ミュージカル「わたしは真悟」 高畑充希&門脇麦 インタビュー

shingo2
人気、実力折り紙付きの若手女優が初共演!

 

高畑充希×門脇麦。若手女優の中でも人気、実力ともに折り紙つきの2人が初共演するのがミュージカル「わたしは真悟」だ。しかも原作は「まことちゃん」などでおなじみの楳図かずお、演出は1992年のアルベールビル・オリンピック開閉会式の演出で世界を驚かせたフランスの奇才、フィリップ・ドゥクフレと、制作陣は異色この上ないラインナップ。一体、どんな作品になるのだろうか? 高畑、門脇に聞いてみた。

小学6年生の真鈴(高畑)と悟(門脇)は初対面で恋に落ち、悟の父の働く町工場で遊ぶようになる。やがて親の仕事の都合で引き離されることになった2人は思いつめるあまり、ある突拍子もない行動に出てしまう。2人に危機が迫ったその瞬間、遊び相手だった町工場のロボットに2人を両親と認識する自我が芽生え、自らを「真悟」と名乗り始めるが…。

高畑 普通の舞台なら集まりようのない人たちが集まるので、すごい化学反応が起こるんじゃないかなっていう期待感があって、すごく興味が湧きました。朝ドラ(現在放送中の「とと姉ちゃん」)が終わったら、今までチャレンジしたことのないことをやってみたかったというのもあるんです。

門脇 そう、舞台って概要だったり、キャストや演出家の方の名前を聞いたらなんとなくどんなものになるか想像がつきそうなものなんですけど、何も想像がつかないんですよ。原作のマンガを読んでみると、スケールがすごく大きな物語なんですよね。これまでに読んだことのない感じで、80年代に描かれた作品なのにむしろ新しかったですね。

高畑 年代のギャップはあんまり感じなかったです。でもこれがミュージカルになるって想像しながら読んでみたんですけど、読めば読むほど全体像が見えない。例えばロボットはどう表現するんだろう?とか、このマンガからの“圧”は、舞台になったときに出るのかな?とか。ストーリーの迫力がすごくて、読むのにすごくパワーがいる作品なんです。

 

現在20代前半の2人が小学生を、しかも門脇は男の子役を演じるこの作品。それぞれの役どころをどうとらえているのだろうか?

門脇 男の子を演じることについての違和感っていうのは特にないんですよ。

高畑 (真鈴と悟を演じるのが)逆でもおもしろいんじゃないかな? どっちもアリだと思います。

門脇 とにかく純粋で限界っていうものを知らない2人の感情を、体を使った表現に落とし込んでいく形になるんだと思うんですけど、あまりにも未知な世界で。みんなで実験的なことをしようっていう面白さも垣間見えるので、そこに柔軟に乗っかっていけたらいいなっていう風に思ってます。

高畑 そのまっすぐな純粋さが一番怖いなって思うんです。いろんなことを知らないがゆえに、だーっと駆け出して崖からバーンと落ちる、みたいなギリギリなことをしちゃう感じが真鈴と悟にはあるので。その「どこまで行っちゃうの?」みたいな世界を、みんなで作れたらいいなと思います。

 

今作はミュージカル仕立てになるが、デビュー以来ミュージカルで実力を磨いてきた高畑、舞台経験はあるもののミュージカル初挑戦となる門脇にそれぞれ意気込みを聞いてみた。

高畑 私、すごく舞台が好きなんですけど、去年から朝ドラがあってずっと舞台をお休みしてきてたから、終わったら舞台やりたいっていう気持ちはずっとあったんですよ。それがこういう作品になったのは意外だし、嬉しいです。

門脇 ワクワク半分、不安半分。今ボイストレーニングを受けているんですが、手応えはまだわからないので不安しかないです(笑)。ミュージカルを観ること自体はすごく好きで、ずっとやりたいって言ってきたんですよ。歌えもしないのによくやりたいって言ってたなって、今は思うんですけど…。(バレエをやっていた多感な頃から)ミュージカルはわりと身近にあったものなので、今は内側からワクワクするような感じがすごくあるんですよ。

 

海外の演出家と組むのはそれぞれ初めてと言う2人。ドゥクフレはパントマイムやサーカスなどの要素を取り入れた身体表現のユニークさに定評があるが、それについてはどう感じているのかたずねてみると…。

高畑 自分が「こうしたいです」というのではなく、もう「私を好きにして」って感じで(笑)、ドゥクフレさんの世界にがっつり染められようと思っています。

門脇 最初にこの作品のお話をいただいたときに「歌は(歌わなくても)大丈夫なので、踊ります!」って言ったんですよ(笑)。世界的な振付師である方の演出を受けられるのも楽しみですし。

 

2人のほかに小関裕太、大原櫻子、成河といった人気キャストが登場。上演に向け期待感を膨らませている2人に、読者へのメッセージをお願いした。

高畑 この舞台は今までに見たことのないようなものになる、っていう確信はあるんです。内容的にもしかしたら演劇初心者向きではないかもしれないけれど、初めて演劇を観る人にとっても衝撃的なものになるんじゃないかって。地方公演では、私とか麦ちゃんを朝ドラでしか見たことのない方にも、舞台の入り口として是非観てほしいという気持ちはありますね。こんな顔ぶれが集まる機会はまたとないと思うので、絶対に観といたほうがいいですよ!

門脇 本当に、それにつきますよね。「目撃せよ、体感せよ」っていう感じの(笑)。どう転んでも衝撃的な、インパクトのあるものになると思います。正直、私自身も怖いもの見たさなところもありますし。そこが、他の舞台とはちょっと違うのかもしれない。「観に来てください、面白いですよ」っていうより「これ、観てみたくない?」みたいなニュアンスのものなので、是非劇場で目撃して欲しいんです。

 

インタビュー・文/古知屋ジュン
Photo/関口達朗
構成/月刊ローチケHMV編集部 8月15日号より転載
写真は本誌とは別バージョンです。

 

◆高畑充希
スタイリスト:大石 裕介(DerGLANZ)

衣裳協力
・ワンピース・・・YOSHIYO (ピーアールエヌジャポン 03-5778-4691)
・ピアス&リング・・・simmon(03-6455-3467)
・シューズ・・・DESERT ROSE (デザートローズ ブリーゼブリーゼ店 06-6451-0366)

◆門脇麦
スタイリスト:佐伯敦子

 

【プロフィール】

高畑充希
■タカハタ ミツキ/’91年、大阪府出身。’05年に「山口百恵トリビュートミュージカル プレイバック part2~屋上の天使」で女優デビュー。現在オンエア中のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」など映像分野でも活躍。

門脇麦
■カドワキ ムギ/’92年、東京都出身。NHK連続テレビ小説「まれ」(’15年)の寺岡(津村)みのり役などで注目を集めた。今後は4本の映画「14の夜」、「彼らは本気で編むときは、」、「こどもつかい」「花筐」が控えている。

 

【公演情報】

ミュージカル「わたしは真悟」

日程・会場:
2016/12/2(金)・3(土) KAAT神奈川芸術劇場 ホール
2016/12/9(金) 静岡・浜松市浜北文化センター 大ホール
2016/12/15(木) 富山オーバード・ホール
2016/12/23(金)~25(日) ロームシアター京都 メインホール
2017/1/8(日)~26(木) 東京・新国立劇場 中劇場

★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!