「コインロッカー・ベイビーズ」囲み取材&ゲネプロレポートが到着!

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撮影:阿部章仁

 

◎囲み取材

A.B.C-Zの橋本良亮、河合郁人が、村上龍の原作&宝塚歌劇団の木村信司の演出に挑む舞台「コインロッカー・ベイビーズ」。1980年に大ヒットした小説を36年後の日本でどのように生まれ変わらせるのかが注目されていたが、6月3日に囲み取材と公開ゲネプロが行われた。コインロッカーに捨てられたハシ(橋本)とキク(河合)が、トラウマに苦しみながらも成長し、恋をし、やがて自らの人生と対峙していくさまを躍動感あふれる音楽劇として観せるこの作品について、キャスト5人はこう語った。

橋本良亮(A.B.C-Z)(以下、橋本)
「一生懸命稽古してきたので、早くみなさんにこれをお届けしたいという気持ちでいっぱいです。作品中ではがっつり歌うんですが、普通に歌うだけじゃなくハシが抱えている心の闇だとか、いろんな感情をしっかり表現したい。僕だけじゃなく河合くんについても“こんな顔、見たことない!”と思わせるような表情が、ここでは見られるんじゃないかと思います。この作品は初めて舞台化されるわけなんですが“これが舞台の『コインロッカー・ベイビーズ』なんだぞ”と、胸を張って観せられる作品だと思っています」

河合郁人(A.B.C-Z)(以下、河合)
「この作品は“人間の本当の心の叫び”を、観せたり聞かせられるものになったと思っています。これまでやってきた舞台とは全然違うので、いい意味で今まで覚えてきたものを一回リセットして、新しく生まれ変わるぐらいの気持ちで臨みました。地方公演もあるんですが、僕らのライヴではなかなか行けないところにも行くので、そういうところで待っていてくれているファンのみなさんも驚かせるぐらいのものを見せられたらとは思っています」

真田佑馬(以下、真田)
「今回はジャニーズの先輩2人と共演できるので心強いです。今まで舞台で共演させてもらったこともコンサートでバックにつかせてもらったこともあるんですが、一対一でお芝居したことはなかったので、すごくありがたい経験をさせてもらっているなと感じます。ストーリー中で5つの役を演じるんですが、自分の中でクセを変えてみたり、演じ分け方は工夫しました」

芋洗坂係長
「私も真田くん同様5役をやらせていただくんですが、その中では係長の私が社長を演じるシーンもあります(笑)。稽古での橋本くん、河合くんは最初の本読みに始まって立ち稽古にいたるまで、毎日のように演技が進化していったんです。吸収力もパワーもありますし、見ていて“若いっていいなあ”と思いましたね。2人の情熱が毎日伝わってきていました」

ROLLY
「みなさん、衝撃的なオープニングにおしっこをちびると思うので、おむつをしてきてください…コインロッカー・〝ベイビーズ”ですからね? この作品には、おそらくお客様が想像もしていないような、今までまったく体験したことがないような、妙な気分にさせられるシーンがたくさんあります。例えば80年代初頭のデパートの屋上の遊園地の雰囲気を再現したりですとか…。懐かしさと不思議さ、そしてすばらしい音楽と演出で、みなさんを魅了すること間違いなし!」

 

◎ゲネプロレポ

囲み取材のあとにゲネプロが行われたが、ROLLYの“衝撃的なオープニングにおしっこをちびる覚悟を”という言葉は、オーバーなようでいて嘘ではなかった。ROLLY&シルビア・グラブ率いるグラマラスな“コインロッカー・ベイビーズ”が客席を沸かせるオープニングはもちろん、観客の度肝を抜くようなシーンがとにかく多いのだ。

製作発表時に話題になったキク(河合)と、キクが恋に落ちる小悪魔的なモデル・アネモネ(昆夏美)との”普通じゃない”キスシーンしかり、ハシ(橋本)がプロデューサーのミスターD(ROLLY)に命じられ服を脱いでいくシーンしかり、ツヤっぽいシーンは確かに見どころといえる。しかしハシとキクそれぞれの“最愛の人”との皮肉なめぐり合わせなど、ショッキングなシーンの連続には、観客側も心して臨まなければならないところだ。

村上龍による原作の「コインロッカー・ベイビーズ」は、上・下巻で展開されるかなりボリュームのある小説。その中からアネモネとタクシー運転手(芋洗坂係長)の狂気を孕んだやり取りや、ハシとキクがコインロッカーに捨てられた恐怖の記憶を眠らせるために受ける最先端の治療など、3次元にするとより鮮やかに想像をかき立てられるようなシーンを組み合わせて構成されたのがこの舞台版だ。さまざまなインパクトのあるシーンが物語のラストに向かって紡ぎ合わせられていく中では、それぞれ5役ものキャラクターを演じ分ける真田佑馬、芋洗坂係長の芸達者ぶりも光る。

何よりも主演の橋本、河合の熱演には目を見張るものがあった。例えばROLLYが河合の歌声について「劇画的なドラマチックさがある」とコメントしていたが、自分の感情を上手く言葉にできないキクの歌は、“歌”と言うよりも喉がかれてしまいそうなほど生々しい“叫び”となって客席に響いてくる。対して男性のミスターD、女性のニヴァ(シルビア・グラブ)とも愛を交わしつつ歌手としてスターダムにのし上がっていくハシは、中性的ななまめかしさを芝居だけでなく劇中歌でも披露。同じグループで活動しているだけあり、2人で歌うシーンのハーモニーは息ぴったりで安定感も十分だ。それぞれ舞台出演も重ねていて主演も経験しているが、いろんな意味でチャレンジが多かったであろうこの作品が、役者としてのターニングポイントとなるのは間違いない。
作品中で披露されるナンバーや効果音の数々が、作品の衝撃度にふさわしくロックテイストで彩られているのも特徴的だ。美しく仕立てられたミュージカルというよりは、血沸き肉躍るライヴ・エンターテイメントという表現がふさわしいかもしれない。きっと音の渦に飲み込まれるような、不思議な感覚をおぼえるはずだ。

余談だがこの作品では、客席(それも前方席とは限らない)にいないと味わえないようなライヴ感満点の演出も楽しめる。ぜひとも劇場に足を運んで、その全貌を確認してほしい。

 

取材・文/古知屋ジュン

 

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【公演情報】

ろご

コインロッカー・ベイビーズ

≪東京公演≫
日程・会場:6/4[土]~19[日] 赤坂ACTシアター
料金(税込):S席¥10,000 A席¥8,000

≪福岡公演≫
日程・会場:6/24[金]・25[土] 福岡市民会館
料金(税込):S席¥10,000 A席¥8,000

≪広島公演≫
日程・会場:6/29[水] 広島文化学園HBGホール
料金(税込):S席¥10,000 A席¥8,500

≪大阪公演≫
日程・会場:7/2[土]・3[日] オリックス劇場
料金(税込):S席¥10,000 A席¥8,000

★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!