていますか?

ウエンツ「今、頭の中で魅力的だなと思っているスコットはいるんですけど、それってあくまでも僕の頭の中で描ける範囲の人物なんですよね。女性がどうしても気に掛けちゃうような男の魅力って、やっぱり女性目線じゃないと分からない部分があるじゃないですか。僕の周りにも似た人がいて、まあ現代版の貧乏でクレイジーなヤツってことなんですけど(笑)、でもいつも女性が彼を気に掛けていて、ひっきりなしに周りにいる感じなんです。でも僕は彼があんまり得意じゃなくて、仲良くなれなくて」

濱田「ふーん、同性だから?」

ウエンツ「というか、わからないからなんでしょうね。彼を見ていたとき、一瞬スコットが思い浮かんだりしたんですよ。だからそういう、自分にはよくわからない人物をステージ上でやれるのは、ほんとに楽しみだなと思って。もちろん自分の中だけでは作れないから、演出家や共演者の方と一緒に、こういう人に少しでもなれる、近づけると思うと、なんかうれしくてしょうがないですね」

 

 ――ゼルダについてはいかがでしょう?

濱田「彼女のものに対する価値観とか、正しい・間違ってるってラインをきっちりと見定めて、そのラインをぶれずにしっかりと彼女の目線で歩いていくことがすごく大切だし、必要だなって思います。私はわりとエキセントリックな役をやることが多くて、今までのそういう役だと状況に流されて状況で判断することが多かったんですけど、彼女はその真逆のような気がする。柔軟性がなさすぎるがゆえに、こういう運命になっちゃった女性。夫のスコットはいろんなことに興味を持って、自分でどんどん開拓していくけど、彼女は絶対変えられない何か、この枠の中から私は出てはいけないという、なんかすごく頑ななものが生まれつき備わっているような気がして。それを変えようとすると、精神がブレてくるっていうのか」

 

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 ――自由奔放で、むしろ逆かと思っていました。

濱田「私もね、最初はそういう風に思っていたんですけど。でも変えられないものがあるからこそ、発言がエキセントリックになるわけで。そういう彼女の底辺を探って、そのためにその言葉が出るんだったら彼女の中では正当だなっていう、何かキーポイントがあるような気がする。まだそこまで行き着けていないんですけど」

 

 ――フランク・ワイルドホーンさん作曲の楽曲の印象は?

濱田「やっぱりすごくドラマティックでしたね」

ウエンツ「うん、気持ちを強く発散させるようなところがすごく印象に残ってます。とはいえ僕は英語がわからないので、最後の“moon”を「あ、“月”って言ってるんだ」ぐらいしか意味は理解してないんですけど」

濱田「ウエンツ君はその意外性がまたね(笑)」

 

 ――濱田さんはもはやワイルドホーン作品常連ですが、歌う立場として“ワイルドホーン節”の魅力や難しさは?

濱田「毎回ギリギリよりも上の音を要求されるので(笑)ちゃんと訓練したところで出さないと、彼が求めている声は出づらいってところがありますね。フランクにはよく、ジョギングとヨガを薦められます。『体幹を鍛えて肺活量がないと、僕の歌は歌えないよ』って」

ウエンツ「なるほど」

濱田「でも彼は稽古場に直接来て、その人にあてた編曲をよくするの。メロディや音程をどんどん変えていくので、より歌いやすくなるし。今回も来てくれたとすれば、ウエンツ君が歌いやすくてもっと魅力が出るように、どんどん変えてくれると思う。そこは自由自在にやってくださるから安心して」

 

 ――ウエンツさんは、この舞台が30歳になって初の大きなお仕事。大人の男性としての新たな魅力を感じさせてくれそうですね。

ウエンツ「大人の魅力、出るんですかね?(笑) でもほんとにありがたいなと思っています。数年前から自分がどういう30代を迎えるのかなとは考えてきてて、それに向けての準備はしてきたつもりではあるので、その一発目でこういう素敵な作品を濱田さんとやらせてもらえるというのは。ジャンルなんて考えずにやっていた9歳のときのように、テレビだろうが舞台だろうが、ミュージカルだろうがストレートプレイだろうが、また今になって自分の中で垣根がなくなっているんです。そういう中で、ウエンツ瑛士という人間をどう成長させていこうかって考えている。この舞台でどういうものを見せられるかが今後の活動のひとつの指針になるかなと思いますし、それぐらいの気持ちと根性を決めてやっていきたいです」

取材・文:武田吏都

 

 

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【公演情報】

ミュージカル『スコット&ゼルダ』

日程:2015/10/17[土]~11/1[日]
会場:天王洲 銀河劇場
料金(税込):S席 ¥9,800 A席 ¥7,800 U-25引換券 ¥5,000 S席ペアランチ付 ¥21,000 S席ホテル食事付き ¥10,500

 

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