『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』製作発表記者会見レポート

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2017 年2 月18日、『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』の日本初演キャストが勢揃いする製作発表記者会見が都内で開催されました。集まった多くの報道陣と約80 名の「ビリーサポーター」を前に、まずはビリー役の4 人が《Electricity》のパフォーマンスを初披露。続いて大人役キャストも登壇し、作品に懸ける思いを語りました。

■ビリーズよりパフォーマンスの感想
加藤航世

舞台に出る前はすごく緊張していたんですけど、踊っていたらすごく楽しくなってきて、最後は拍手ももらえたので、すごく楽しかったです。

 

木村咲哉

僕も航世君と同じで、最初は緊張していたんですけど、踊ってる間にどんどん緊張を忘れてって、自分でもいい踊りができたと思うので、良かったです。

 

前田晴翔

緊張していて、あんまり覚えてないんですけど…とてもイイ気分でした(笑)。

 

未来和樹

これまで長い間、4人でコツコツと練習を頑張ってきました。それが今日、こうしてひとつの形となって、皆さんに披露できたことに、とっても感動しました。

 

 

■大人役キャストよりご挨拶
吉田鋼太郎(お父さん役)

今、僕らも上の席から彼らの踊りを見ていたんですけれども、みんな泣いてました、感動して。まあ基本的に、世界中で絶賛され、たくさんの賞をとっているこのすごいミュージカルの製作発表の場になぜ僕がいるのかという、相変わらずのアウェイ感は否めませんが(笑)。一昨年初めて『デスノート』というミュージカルに出させていただいた時の大変なアウェイ感が、まだ拭えてはいないんですけれども、でも非常に光栄なことだと思っています。ビリ ーがお父さんから「絶対に踊るな」と言われたあとに、ほぼ叫びながら、絶叫しながらタップを踊り狂うところがありまして、僕はそのシーンが大好きなんです。何と言いますか、やはりイギリスはシェイクスピアを生んだ国だな、と。 嵐の中をさまよって咆哮して叫ぶリア王の姿だったり、父が殺されたことを亡霊に告げられて復讐を誓うハムレットの姿だったりが、なんだか重ね合わせられるんですよね。「今、ここから抜け出したい」「自分の今の状況を、なんとか打開したい」「ここからどこかへ飛んでいきたい」という思いから、自然に発露するものとしての踊り、歌、というものを、本当にきっちり捉えたミュージカルだなと思います。ただ踊るだけ、ただ歌うだけではない、「今、自由になりたい」「今、何かを主張したい」「今、何かを叫びたい」、そういうのがもっとワーっと前面に出てくるような芝居 になればいいなと思います。よろしくお願いします。

 

益岡徹(お父さん役)

僕は、吉田さんよりももっとアウェイ感があります(笑)。ミュージカルは本当に初めてでございまして。そもそもは去年の 1 月に、この作品が映画化されたものが、WOWOW で放送されていたんですね。それをたまたま見ていて、途中からだったのに引き付けられたのが、この作品との出会いでした。ミュージカルは自分とは別の世界にある、とずっと思ってたところに、オーディションを受けてくれないかというお話をいただいて、しかもそれが 1 月に見ていた作品で、「こういうことがあるもんなんだなあ」と、どこか第三者的な視点で最初は眺めていたんですけれども。「いい歳になって」という言い方はアレですが、この歳でオーディションを受けるということも、なんだか幸せだなと思いました。受かるか受からないか分からない状態を味わい、「この歳になってもまだドキドキするものなのだなあ」とか(笑)、色々なことを感じながら時間が経過しまして、あと何カ月かしたら稽古が始まります。先ほど4 人のビリーの踊りを見ていたら気持ちが高揚して、吉田さんもおっしゃってましたけども、僕も、みんなも涙ぐんでいました。自分の世界に今までなかったものの中で生きていくんだ、という実感のようなものを、今はすごく感じています。なにしろ初めてですので、いい練習といい稽古と、色々積み重ねていきたいと思っています。よろしくお願 いいたします。

 

柚希礼音(ウィルキンソン先生役)

ビリーのバレエの才能を見抜く、ウィルキンソン先生役をさせていただきます。私もこの作品を観た時、本当に色んなところで涙して、「人が夢を持っている姿を見ると、なぜこんなに心が動かされるのだ」と思うくらい感動したので、関われて本当に幸せに思っています。ビリー役を始めとするすごいキャストの皆さまに、いっぱい刺激をいただきながら、たくさん稽古したいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

 

島田歌穂(ウィルキンソン先生役)

私が初めてこの作品を観たのは、ブロードウェイでまだロングランがスタートして間もない頃でした。チケットがなかなか取れなくて、やっと2 階の奥のほうの席が取れて観た、それが出会いです。映画の『リトル・ダンサー』は見ていたんですけれども、「あの映画がこんなにすごいミュージカルになってしまったんだ!」って、もう本当に、感動しすぎてしばらく席から立ち上がれなかったことを覚えています。この作品は、辛辣なくらいの社会背景も描きな がら、親子の愛だったり同志愛だったり、先生と教え子の愛だったり、色々な深いドラマが描かれています。そして音楽も素晴らしくて、アイデアと遊び心がたっぷりのナンバーがたくさんちりばめられていて、こういうミュージカルは他には絶対ないなというくらい、衝撃的な作品だと思います。ビリー役には、歌と芝居はもちろんですが、それ以外にも様々なスキルが必要とされて、これだけのものが求められる役も他にはないんじゃないかなと、本当に思います。(思い出して涙ぐみながら)先ほどのパフォーマンスにも大感動しておりましたが、これからもビリーたちからたくさんの元気を、勇気を、力をもらいながら、私も精いっぱい、いただいたチャンスに感謝して演じさせていただきます。よろしくお願いします。

 

久野綾希子(おばあちゃん役)

私もこの作品は、ニューヨークで 2階の5列目ぐらいのところで観て、「こんな遠いところからなんでこんなに号泣しているんだろう」と思ったことを覚えています(笑)。去年オーディションのお話をいただいて、何十年ぶりかのことにドキドキしながら、改めてビデオを見て、「こんなにすごい作品に関われることができれば、この歳になっておばあちゃんをやれてこんなに嬉しいことはない」と思ってオーディションを受けました。結果までの間はものすごく、 益岡さんと一緒でドキドキしていて、受かったと聞いた時は「よーし!」という思いでいっぱいでした。その時に、受かったビリー役の人たちは1年近くレッスンをすると知って、今日初めてこの4人の孫たちに会いました。最初は 「ちっちぇー! 大丈夫かな?」と思ったんですけども(笑)、今のパフォーマンスを見て、「うわー!!」と。こんな孫たちを持てて、本当に感動、誇りに思います。これからたくさんレッスンをして、本番までにもっとすごくなっていくのが、ものすごく楽しみです。…ただ、「そうか~吉田さんと益岡さんのお母さんなんだ」と思うとちょっと、もうそんなところに来ちゃったなっていう感慨があるんですけれども(笑)、でも参加できてすごく嬉しいです。どんな年齢の人が観ても、どんな人と一緒に観ても、絶対に「ああ~もう、すごい良かった!」と思って、新しい明くる日を迎えられる気分になる舞台ですので、みんなに観てほしいと思います。

 

根岸季衣(おばあちゃん役)

今、久野さんがおっしゃったことと全く同意見で、「鋼太郎さんと益岡さんが息子!?」というのにはひとつ抵抗があったんですが(笑)、ビリーたちのパフォーマンスを見たら、「息子はともかく、この孫だったら許せる、おばあちゃんになる!」と思いました(笑)。ましてWキャストでやらせていただく久野さんはもう本当に、ずっとミュージカルをやっていらした方なので、こんな素敵な方とやれるなんて、これはまた幸せだなあ、と。Wキャストという経験が初めてなので、稽古場でどんな今までになかった経験ができるんだろうと思うと、それだけでも本当に期待でいっぱいです。パフォーマンスを見たあとに、「うわあ、これ毎日見られるんだ、幸せ!」と言ったら、鋼太郎さんに「出るんだからね」と言われてしまいましたけども(笑)、きっとみんなからいっぱい色々なものがもらえるんじゃないかと、ご覧くださる皆さん以上にミーハーになって(笑)、楽しみでしょうがありません。ぜひご喧伝、よろしくお願いいたしま す。

 

栗山廉(オールダー・ビリー役)

この『ビリー・エリオット』のお話に初めて触れたのは、僕がバレエを始めて間もない頃で、当時英国ロイヤル・バレエ団に所属していたアダム・クーパーさんが、このオールダー・ビリー役をやっていました。その役に衝撃を受け、とても憧れたので、今回はビリー役のみんなに憧れてもらえるような踊りをしたいなと思っています。このミュージカルを通して、バレエ、そしてバレエダンサーの魅力も、披露していきたいなと思っています。初めてのミュージカ ル出演なのですが、しっかり頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

大貫勇輔(オールダー・ビリー役)

僕は4年前に、たまたまロンドンで『ビリー・エリオット』を観させていただいて、さっき鋼太郎さんがおっしゃっていた、ビリーが一人で踊り始める踊りで、もう本当に動けなくなりました。その感動が、今ここで、上から見た時に蘇ってきて、同じような感動を感じることができて、これから一緒に稽古していく中でさらに進化していくんだろうなと思うと、もうワクワクがもう止まらないというか…すごくこう、背筋がスッと伸びたような気持ちになって、勇気と元気を既にもらいました。僕もこれからの数か月、もっともっとトレーニングをして、憧れてもらえるようなダンサー、俳優になれるよう精進するので、(ビリー役の4 名に向かって)よろしくお願いします。そしてたくさんの方に、本当に観てもらいたいなと思っています。(客席に向かって)よろしくお願いします。

 

 

■質疑応答

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――(ビリー役の 4 名に) オーディションから今までの1 年間、どんなふうに過ごしてきましたか? そしてこれから本番までの5 カ月を、どのように過ごしていきたいですか?

 

加藤「僕はバレエしかやったことがなくて、それ以外は全然やったことがなかったので、すごく新鮮でした。これからも、素晴らしい舞台に出来るように頑張っていきたいです」

 

木村「僕はまだバレエが少し弱いので、毎日練習して、みんなに追いつけるようにしたいです」

 

前田「色んなジャンルのダンスを学べて、すごく楽しかったです。4月には中学生になるので、勉強と『ビリー』のレッスンを両立していきたいです」

 

未来「僕は熊本から来ているので、今までは「熊本の方に明るいニュースを届けたい」っていう気持ちで頑張ってきたんですけど、これからは、観に来てくださるお客様の期待を裏切らないように、精一杯頑張りたいと思います」

 

――(ビリー役の4 名に) 役柄のビリーは「踊っていると自由になれる」と歌いますが、皆さんは踊っている時、どんな気持ちになりますか?

 

加藤「本っ当に何も考えていないです。舞台に出る前は色々、「ここ気を付けなきゃ」とかも意識するんですけど、踊り始めると、全て忘れちゃいます。今日も、舞台に出る前はすごく緊張したんですけど、踊っている最中は何も考えていませんでした」

 

木村「僕は、すごく考えちゃうほうで。考えちゃうと、色々なことがごちゃごちゃになって、踊りがメチャクチャになっちゃったりします。今日も、少しだけ考えちゃいました。

司会者「でも今日の踊りはメチャクチャになっていなかったですよ」

ありがとうございます(照)」

 

前田「僕も、踊っている時は、記憶がないです。忘れるっていうか、何も考えてなくて、頭がカラッポになります。今日も同じでした」

 

未来「僕もみんなと一緒で、踊っている時はもう本当に、目の前に何があっても見えなくなったり、音楽しか聞こえなくなったりします。ビリーがミュージカルの中で歌っている歌詞と本当に同じ気持ちで、それが僕がこのオーディションを受けようと思ったきっかけにもなりました。本当に、もう本当に何も見えなくなるっていうか、自分がどこにいるのか分からなくなるような、不思議な感覚になります」

 

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――(お父さん役、ウィルキンソン先生役の 4 名に) 海外スタッフとのオーディションについて、印象に残っていることがあれば教えてください。

 

吉田「いや…その時は精一杯だったので、あんまり覚えていません(笑)」

 

益岡「私はオーディション自体、本当に何十年ぶりかで受けたようなことでして。覚えているのは、自分が誰とも会わないように、段取りをしてくださっていたことですね。誰が受けているのかとか、何人の方が受けているのかとか。 ビリー役のみんなはね、大勢の仲間がいた中から自分が選ばれてここにいる、というのが実感としてあるかもしれないですけども、大人のオーディションは自分しかいないんです。誰ともすれ違いもしないように、すごくデリケートに運んでくださってるんだなあ、という実感がありました。もし落ちていても、そのことは誰にも分からない(笑)。 それが目的かどうかは、もちろん定かではありませんけれども、その細やかな感じというのがすごく、記憶にございます」

 

吉田「もう本当に、密室で行われてる感じでしたよね。僕らも色んなことをやってきてますから、もうそんなに緊張とかはね、あんまりしないはずなんですけども、随分本当に、いつになく緊張しました。あとはやっぱり、言葉の問題で、ちゃんと伝わらない…かもしれないのではないか、というのがありまして。例えば少し演技をして見せた時に、「今ちょっとここをもう少しこうしたかったんですけども」という、言い訳が全然できない状況が辛かったですね (笑)。「あのここ…まあまあ、いいや」みたいな感じがありました(笑)。もう本当に正真正銘の、“演技”を見てもらう、というオーディションでしたね」

 

益岡「あとね、課題曲が2つあったんですけれども、僕の場合、1 曲歌ったらもういいよみたいな感じになって。その時にちょっと、若干ショックを受けた覚えがあります(笑)。もう1曲も最終的には歌わせてもらったんですけれども、「ああこれはそういうこと(落選)かな…」というふうに(笑)、思ったことを覚えています」

 

柚希「私もオーディションを受けたことがなかったので、すっごく緊張しまして。歌も踊りもタップもお芝居もオーディションがありまして、すごく緊張しながら受けました。お芝居のオーディションがお稽古みたいだったのですが、「こういうふうに変えてみてください」みたいなのって、皆さんもありました?

(一同肯く)

あ、皆さんそうだったんですか。良かった、私がちょっとあんまりだから(笑)、「もっとこうして」って何回もされてるのかなって心配になるぐらい、お芝居の稽古を何度も何度も。言われたことでどのように変わっていくか、というところも見られていたのかなあ、と思います。歌や踊りを見せるだけではなく、ビリーとの場面やお父さんとの場面のお芝居を何度もして、オーディションなのにお稽古みたいなことをしてくださったことがとても印象的です」

 

島田「私も今、柚希さんと全く同じことをお話ししようと思っていました。やはり芝居の部分で、自分が1回やったことに対して、「もうちょっとこういう方向で」というのが何回も…一緒だったんですね、私も自分だけかと思っていま した(笑)。そしてそこで、ウィルキンソン先生の役作りについて、ものすごくたくさんのヒントをいただきました。私も相当強い女性という思いで演じたんですが、まだ足りなかったようで、「もっともっと強いんだ」と。本当にその場でお稽古をしていただいたような感覚で、すごくいっぱい発見をさせていただいた、とても感動的なオーディションでした。それからダンスの審査では、とにかく次から次へと色々な場面をやりまして、短時間にどれだけ汗かいたんだろう、という思い出もあります(笑)。

(柚希が大きく肯く)  そこも同じでしたね(笑)」

 

――(お父さん役、ウィルキンソン先生役の4名に) 多くの子役と接してこられた皆さんから見て、ビリー役 4人の印象は?

 

島田「彼らとは今日、初めてやっと会えたんですね。最初にご挨拶した時に、「思ったよりも小っちゃい!」と思いま して(笑)。久野さんもおっしゃっていましたが、「彼らがあれをやるんだなあ…!」って思い描いていました、先ほど パフォーマンスを見るまで。私事ですが、私もちょうど子役でデビューしたのが 10 歳ぐらいでしたもので、自分のその頃を思い返すと、「こんなこと絶対できない…!」と。もう本当に、今この時、まさに奇跡の4 人が揃ったという、そういう思いで感動しながら見させていただきました」

 

柚希「ビリー役って、歌も歌えないといけないし、それ以外にも、やらなきゃいけないことがいっぱいで、「オーディションがあるとはいえ、どうやってやるんだろう?」と思っていたのですが。

(ビリー役の4 人に向かって)すごいね ~。元々全部できたわけじゃないんだもんね? ここ1年間で?

(ビリー役4 名、肯く)

いや、本っ当にすごいです。すごい人数が受けたと思うので、その中を勝ち抜いた4人はやっぱり魅力的です。何よりも、純粋な、ピュアなものをすごく感じて、一緒にできるのが本当に楽しみです」

 

益岡「先ほど見て本当に、思わず涙ぐんでしまったんですけれども。何日か前に、「オーディションに落ちたたくさんの仲間たちの分も頑張る」というようなことを言っていたと聞いて、そういう気持ちを持ってる子たちとできる幸せといいますか、親子として向きあえる幸せというのを、さっきも実感として感じました。世界ではたくさんのビリーが生まれていて、そして高い評価が定まっている中で、うんと高いところまで行かなきゃいけないんだけれども、きっと行けると思いました。

(ビリー役の 4 名に向かって)一緒に頑張っていきましょうね」

 

吉田「本当に皆さんのおっしゃる通りです。あとはもう本当に、見ていて羨ましいなと思います。このころに戻りたいな~っていう気がすごくしますね。すごく羨ましいのと、やっぱり尊敬します。今ね、勉強もしなきゃいけないだろうし、友達と遊びにも行かなきゃいけないだろうし、好きな女の子もね、ぼちぼちできる頃だし(笑)。きっと色んなことをやりたい時なんだろうけど、そこをちょっと置いといてこれをやって、今日もうあんな踊れるようになってて。まあ 僕、このころに戻りたいって申し上げましたけども、きっと戻っても、この子たちみたいには努力しないと思います (笑)。だからすごいなと思う。僕もイロイロと教えてあげることがあるだろうけど、僕も君らから色々学びつつ、頑張っていきたいと思います」

 

――(吉田さんに) 先ほど、「さすがシェイクスピアを生んだ国イギリスの作品だ」というお話がありました。蜷川幸雄さんから「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の芸術監督を受け継いだ身として、この日本人キャスト版『ビリー・エリオット』をイギリスに持って行ってみたい、という思いはありますか?

 

吉田「…すごいことをおっしゃいますね(笑)。それができたらもう本当に本望、なんじゃないかと思いますね。それは僕個人の希望としては、そりゃ持って行きたいですけど。…行きたいよね? …行きます!(笑)」

 

――(おばあちゃん役とオールダー・ビリー役の 4 名に) 皆さんからもぜひ、ビリー役4人の印象と、彼らへのメッセージをお願いします。

 

久野「スタートラインの今の時点で、もうよくぞここまでという感じですから、これから稽古をしたらどこまで行くん だろう、と(笑)。でも多分これから、何回もしんどい山が来るんだろうなあと思います。私はオーディションの時に、イギリスのスタッフの人たちはなんてフレンドリーなのだろう、と感動したんですけれども、あの人たちはきっと、ハンパなく要求もしてこられると思うので(笑)。そんな時でも、今もうここまで来てるのだから、何があっても絶対にできる、と自分を信じれば、初日を迎えられると思います。ここまで来た人たちにあえて言うことではないかもしれないですけども、ここまで自分を信じてこられたなら、最後まで信じられると思うので、一緒に怒られながらやっていきましょう(笑)。よろしくお願いします」

 

根岸「踊りとかタップとかそういうのはもう、彼らのほうが素晴らしいので、おばあちゃんとしてできることは、せめて二人の芝居の時に安心してできるように、そこでは心配がないようにしてあげられたらな、と。おばあちゃんとのシーンに来るとちょっとホッとするな、という感じになったらいいなと思います。あとはもうね、無事このメンバーで、とにかくケガのないように。これは自分にも言えることですけど、乗り切れるように、頑張りましょう」

 

栗山「僕は彼らが去年、まだ役に決まってない時に、レッスンをしている姿を見ていたんですよ。その時と比べて今日見た踊りがすごく、バレエ面でも成長していましたし、アクロバットもしていて、僕はアクロバットが全くできないので、純粋に尊敬しました。さらに本番では、タップや演技もたくさんするので、僕のほうが勉強させてもらうこともたくさんあると思います。そして僕も、現在所属させてもらっている K バレエ カンパニーでの経験を生かして、バレエの良さを彼らにもっと伝えたいですし、テクニックも、教える機会があればいいなと思っています。一緒に頑張っていきましょう」

 

大貫「僕は元々バレエダンサーではなくて、だからオーディションに受かったと聞いて、余計に緊張が走ったんですが。その時から本当に毎日、僕もバレエのトレーニングをしています。今日のパフォーマンスを見た時は、ブレイ クダンスも、側宙やバック転もやっていて、「この1年でよくそれだけやったな!」というのが率直な感想でした。だから僕も負けないように、もっともっと頑張らなきゃなって思ったし、踊りの楽しさを僕もみんなに伝えながら、共に成長できたらなと思います。よろしくお願いします」

 

【公演情報】

ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』

日程・会場:
2017/7/19(水)~23(日) 東京・TBS赤坂ACTシアター ※プレビュー公演
2017/7/25(火)~10/1(日) 東京・TBS赤坂ACTシアター
2017/10/15(日)~11/4(土) 大阪・梅田芸術劇場 メインホール

脚本・歌詞:リー・ホール
演出:スティーヴン・ダルドリー
音楽:エルトン・ジョン
振付:ピーター・ダーリング

出演:
加藤航世 木村咲哉 前田晴翔 未来和樹 / 吉田鋼太郎 益岡 徹 / 柚希礼音 島田歌穂
久野綾希子 根岸季衣/藤岡正明 中河内雅貴/小林正寛/栗山 廉(Kバレエ カンパニー) 大貫勇輔 他