人気作家・有川浩の短編小説シリーズ『三匹のおっさん』の舞台版が、満を持して博多座に登場!原作は2009年の出版以来、累計150万部を越える大ヒットを記録し、最近ではテレビドラマ化もされて高視聴率をマークした人気作。かつて悪ガキだった3人組も今や還暦を迎えた『おっさん』に。そんな彼らが家族に内緒で自警団を結成し、ご近所に潜む悪を斬る!―― という、笑って泣ける勧善懲悪の人情喜劇だ。
そんな3人の“おっさん”たちを演じるのは、松平健、西郷輝彦、中村梅雀という名優揃い。また、松平演じる剣道の達人・キヨこと清田清一の妻を竹下景子が演じる。
11月5日より博多座にて絶賛上演中のこの舞台の開幕前、福岡で行われた合同会見には松平・西郷・中村・竹下の4名が出席し、それぞれの役どころなどについて語ってくれた。
シニア世代をうまく表現した小説だが、作品・それぞれの役柄などについての感想は?―
松平「時代劇ではなく、“おっさん”として博多座に帰って参りました。私も舞台で現代劇は初めてやらせて頂きますが、悪い奴を成敗するあたりが時代劇に似たところもあります。この作品は、身近で起きるような話が多いのもありますが、お客様も共感できる部分がたくさんあるでしょうし、出演者とお客様が一体となれる作品だなと思っています」
中村「私は念願の博多座初出演です。やっと願いが叶いました!そんな私が演じるのは、機械いじりの達人で頭脳派・ノリこと有村則夫という男性です。女房が娘を産んでスグに亡くなってしまい、男手ひとつで娘を溺愛して育てている奴なんですが、犯罪スレスレの(笑)防犯グッズを強化して仲間と共に悪をやっつけていくという役柄です。実際に私自身が今年、娘が産まれたのですが、この娘を女房がいなくなって一人で育てることになったらエライことだなと思った瞬間から、娘役の宮﨑香蓮ちゃんの顔が全然違って見えましてね。その日から演出家の田村さんに『あ!梅雀さん、それくらい溺愛して下さい』と言われるほど、自分の演技が自然に変わったな~と実感できる稽古場でした。そして、この作品はとにかく“おっさん”がチャーミングなんです。また、おっさんだけでなく女性の立場の目線を演出の田村さんが強調して書かれているので、女性のお客様はグッとくるものがあるようです。先日観に来てくださった100歳のおばあちゃんが、『ほんとにおもしろかった!』と言ってくださったので、本当に自信を持ちました。九州全土の皆さんに観に来て頂きたいですね」
西郷「この作品は、TVドラマを見て初めて知りまして、『あぁ、こりゃやられたな~。こういうのがやりたかったんだよなぁ』と、その時に思ったんです。私たち世代にこういう傾向の役柄のオファーが来ることが少ないですからね。その話を自分が舞台でやると聞いて嬉しかったです。私は、柔道の達人・シゲ、立花重雄という役を演じさせて頂くのですが、べらんめえ口調で好きなことを言っちゃう男なんですが、どこかで優しさを持っている男です」
竹下「私がヤキモチを妬きたくなるくらい、三人が舞台上も楽屋でもほんっとに仲良しでして、その楽しさが私たちにも伝わってきて、お稽古場では考えられないくらいの共感の笑いや拍手が毎日起こっていました。それはきっとお客さまにも伝わっていると思います。東京・大阪公演を経て、この博多座公演となりますが、芝居の中身がどれくらい熟成できているかも楽しみです。幼なじみの三人が少年の心のまま、友情の絆を信じて、悪者をやっつけてくれる姿はスカッとさせてくれます。それを支えていく奥さんや娘の姿も描かれていますから、親子連れの方、ご夫婦、お友達、どなたにも素敵なお土産を届けられる舞台になっていると思います」
“おっさん”を演じるうえでの苦労したところは?―
松平「困ったことというか・・・、“格好悪く”見えるようにという演出をされたんですが、舞台衣裳を選ぶにもそうだったんですけれども、スーツ姿も普段着のシャツ姿でも、どれを着てもどうしても似合っちゃうんですねぇ。それを格好悪く見せるのに苦労致しました(笑)。時代劇ではケンカの立ち回りで負けたことはなかったんですが、今回は負けてしまったりもするんです。そこのやられ方などで苦労しました(笑)」
西郷「私の衣装といえば、今まではスーツだったり、足が長く見えるようなパンツを穿いていたりとスラッとしたものを着てきましたが、今回ほとんどジャージ姿なんです。監督からは『ダサくしてください』って言われたんですが、やはりそうならないのが一番難しかったですかねぇ(笑)」
劇中では“悪”をパトロールしているが、博多でパトロールしたい場所は?―
松平「私は朝ウォーキングをするので、出来るだけ、今まで歩いたことがない場所を歩いてみたいですね」
中村「今日の会見場の近くにある市場(柳橋連合市場)を探索してみたいな~。おいしい明太子があると聞いたので、そこをパトロールしたいですね!」
西郷「健ちゃんは朝のパトロール、私は中洲をナイトパトロールでしょうか?(笑)」
竹下「もし、迷惑でなければ、ナイトパトロールをご一緒させて頂きたいですね(笑)」
と、場内に笑いと大きな拍手が起きたところで会見は終了。“三匹のおっさん”のチームワークは、観客だけでなく演者たちをも楽しませるほどだということが、終始和やかな空気で進められた会見を通しても伝わってきた。この楽しい雰囲気はそのまま劇場へ!おっさんたちの痛快活劇を見れば日頃のストレスもスカッと解消できるかも?
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取材・文/ローチケ演劇部(シ)
【公演情報】
『三匹のおっさん』
公演期間:11/5[木]~26[木] ※公演日時の詳細は下記「チケット情報はこちら」よりご確認ください
会 場:博多座
料 金:A席13,500円 B席7,000円 C席4,000円
※特Bの取扱いなし
Lコード:85262
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