知られざる歴史上の出来事にスポットを当てる「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」。シリーズ初の2部構成で上演される『剣豪将軍義輝』では、鎌倉~江戸時代までの歴代将軍の中でもっとも武術に優れた逸材でありながら、29歳の若さで命を落とした足利義輝の生涯を描く。主人公・義輝を演じる染谷俊之は、昨年12月の公演での手応えをこう振り返る。
染谷 「早く後編を観たいという声を多くいただき、とても嬉しかったです。上演後、原作者の宮本(昌孝)先生からもお手紙をいただいたのですが、『剣豪将軍義輝が世に出たとき、あなたは九歳か十歳の少年でした。私はいま気づきました。剣豪将軍義輝は、二十年後のその少年と出逢うために書き下ろした作品だったのだと』とおっしゃって下さり、感無量でした」
若き義輝の恋や友情なども描かれ、従来の戦国ものとは手触りが異なるこの作品。前編を経た染谷が考える、義輝の人物像とは?
染谷 「人格や剣の腕前など、挙げたらキリがないくらい凄い人物ではありますが、前編で演じてみて、義輝はとても素敵な仲間にも恵まれていたんだなぁと思いました。そこが、義輝と演じる自分とで一番リンクを感じた部分でもあります」
後編では剣の道を究めるべく旅に出た義輝が若き日の織田信長らと交流を深め、やがて覇権争いの中で壮絶な最期を迎えるまでが描かれる。
染谷 「前編では義輝の成長していく姿を作り上げていきましたが、後編は死にゆく物語です。芝居の面では変化をつけようとするのではなく、自然に変化していくものだと思うので、僕は変わらずステージ上で演じきりたいと思います」
新たに織田信長役の細貝圭や松平元康(のちの徳川家康)役の杉江大志らも加わり、ダイナミックに展開していく人間ドラマにも注目だ。
染谷 「織田信長や徳川家康、豊臣秀吉など、室町以降の時代を作り上げていく歴史上の有名な人物が義輝とどう関わってどう歴史が動いたのか、どうしていたら歴史が変わっていたのかなど、歴史好きの方はもちろん、後編だけ観ても楽しんでいただける作品になると思います。僕らが戦国の世を全力で生き抜く姿を、ぜひ観に来てください!」
インタビュー・文/古知屋ジュン
構成/月刊ローチケHMV編集部 3月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケHMVは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
染谷俊之
■ソメヤ トシユキ ’87年、神奈川県出身。ミュージカル『テニスの王子様2ndシーズン』『弱虫ペダル インターハイ篇 the second order』など、話題作に多数出演。
【公演情報】
舞台『剣豪将軍義輝~星を継ぎし者たちへ~』
原作:宮本昌孝
脚本:鈴木哲也
演出:大関真
出演:
染谷俊之/加藤梨里香、山本匠馬、石井智也/星野真里/
細貝圭、井深克彦、杉江大志/山崎樹範/佐藤アツヒロ 他
日程・会場:
2017/6/8(木)~18(日) 東京・EX THEATER ROPPONGI
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