本読み初日から白熱のコンボイ節炸裂!
膨大な情報量に戸惑いながらも手応えを感じています
今村ねずみ率いるエンターテインメント集団、THE CONVOY。2017年で結成32年を迎えるTHE CONVOYになんと新たな出演者が加わることになった。2月~3月にかけて全国5都市で上演されるTHE CONVOY SHOW vol.32『asiapan』には、荒田至法、後藤健流、佐久間雄生、本田礼生の4名が新たに出演者として加わり、10人でノンストップのパフォーマンスを繰り広げていくという。約500通の応募の中から選ばれたという5人に、オーディションの秘話からこれからの意気込みまでたっぷりと聞いてきた。
――みなさんはオーディションでTHE CONVOYの新メンバーとなったわけですが、どのようなオーディションだったのでしょうか。
後藤 もう、とにかく時間が長くて。たぶん、7時間とか? そこでは、ダンスから始まり、歌や芝居もと、とにかくいろいろやりました。ダンスはタップダンスもやったし、歌もソロもあればコーラスもありました。芝居は、すごい長台詞のひとり芝居と集団で行うコメディと…。もう、とにかく動きました。まだオーディションなのに、これがコンボイなのかと(笑)。
荒田 とはいえ、とてもあったかい雰囲気の中で7時間も一緒にいたので、みんなの顔を覚えました。
後藤 そうそう、後半はオーディションだってことを忘れるぐらい。(今村)ねずみさんがワークショップみたいな気持ちで取り組んで、と言ってくださったので、本当にワークショップを受けに来た仲間たちという感じになっていました。
荒田 お互いに掛け合って掛け合って、何かを作っていくということを強く意識してやってほしい、と言われたんです。
本田 僕は、オーディションのときの健流さんが特に印象に残っています。ハイパーダンサーですから。もちろん、みんなのことも覚えているんですが。
後藤 いやいや、みんなすごかったから。シルク・ドゥ・ソレイユなんじゃないかと思うようなアクロバットとか。
本田 あと覚えてるのは、荒田くんがすぐ帰っちゃったことかな。
一同 そうそう!(笑)
荒田 あの日は、どうしても仕事の予定があって。実はオーディションの前にも別の稽古があったから、オーディション自体に参加できるかどうかもギリギリまでわからなかったんです。行けると決まったのは前日。それで課題を改めて見返してみたら、打ちひしがれました。長台詞が難しくて。だからある意味開き直って参加しました。もう楽しむしかないな、と。
佐久間 確かに、一番楽しそうだった(笑)。長台詞は読解するのにも時間がかかるようなものでしたね。過去のコンボイのお芝居の台詞だったんですけど。
荒田 あの日は、本当に帰りたくなかった。この人たちともう少しこういう事をやってみたい、なんて後ろ髪を引かれながら帰らないといけなくて。ダンスも好きな感じの振付けだったから、どこでレッスンを受けられるのかすぐに調べたりして(笑)
後藤 あと、佐久間さんがすごく動ける人!って印象でしたね。
佐久間 新体操を一応やっていたので。
――さっきシルク・ドゥ・ソレイユの話が出ましたけど、確か佐久間さんは本当に参加さているんですよね?
佐久間 はい、一応登録しているだけなんですけど。
後藤 え、シルク・ドゥ・ソレイユに登録してるの? マジで!?
佐久間 いや、ただ男子新体操要員として登録してるだけなんで。もうずいぶん新体操もやっていないですからね。今回のコンボイショウでも宙返りとかあるので少し不安ですが、できることはやっていきたいなと。
荒田 本田さんは王子キャラだったよね。全面的に王子。「なんだこの澄み切った雰囲気は!」みたいな。
後藤 オーディション中にねずみさんからももう「王子」って言われていて(笑)。キラキラしてるんですよ。
本田 あれは、テニミュ(ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン)に出ていたから(笑)。
――お話しをうかがっていると、みなさんオーディションに手応えを感じていらっしゃったような印象ですが。いかがでしたか?
本田 僕は間違いなく落ちたと思いました。結果が出る前に健流さんとお会いする機会があったんですが、健流さんは必ず通ると思っていたから「頑張ってください」みたいなことを言いました。
後藤 でも、最近になるまで全然実感が湧かなくて。台本をもらって、ようやくオーディションに受かったんだと実感できました。
荒田 知り合いの役者さんに会うと、「あっ、コンボイの人だ」とか言われるんですけど、自分自身「そう…みたい、ですね?」みたいな微妙な実感で(笑)。
後藤 そう返すしかないんだよね。恐れ多いじゃないですか。まだ「コンボイです!」なんて言えない。
――今日は本読みだったということで、どのような感じでしたか?
佐久間 こんな本読みないですよ。こんな焦った初日はない。
後藤 一つひとつのことに対し、演出というか…お前もっとできるだろう!みたいなオーダーをストレートに、パシッとぶつけてくれるんです。
荒田 みんながやるべきことを、先に気づかせていただいた感じですね。その上で「そのシーンをどうこなしていくの?」と問われているような。
後藤 もう、お腹がすぐに減るんですよ(笑)。自分の担当じゃない台詞でも、読んでいるだけでお腹が空くというか、頭を使っちゃうんですよ。自分に向けたダメ出しじゃないところでも吸収したいから、気を抜く暇なんて1秒もない。
本田 本読みの中身が濃すぎて、何度も復習しないと自分のなかで消化しきれないです。
荒田 今日までは新メンバー同士のやりとりが中心になると思っていたんですが、新メンバーと絡むよりも、先輩方と絡むことのほうが多そうですね。情報量がとにかくすごかった。3日かけてやるようなことを今日1日でやる、って言われたので、空気がずっと張り詰めてる感じ。ねずみさんと言葉のやりとりをしていると、台本をもらってできた自分の中のイメージに色をつけていただけるんですよ。はっきりとした明確なビジョンを見せてくださるんです。
後藤 うっすらとしか見えてなかったものが、どんどんイメージが湧いてくる。その度に、おなかが減る(笑)。
――先輩対新人というまとまりでの絡みでなく、それぞれが先輩方とガッツリ絡んでいく感じになりそうですね。今、みなさんは出演者としてのコンボイショウの入り口に触れたところだと思いますが、改めてその魅力はどんなところだと思いますか?
後藤 ドラマがすごくあるんですよ。そのドラマがとっても光ってるし、芝居として見ている側がもらえるものがたくさんあるんですよね。そこに加えて、すごく歌うし、すごく踊るし、全部詰まってるじゃないですか!どこにも偏りなくクオリティが高いというのが、魅力なのかなと思いますね。
荒田 舞台としての、歌、ダンスなんかはもちろんあるんですけど、作品がどこかから持ってきたような話ではなくて、日本人のための、日本人によるものなんだというのを、今日の本読みで強く感じました。今の日本に必要なこと、今の日本人に見てもらいたいこと。それを僕たちがやれるということは、とても光栄です。
佐久間 それでいてキャッチーなJポップなどを、しっかり気持ちを込めて、誰もが目を引くよう、お芝居の中で歌うっていうのも、やっぱり特徴かなと思います。
本田 本当に手抜きが一切ないんです。読み合わせの段階から“1分1秒を無駄にしない。”という感じ。どうしても時間は限られているので。そういうストイックさは本当に勉強になります。
――コンボイショウの初めての舞台を踏むにあたって、ご自身の中で課題や目標はありますか?
本田 参加させていただく以上は、足は引っ張りたくないので、喰らいついていけるように頑張ります。
佐久間 ダンスにしても、台本にしても自分で詰めていく部分はたくさんあるので、頑張らないと!と思っています。あと、さっきねずみさんに言われたんですけど、自分の中に「影がある」って言われたんです。今回、それを取っ払いたいですね。
荒田 考えていたんですけど、今日でまた変わってしまいました。けど、僕がやるべきことを与えてもらったし、期待していただいたから今この場所にいることができる。だから、全力で応えたいと思っています。あと、みんなと楽しくやりたいです。今の時点で、こんなにも楽しいんだから、もっともっと楽しくなっていくだろうし。みんなからもまた一緒にやりたいと思ってもらえるように、そして、自分が一番そう思えるように頑張ります。
後藤 歌や芝居、パフォーマンスの仕方など、今までやってきて自分のスタイルが出来上がってきていると思うんですけど、もっと細かいところまで繊細に自分を作り込みたいなと。今まで、いろんなことをこなしてきたけれど、その“こなす”感覚をもっとストイックにしたらどうなるのか。意識するだけでも変わると思うので。作品をつくりながら、自分をもう一度見つめ直して、1ランク2ランク上に自分をもって行きたいですね。
インタビュー・文/宮崎新之
【プロフィール】
荒田至法
アタラ シホウ 1994年12月29日生まれ、東京都出身。2016年は「GEM CLUB」、「僕とあいつの関ケ原」、「ミス・サイゴン」などに出演。2017年本作以降は5-7月ミュージカル「グレート・ギャツビー」への出演が控えている。
後藤健流
ゴトウ タケル 1988年3月24日生まれ、東京都出身。幼少期から俳優として活動し、演劇「ハイキュー!!」などに出演。また2010年に実妹とユニット「BLOOD LINE」を結成。ダンサー、振付師としても活動している。
佐久間雄生
サクマ ユウセイ 1987年10月27日生まれ、千葉県出身。高校生で新体操を始め、社会人で全日本3位入賞。そのアクロバットを活かし数々の舞台で活躍。ミュージカル「コンチェルト」では主演を果たす。
本田礼生
ホンダ レオ 1992年10月28日生まれ、愛媛県出身。13歳でブレイクダンスを始め、高校卒業後に芸能界へ。ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズンやLive Performance Stage「チア男子!!」(主演)などの舞台で活躍。
【公演情報】
THE CONVOY SHOW vol.32『asiapan』
作・構成・演出:今村ねずみ
出演:
瀬下尚人 石坂 勇 舘形比呂一 黒須洋壬 トクナガクニハル/
荒田至法 後藤健流 佐久間雄生 本田礼生/今村ねずみ
日程・会場:
2017/2/25(土)~3/1(水) 東京・TBS赤坂ACTシアター
2017/3/5(日) 北海道・札幌市教育文化会館 大ホール
2017/3/8(水)・9(木) 愛知・東海市芸術劇場
2017/3/11(土)・12(日) 大阪・森ノ宮ピロティホール
2017/3/14(火) 福岡・ももちパレス