“新たな表現に楽しみながら挑みたい”
傑作文学がミュージカルに!
20世紀最高の文学にしてF・スコット・フィッツジェラルドの傑作が、オリジナルミュージカル化される。1920年代のニューヨークを舞台に、謎めいた大富豪ジェイ・ギャツビーの激しくも悲しい愛と人生を描いた「グレイト・ギャツビー」。近年、数々の舞台でメキメキと存在感を増している相葉裕樹が、隣人でストーリーテラーのニック役に挑む。
相葉「レオナルド・ディカプリオ主演の映画などでも有名な作品ですが、羽原大介さんの脚本には小説のうまみが詰め込まれていて、しかも日本人になじみやすく描かれているんです。最後は切ないけれど、コミカルな場面もあって、新たな『ギャツビー』が生まれる予感がしています」
毎週末、豪邸で絢爛なパーティーを開くギャツビー。作家志望のニックは「彼には何かがある」と感じ、交流を深めるなかで真実を知るが……。
相葉「ギャツビーは現代にはまずいない人物だと思うんですよね。彼は実は、麻薬の密売といった汚い仕事をして成り上がった。でも、すべては愛する女性デイジーのためで、僕には誰よりもピュアな人間に思えるんです。アメリカが好景気に狂乱していた時代、世の中がむしろおかしくて、偽物に見えるギャツビーのほうが、本物の心を持っていたのではないかと。ここまで振り切って、真実の愛だけを求めることはなかなかできないからこそ魅力的だし、すごく心を動かされます」
ニックは、ギャツビーとデイジーを結び付ける人物でもある。
相葉「そのふたりを演じる内 博貴さん、愛原実花さんとチームワークを固めていくことで、すてきな愛の物語をお届けできれば。演出の錦織一清さん、音楽の岸田敏志さんとは初めてですし、川崎悦子さん振り付けのダンスシーンにも期待が高まります」
そう語る相葉は、昨年にはオリジナルミュージカル「HEADS UP!」に出演。笑いあり、涙ありの作品中、体当たりで演じた新人舞台監督の新藤役も忘れられない。
相葉「舞台の仕込みからバラシまでを見せていく試みで、それを芝居として面白く見てもらうためにカンパニー全員で試行錯誤しました。オリジナルをゼロから作っていくのはやはり大変でした。でも初日が開いたら、想像以上にお客様の反応がよくて喜んでもらえて、本当にうれしかったですね」
ミュージカルでの経験を積むなかで、手応えを感じているところもあるのでは?
相葉「いや、ミュージカルをやるたびに、当然ですがまだまだだなと感じることばかりです。特に歌は、誰が聞いてもウマいヘタが分かるし、確実に技術を磨いていかないと伝えるまでには辿り着けない。なので“ヤバい、やることがいっぱいある、もっとやらなきゃ!”と思うことのほうが多いですよね。毎回ヘコみますし、でもだからといってミュージカルをやらない選択肢は自分のなかにはないです。歌もダンスもお芝居もどうしたらもっとできるように、何をすれば必要とされる人間になれるんだろうなって考えます。今回は初のストーリーテラー役。大きな挑戦ですが、新たな表現を見つけながら、楽しんで演じたいと思います!」
インタビュー・文/宇田夏苗
Photo/長谷川 唯
構成/月刊ローソンチケット編集部 6月15日号より転載
写真は本誌とは別バージョンです。
【プロフィール】
相葉裕樹
■アイバ ヒロキ TV「怪盗ロワイヤル」「黒服物語」や舞台「ラ・カージュー・オ・フォール」「HEADS UP!」等に出演。映像、声優、舞台等幅広く活躍している。10月よりミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」に出演。
【公演情報】
ミュージカル『グレイト・ギャツビー』
日程・会場:
2016/7/2[土]~10[日] 東京・サンシャイン劇場
2016/7/13[水] 名古屋市芸術創造センター
2016/7/15[金]~17[日] ロームシアター京都 サウスホール
2016/7/23[土]・24[日] 新神戸オリエンタル劇場
★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!