M&Oplaysプロデュース『皆、シンデレラがやりたい。』
根本宗子 インタビュー

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アイドルの追っかけをテーマに、
憧れの役者たちと新作

 

——今回の舞台『皆、シンデレラがやりたい。』には、劇団☆新感線の高田聖子さん、大人計画の猫背椿さん、ナイロン100℃の新谷真弓さんと豪華な面々が出演されますね。

根本 「学生時代からずっと観ていた方々なので、とてもうれしいです。自分の劇団で作品をつくろうとすると、どうしても若い子を主軸にしてしまいがち。皆さんと組めるのは、声をかけていただくプロデュース公演ならではの喜びです。」

 

——「アイドルファンの40代女性3人組」という設定はすぐに決まったんですか?

根本 「もともと自分がSMAPを追っかけていたので、以前、アイドルの追っかけをしている人の短編をつくったことがあるんですよ。アイドルのファンって、いろいろな人がいて興味深いんです。おなじアイドルファンでも、女性アイドルを追っかけている男の人のほうが、同じ推しの女の子に対しての熱を共有できているんじゃないかと思うんです。女の人は『これだけやったんだから』と、どこかで相手と付き合えると思っているところがちょっとあるかもしれないなと。ファン同士の暗黙のルールがいくらでもできるところも、題材として面白いですよね。」

 

——根本さんは16年9月に初めて『夢と希望の先』で本多劇場を体験されましたね。本多劇場といえば演劇をつくる人の多くが憧れ、「演劇の聖地」とも呼ばれている劇場ですが、何か強く意識したことはありましたか?

根本 「これまで自分が公演をしてきた劇場よりもぐっと規模が大きいので、一番後ろの人まで楽しんでもらえるようにということは思っていました。学生時代、たくさん芝居を観てきたなかで、本多劇場デビューする劇団が空間を持て余しているなと感じたことが何度かあったので、その頃のメモを読み返して『こういう失敗はしないようにしよう』とも(笑)」

 

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——今回、早くも二度目の本多劇場ですね。

根本 「前回とはスタッフの方も全員違うので、色んな方の力を借りて、自分たちの劇団ではできないことができる気がしています。それに、『夢と希望の先』では空間を三つに区切っていたので、実は役者一人ひとりが演じるサイズはこれまでの小さな劇場のときとそれほど変わらなかったんです。出演者も多かったから、にぎやかにできた。今回はたった6人であの空間を満たさなくてはならないので、また新たなチャレンジではありますね。」

 

——根本さんは様々なインタビューで、「もっと多くの人に演劇を観てほしい」といった、向上心あふれる発言をされていますね。

根本 「なんか、感じ悪いですよね(笑)」

 

——いえ、そんなことはないです。応援のしがいがあります。

根本 「もちろん、小さいところで観る芝居も好きなんです。でも、『小さいところこそがいい』という考え方や、それに伴って描くものもどんどんミニマムな話になっていく風潮は苦手ですね。」

 

——根本作品は、決して大きい話ではないけれど、どこか開放感がある。それは、かなり意識的につくってらっしゃるんでしょうか。

根本 「私と同世代の人、もっと若い人たちは、熱量の高いものを恥ずかしがる部分があると思うんです。でも、やっぱり大きな劇場でやる公演は、ある程度の熱がないと成立しない。私のつくるものは感情的にはすごくミニマムな芝居で、物語が転がるきっかけもとても些細なこと。でも、そこから入っていきながらも、少しずつエンタテインメント要素を入れていく。そうすると、意外と受け入れられるんじゃないかと思っています。今回も、小さな劇場と、大きな劇場の両方を行き来しているいまの私だからこそできる演出で、観ている方に楽しんでいただけたらと思います。」

 

インタビュー・文/釣木文恵
Photo/保高幸子

構成/月刊ローチケHMV編集部 12月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】

根本宗子
■ネモト シュウコ 1989年、東京都出身。19歳のときに劇団、月刊「根本宗子」を旗揚げし、すべての作品の作・演出を務める。

 

【公演情報】

M&Oplaysプロデュース 「皆、シンデレラがやりたい。」

日程・会場:
2017/2/16(木)~26(日) 東京・本多劇場

詳しいチケット情報は下記ボタンにて!