ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』 中川晃教 インタビュー

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実話に基づく感動の名作が
ついに日本人キャストで上演!

 

 「『ジャージー・ボーイズ』をやると決まってから、周囲の反響がすごいんです」と語る中川晃教。トニー賞やグラミー賞に輝き、クリント・イーストウッド監督の映画版も高い評価を得たミュージカルが、満を持して日本人キャストで上演される。実在の4人組ポップスグループ、ザ・フォー・シーズンズの結成から解散までの軌跡を描く物語。中川が演じるのは、“天使の歌声”を持つリードボーカルのフランキー・ヴァリだ。

中川「3月にアルバム『decade』をリリースしてから各地のラジオ局などを回っていると、男性を中心に、スタッフの方たちが『ジャージー・ボーイズ』への思いを熱く語りはじめるんです。舞台や映画を観た方たちが、僕にフランキーをやってほしかった、と言ってくださるのもうれしくて。この作品を愛する人たちに引き寄せられて、この役に出会えた気がします」

 

 中川自身は舞台を観て、ラストシーンにとても感動したという。

中川「歌うことは喜びだけど、いいときだけじゃない。でも歌が世に出た瞬間、受け取った人の人生の一部にもなり、時代によって変化しながら永遠に生きつづけていく。それが音楽の素晴らしさだなと、あのラストからあらためて感じました。この作品は自分が音楽を作っていくうえでのヒントも、たくさん与えてくれると思います」

 

 それにしても、『ジャージー・ボーイズ』という作品が、ここまで多くの人々に愛されているのは、なぜなのだろうか。

中川「ザ・フォー・シーズンズといえば、ビートルズよりも前に世界的な人気を集めたグループ。彼らの音楽はキラキラしていてかっこよくて、1960年代の古き良きアメリカの雰囲気をすごく感じるんです。でもそれだけではなくて、たとえば大ヒット曲『シェリー』がどうやって生まれたのかといった、ポピュラー音楽のヒストリーを知ることができるのが、このミュージカルの素晴らしさだと思います。4人の若者がスター、アイドルになっていく軌跡も描かれている。とはいえ、単に時代や音楽業界の光と影を見せているのではない気がするんです。もっと普遍的な何か、たとえば青春といったものを呼び起こして、共感させてくれるからこそ、多くの人々を引き付けるのかなと。僕自身もこれから稽古を通して、この作品の魅力にもっと気付いていくことになるでしょうね」

 

 そして中川といえば、ヴァリ同様、唯一無二の声の持ち主。すでに「君の瞳に恋してる」など劇中で歌う楽曲と向き合い、手応えを感じているという。

中川「新しい声を発見していると同時に、様々なミュージカルの経験が今の歌唱につながっているなと実感しています。シンガーソングライターとしてデビューしてから15年の積み重ねをここでひとつ形にしたいという思いで、今回のアルバムに『君の瞳に〜』を入れました。大きなチャレンジですが、“そこにフランキーがいる”と感じてもらえるように演じたい。そこからまた先が、きっと見えてくると思うんです」

 

インタビュー・文/宇田夏苗
構成/月刊ローソンチケット編集部 4月15日号より転載

 

【プロフィール】

中川晃教
■ナカガワ アキノリ ’82年、宮城県出身。’01年、歌手デビュー。’02年にミュージカル「モーツァルト!」に主演。以降、自身の音楽活動とともにさまざまな舞台で活躍。5月8日[日]までミュージカル「グランドホテル」に出演中。

 

【公演情報】

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ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」

日程:2016/6/29[水]~7/31[日]
会場:シアタークリエ

★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!